マドリーの恋人

ヤマダトミオ。 画家。 在スペイン52年。

秋です

2021-09-24 15:00:00 | スペイン日記

流れ出た溶岩

 ラ・パルマ島の火山が噴火をしました。噴火の数か月前から弱い地震が続き、それが2万5千回を超えた先週にとうとう爆発しました。予兆があったので火山近くの住民は車に必需品を詰めて退避の準備はしていました。真っ黒い灰煙が爆音と共に空に吹き出すと蜘蛛の巣を散らすように逃げました。その後は真っ赤な炎と溶岩がゴォォォーと叫ぶ音と共に吹き出ています。絵に描いたような火山噴火が続いています。家族・親戚の家や友達の家、市が避難準備した体育館、軍隊が組み立てたテントなどで避難した家族は今も過ごしています。

噴火

 ラ・パルマ島は大西洋に浮かぶカナリア諸島の一つで、北アフリカのモロッコの近くです。カナリア諸島は大きいな島が7つありますが、多くがラ・パルマ島のように火山があります。50年前にも同じ火山の噴火がありました。常夏なので一年中海水浴ツーリストやサーファーがヨーロッパ中から集まり真冬でも賑わっています。バナナの大産地でもあります。火山噴火で流れ出た溶岩は住宅を吞み込み海に向かっています。このまま進むと千軒の家が溶岩で消滅します。時速200メートルで海に向かっていますが、その先には大バナナ園もあります。できるだけ切り取ろうとバナナを積み込むトラックが列を作っています。溶岩の進むスピードは平地ではかなり遅くなってきたので海に流れ落ちるのはいつになるのかは分かりませんが、海水に触れると硫黄酸化物ガスが舞い上がります。溶岩から免れた地区の住宅の屋根にも道路にも噴出された火山灰がつもり真っ黒です。噴火がどのくらい続くのかはまだ分かりません。

溶岩に呑まれた住宅

 政府はEU(欧州連合)に災害復旧費を要請し、市はマンションを数棟買い上げて仮の住み家の準備を始めました。天災にはかないませんが自分の家が溶岩に飲み込まれていくのを観ている住民の顔は涙でぐちゃぐちゃです。不幸中の幸いはラ・パルマ島の空港は溶岩を吐き出している火山の背中側です。スぺイン中からの援助物資を積んだ飛行機の離発着陸には支障がありません。何はともあれ死者が出ず無事に逃げられたのは幸いです。

バナナを救う

 このコロナウイルス禍の時にとんだ災難ですが、カナリア諸島はワクチンの完全接種率はスペインの中でも高い方で8割は超えているはずです。ウイルス感染がこれ以上広がる可能性は低いです。そのコロナウイルスですが、マドリードは完全接種率が7割を超えたので今週から屋外ではマスクフリーです。ポップコーンやコーラを売らなければ(つまり飲食禁止)映画館はマスク着用で観客席数が100OKです。バルもマスク使用なら屋内のテーブル席にも座れますが、立って飲むカウンターは客同士が密着になるのでまだ禁止です。ディスコも夜中3時までオープンになりましたが僕の歳では入れてくれないでしょう(密着度はこっちのほうがカウンターよりも高いと思う)。

秋の公園

 秋になったマドリードは少しずつコロナ禍前に戻りつつあります。学校も職場も通学・出勤となりました。お陰で通勤通学ラッシュも戻りました(うんざり)。近くの公園も初秋の風景になりました。この夏にジョギングで息切れをするようになった僕はとうとうウォーキングとなりました(悲しい)。仕方ないので公園を回る回数を増やしました。秋は人に冬支度させるようです(家に籠って大人しく冬眠です)。

コメント (1)
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