セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

Eテレ「植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之」 

2024-03-29 23:33:51 | 雑記
 タイトルにないけど「聞く人 林田理沙アナウンサー」が居て成立する番組
 世の中、過疎枠からゴールデンタイムへ出世したい番組が殆どだろうけど、これは総合(表の世界)ましてやゴールデンへ行ったら忽ち良さが失われ現在のコンプライアンス重視の中だと一回で打ち切られるだろうオカシナ番組。普通、過激なものはNHKじゃ出来ないからボツな訳だけど表でも出来ない変態番組をEテレ(教育テレビ)でやる度胸がまず凄い、そこへエース級の女子アナ 林田理沙さん(リンダ)を当てがうセンスには心底、畏れ入るし林田さんの才能を上手く掘り当て開花させたプロデューサー、ディレクターの功績も素晴らしい。

 番組は10分完結×3で30分、山田孝之がニコリともせず解説し聞き手の林田はニコッとはしても絶対に笑わずに感心したり無視したりで対応していく(林田さんはディレクターから絶対笑うなと指示されてる)、昔、クールファイブの前川清が笑わずにドリフのコントをやってたけどあれと同じと思って頂ければ大丈夫、ちゃんと植物の生存戦略を解りやすく解説するんだけど、やってることは真面目顔の「二人のハチャメチャコント」、山田のツッコミと林田のボケの変な間が既に芸の域になってて大人の笑いに昇華しています、下ネタが多いので子供と見ると気まずくなるので注意、巨大な◯ンドームが出てきたり今回は遂に大人のオモチャ(通称電マ)まで出てきましたから真面目な方は避けた方がいいかもしれません。(天下のNHKの林田さんにヘンな事を言わすのが目的みたいな所もあります、ウンチとかフグリとか・・・)

 一度はご覧下さいと言いたいのですが、7年間で9回という超不定期番組で月も決まっていない、番組改編期の3月が多いけどそれでも3回くらいで次は多分、来年でしょう。知る人ぞ知る番組で知らない人はタイトルも聞いた事がない人が殆どだと思うけど、ネット界隈では大人気、2chの実況が僅か30分の番組で3~4スレッド消化してしまうという異常ぶりなんですよ。
 まぁ書いてる僕も今回、初めて見たので大きい事は言えないけど。。(笑)


 記念すべき7年前の第1回
 https://www.youtube.com/playlist?list=PL5f9cQOvLFl5qLREGdwtiXNL43ETEdG9E

※7年で9回というのも、ひっそり番宣せずオンエアするのも皆が忘れた頃、目立たぬようにという番組の「生存戦略」なのでしょう、科学的で「なるほど」で「教育目的で作ってます」?なんだけど、余りに過激で反コンプラだから目立ったらいつものクレームが来て折角の傑作番組がオジャンになる、手加減したら面白さが即無くなる、大事にしたい番組です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「百円の恋」

2024-03-25 10:51:45 | リスト
 「百円の恋」
   監督 武正晴
   脚本 足立紳
   撮影 西村博光
   音楽 海田庄吾
   出演 安藤サクラ
      新井浩文
      早織  稲川実代子
      根岸季衣  重松収
      
 40前で人生捨てた無気力な奴を観るのって口から生まれてきたような奴と並んで厭なんだけど、片方だけならドラマのよくあるパターンで嫌いじゃない,が、これが両方だと観ててゲンナリしてしまう、「十九歳の地図」(1979年、柳町光男監督)を観た時の厭な感じを思い出した。
 まぁ、ボクシングに熱中し出してからはそれなりに観られて面白い。(練習風景と音楽の被せ方はモロに「ロッキー」を感じたけど)
 言い方に問題ありでも間違ったコト言ってない店長が殴られるのは理不尽と思うけどね、底辺同士のシンパシーの共鳴と言われてもねぇ理不尽は理不尽。(ボクシング練習してマウント取れてからやるのも卑怯)
 この作品、僕にとって安藤サクラの演技と試合シーンの臨場感を観るだけの作品でした。
 
  負け犬の 左フックぞ 渾身の
   手応え残し マットに沈む

※一子をレイプする店員役の坂田聡、鳥肌立つような底辺の下衆っぷりが見事、でも、二度と見たくない。(笑)

 R6.3.24
 DVD
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「エレベーターを降りて左」

2024-03-12 09:02:05 | 映画感想
 「エレベーターを降りて左」(「A gauche en sortant de l'ascenseur」、1988年、仏)
   監督 エドゥアール・モリナロ
   脚色 ジェラール・ロジェ
   原作 ジェラール・ロジェ
   撮影 ロベール・フレス
   音楽 マレー・ヘッド
   出演 ピエール・リシャール
      リシャール・ボーランジェ
      エマニュエル・ベアール
      ファニー・コタンソン

 画家のヤン(ピエール・リシャール)は、魅力的な人妻フロランス(ファニー・コタンソン)に片思い。一方、ヤンのアパートの隣人ボリス(リシャール・ボーランジェ)は、同棲相手のエヴァ(エマニュエル・ベアール)と喧嘩ばかりの毎日。ある朝、ドアの自動ロックがかかり、下着姿のエヴァが廊下に締め出されたことから誤解が誤解を生みテンヤワンヤの大騒ぎ・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Sv4Mdp4rBCE

 山口百恵の「横須賀ストーリー」が1976年、日本でさえ女性は男の従属物ではないと女性の自立が声高に叫ばれ、受け入れられていたのにおフランスで1988年にこんな’60年代風コメディ作ってたとは吃驚。コメディとしても所々、素人劇のような変な間が度々あるし83分の映画なのに60分過ぎた辺りで脚本家が収拾つかなくなって(笑)その後は話終わらせるのに必死、あと5分で突然「解ったわ、ナターシャね」と言われてもナターシャってどなたでしょうか(目の前に居た黒人女性かと思った)と目が点に・・・、B・ワイルダーやI・A・L・ダイアモンドだったらもっと上手く料理出来ただろうにと思わせる作品。
 元々、フランスの喜劇はフランス人にしかウケないと言われててクド過ぎる所がある、本作もご多分に洩れずピストルの件、隣人の嫉妬男のコロコロ変わるしつこさなどにそれが見受けられる。
 但し、欠点はそこそこ有れどシチュエーション・コメディとして可笑しいし面白い、ハリウッド得意のシチュエーション・コメディなのでフランス特有のクドさがある程度中和されてるし何よりエマニュエル・ベアールがチャーミングこの上なく若き日のG・ホーンのよう、ダブル・ヒロインであるファニー・コタンソンも蠱惑的で二人を観てるだけで目の保養になる、コメディとしてのテンポも前述の変な間が引っかかるけどそこさえ目を瞑れば軽快に進む、全体的には優良可で言えば良の部類、自分としては掘り出し物を見つけた気分です。
 これが今年一本目で良かった。

  君待てば 小悪魔来たり 訳ワカメ
   恋の花咲く 巴里の夕暮れ

※エンドクレジットの初めに主要出演者が紹介されるのだが、その最後に「そして、ドア」と紹介するのが粋ですね、全ては直ぐ風で閉まってしまうオートロックドアが原因なので確かに迷脇役でした。


 R 6.3.11 
 DVD
コメント (3)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする