セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「再会の夏」

2021-12-12 21:41:14 | 外国映画
 「再会の夏」(「Le collier rouge」、2018年、仏・ベルギー)
   監督 ジャン・ベッケル
   原作 ジャン=クリストフ・リュファン
   脚本 ジャン・ベッケル  ジャン=ルー・ダバティ
   撮影 イブ・アンジェロ
   音楽 ヨハン・ホーフワイス
   出演 フランソワ・クリュゼ
      ニコラ・デュボシェル
      ソフィ・ベルベーグ

 第一次世界大戦直後のフランス片田舎で軍法会議を待つジャックの元に軍判事の少佐が訪れる・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=M5m_Cy_1WYY 

 苦手な感傷的ノスタルジックな話かと身構えてしまったけど杞憂に終わりました、10本ちょっとしか観ていない情けない2021年だったけど、楽しませてもらったのが「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」なら、良質だなと一番思ったのは本作かもしれない。
 日本語として成立するのか怪しいのですが「乾いたセンチメンタリズム」が心地よかった、日本の湿度を上手に表現したセンチメンタルな作品が「今夜、ロマンス劇場で」なら、フランスという大陸気候の湿度が創ったセンチメンタルが「再会の夏」とでも言えばいいのでしょうか。
 最後の答え合わせに、ずっと主人公に寄り添っていた忠犬ハチ公みたいな「犬」を使ったのもフランスらしい粋を感じました。

※この終わり方のほうが「解」があっていいのだろうが、その前の少佐が車上での会話の後、車ごとフェード・アウトでも良い気がする、フランス映画も描きすぎるようになったのかな。
※少佐役の人がダスティン・ホフマンに見えて仕方なかった。(笑)
※都合良すぎるピーピング・トムの登場が、この物語をリアリティと寓話の中間にある話と示してるのだろう。
※ここ2年、第一次世界大戦を背景にした作品を沢山観たけど強く印象に残ってるのは出来の良し悪しに拘らず「天国でまた会おう」(「Au revoir là-haut」、2017年、仏)と「「誓い」(「Gallipoli」、1981年、豪)かな。

  90分 終わってみれば 痴話喧嘩
   犬も喰わぬと 酒をひと飲み
               
               寂庭

 R3.12.12
 DVD
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