セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「探偵<スルース>」(1972年)

2010-12-28 23:07:57 | 外国映画
 「探偵<スルース>」(1972年・英)監督ジョセフ・L・マンキーウィッツ
               出演ローレンス・オリヴィエ、マイケル・ケイン

 僕の中では推理劇&心理劇の最高傑作。
 ただ、これを観るには条件があります、内容が重く、重層的に作ってあ
る話なので集中して観ないと面白くない、暗い映画館のスクリーンで観る
べき作品、将来、DVDが発売されて自室で見るとしたら電話のコードを
抜き、携帯をOFFにして部屋を暗くし、更にドアのノブに「入室禁止、騒ぐ
な!!」の札をぶら下げてから観て欲しい。(笑)
 推理モノなので細かい内容は書けませんが、大まかなニュアンスだけ
でも。
 有名な老推理作家の家へ招かれた若い美容師、この美容師は作家の
女房とデキている・・・。
 話はチェスのように進行していきます、作家の一手、美容師の一手、
変わっていく局面、それが役者の力量に支えられて最後まで飽きさせ
ず、高いテンションを保ちます。
 演じる役者はイギリスの大御所ローレンス・オリヴィエと実力派マイケ
ル・ケイン、二人の演技合戦は実に見事です。
 演出もアンティークな小道具を効果的に使い、グロテスクな雰囲気の
中、登場人物達をじっくりと丁寧に描き上げていて隙がありません。
 僕、推理モノは苦手で結末が解った試しがありません、必然的に、こ
れも全然先が読めませんでした、でも玄人筋にも大好評だった記憶が
あります。
 最近、M・ケインがL・オリヴィエの演った役になってリメイクしたけど、
評判にはなりませんでしたね、演出の問題かもしれないけど、英国の国
宝級役者とはやはり器が違ったのかなァ、あの役を演るにはM・ケイン
ってアクが強すぎる気がします。

 ひとつだけヒントを書きます、知りたくない方は次の1行をスルーして
下さい。

 ・アナグラムに気をつけろ!

※無理矢理、似たモノを探せば「テキサスの五人の仲間」かもしれない
けど、出来はこっちの方が断然良い、更に言えば「テキサスの五人の
仲間」を陽性にした「スティング」も・・・これはないか。(笑)
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