マドリーの恋人

ヤマダトミオ。 画家。 在スペイン52年。

 うっ!ふぅぅ~、のペナルティ・キックとサハラの熱さにはガスパチョ!???

2012-07-03 11:30:00 | スペイン日記

決めたぜ!セック(Cesc Fabregas)

 とうとう暑さで頭がイカレタ、と思われても仕方のないタイトルになってしまいました。昨夜(6月27日)はサッカー・ヨーロッパ・カップ(欧州選手権)の準決勝でした。スペイン-ポルトガル戦にマドリっ子たちは家のテレビ、バルのテレビ、はてはベルナベウ・サッカー場(Estadio Santiago Bernabéu)脇の巨大画面の前に釘付けになっていました。

 試合が始まったのは、夜の9時頃ですが、おもてはまだ明るく、30度を超す暑さでした。でも試合中に「ゴォォォールゥゥゥ!!」の大歓声はなく、「アァァ~」のゴールを外した時に出る、ため息ばかりでした。そんなため息にしてもスペイン人は大声なので、試合経過はそれだけでも十分わかります。

 僕らみたいな試合オタクは、勝ち負けよりも、ゲーム内容です。そりゃ勝つには越したことがないけど、お!いい作戦展開だ、皆よく動いている、と応援クラブや応援するナショナルチームが、胸のすく試合を見せてくれるのを期待します。そこにドラマが生まれたら、感動度は一気に高まり、ビールも格別の味になります。だから、同点で最後までもつれ込んだらペナルティ・キックで決着をつける、それもありだ。だから1-1とか2-2の試合内容なら納得をする。ところが昨夜の試合は延長線も0-0で終わり、決着がペナルティ・キックでした。

 それじゃ、兎も角、誰かに勝たせなきゃ、の感じです。昨夜のスペインチームは初戦の対イタリア戦の時みたいな、スピードに欠けるつまらないゲームでした。それにスペインはポルトガルに押されっぱなしでした。デル・ボスケ監督の意図は僕らド素人にはわかりませんが、最初からナバス(Navas)やペドロ(Pedro)を使ったサイド攻撃をかけていれば、90分で決着がついたでしょう。彼らが出たのは後半だったので、時はすでに遅し、でした。

 だから試合が面白くなったのは延長戦になってからでしたが、チームメートは疲れているので得点には結びつきませんでした。結果は0-0なので、ドキドキのペナルティ・キックとなってしまいました。ペナルティ・キックは見ている方の心臓もドキドキです。だから、ボールを蹴る瞬間は「うっ」となって、キーパーをすり抜けたボールが入った瞬間に「ふぅうう~」です。血圧も上がるので、誰でも、延長戦までにケリをつけて欲しいのです。

 でも、一応、スペインが勝ったので、夜空には花火が上がりました。ペナルティ・キックで負けたポルトガルですが、ポルトガルらしいゲームをしたのでポルトガル人はそれなりに納得したはずです。そんな昨夜だったので、家の中も外も熱く燃えていました。試合後も寝苦しい熱さが続いた昨夜ですが、おとといの夜は92年ぶりの熱さでした。夜中の3時もまだ31度の熱帯夜でした。ちなみに気温はマドリードも日本と同じ摂氏温度で表示です。

 結局、日が沈んでから再び出る間の平均気温は26度と言う、マドリード気象庁開設以来の最悪の熱帯夜でした。もちろん昼間も熱く、40度くらいでした。日陰の温度がこれだったので、炎天下を走っていた市バスが燃えました。初めはエンジン部からの白い煙でしたが、黒くなってきたので、これはヤバイと、運転手が乗客を降ろしたので皆無事でした。こうなると、「暑い夏」ではなく「熱い夏」です。もうサハラです。日差しは刺すように痛いのです。


手前のがガスパチョ

 そこで、夏はガスパチョ(gazpacho)が登場します。ガスパチョは冷たい「飲むサラダ」で、夏バテ防止とも言われています。トマトをメインにした野菜ジュースなので、写真のような完熟トマトが欲しいですね。


真っ赤なトマトが決めての材料たち

 作り方はいたって簡単です。写真の野菜、トマト500g,キュウリ一本、玉ネギ半分、ピーマン半分、ニンニク一片、をぶつ切りじゃなくて大雑把なみじん切り、程度に切ります。切ったらミキサーにかけます。スペイン人はバティドゥラ(batidora)と呼ぶハンドミキサーを使いますが、日本に昔からある普通のミキサーでも結構です。


ブツ切りトマトと冷凍保存をする野菜ジュース(左上)。ジュースが赤い色なのは、赤ピーマンを使ったからです。

 初めてガスパチョを作った日本人はトマトや他の野菜をすり鉢ですった、と聞きました。ご苦労さまでしたが、ともかく野菜がジュースになれば良いのです。ジュースになったら、エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルをスープスプーンに3杯、ワインビネガーをやはり3杯、塩を少々、硬くなったパンを数かけら、等などを加えてさらにミキサーにかければ出来上がりです。これで3~4人分になります。仕上げは好みなので、トマト好きはトマトを増やし、濃かったら水を加えます。ねっとりとさせたかったらオリーブオイルとビネガーを増やして、ブ~ンと回します。レストランではトマト、キュウリ、玉ネギ、乾いたパンなどのみじん切りを飾ります。


このバティドウラでトマトを砕きます。


 僕は完熟トマトが手に入ったときのために、玉ネギ、キュウリ、ピーマン、ニンニクだけのジュースを作って、小さいタッパ-に一回分くらいに小分けして冷凍保存しておきます。夏場はいつでもガスパチョが作れるように用意をしている訳です。バルで一杯引っ掛けての帰り、八百屋の店先で完熟トマトに出くわすと、ついつい、私は元気!と歌っているような赤色に魅入られて2、3キロは買ってしまいます。それをブツ切りにしたら凍ったままの野菜ジュースと一緒にハンドミキサーにかけます。これだけでもガスパチョは冷たくなります。

 結構二日酔いの日って、迎え酒をやってしまいませんか?僕はビールが迎え酒ですが、その代わりにもなります。一晩寝かしておくとさらに美味しくなるので、前日に作って冷やしておくスペイン人も多いです。そのタイプの人はトマトも湯煎して皮と種を取り除きます。ガスパチョをトマトだけで作ったのがアンダルシアのサルモレホ(salmorejo)です。

 さて、今夜(6月28日)は、もう一つの準決勝試合、ドイツ-イタリア戦があります。熱さは続きます。[試合結果です。全勝のドイツが、引き分け試合とペナルティ・キックで生き残ってきたイタリアに、まさか?!と負けました。7月1日の決勝戦はスペイン-イタリアとなります。今回のエウロコパ(EUROCOPA/ヨーロッパ・カップ/欧州選手権)では、スペイン、イタリアは同じCブロックだったので、初戦からぶつかり1-1の引き分けでした。再び決勝戦でぶつかるのも、何かの縁です。

 スペインのデル・ボスケ監督が決勝戦でドイツとぶつかるのを想定して、今までの試合展開をしてきたのなら、ちょっと予定変更ですね。スペイン人の90%が決勝戦はスペイン-ドイツと思っていました。この週末は、マドリード市内のマンションのバルコニーにはスペイン国旗が増えるでしょう。オレ/あたしも応援しているぜ、のアピールです。ガンバレ!スペイン
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