セピア色の映画手帳

古い映画を中心に

「高慢と偏見とゾンビ」

2018-02-12 18:10:00 | 外国映画
 「高慢と偏見とゾンビ」(「Pride and Prejudice and Zombies」、2016年、米・英)
   監督 バー・スティアーズ
   原作 セス・グレアム=スミス
   原案 ジェーン・オースティン
   脚本 バー・スティアーズ
   撮影 レミ・アデファラシン
   音楽 フェルナンド・ベラスケス
   出演 リリー・ジェームス
       サム・ライリー
       ジャック・ヒューストン
       べラ・ヒースコート
       ダグラス・ブース

 パッケージの惹句は「不朽の名作 感染」。(笑)
 という訳で、J・オースティンの最高傑作と云われる「高慢と偏見」を感染させたらこうなりました。
 物語は、ほぼそのままなので映画版「プライドと偏見」で検索してみて下さい。
 違うのは5人姉妹がアマゾネス化というか、「キル・ビル」風になってます。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=p7COEYiV5LM

 只、この作品、知らずに観ても、それなりに面白いかもしれませんが、やはり「プライドと偏見」をご覧になってから観るべき作品でしょう。

 この作品の良い所は、パロディに寄りかかってオースティンの品を落としていない所。
 どうしてもパロディ作品は遊び心が入るから、エロ、下品に陥り易いし、そこが面白くもあるのだけど、この作品はゾンビのグロさは入れていても決してオースティンの気品は落していません、そこに「物足りなさ」を感じる人は居るかもしれませんが、僕はパロディとして最上級の仕事だったと思います。(本家に比べれば予算3~4割カットくらいかな、でも、ちゃんと格は保ってる)
 「シンデレラ」(2015年・米)で出世したリリー・ジェームスがエリザベス役で、キーラ・ナイトレイの先例に倣ってるとは云え充分にタメ張ってると思います。只、他の4姉妹は時間の制限も有ってか本家に比べ見劣りが若干しまいた。(長女は「ダーク・シャドウ」(2012年、米)で見染めたB・ヒースコートなんだど)
 
 「プライドと偏見」のゾンビ版という事でブラックな展開を予想してたけど、そこは○○設計でした。
 ゾンビと「プライドと偏見」が好きな方にはお薦め!(責任は持てません(汗))

※グロいの苦手だけど、これくらいと言うか余りリアルじゃないから充分観られました。
※しかし、リリー・ジェイムスとケイト・ウィンスレットって区別がつかん。(汗)

 H30.2.12
 DVD
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ご挨拶&目次

2018-02-11 23:26:14 | 雑記
 ビデオデッキが普及して街にレンタル屋さんが増えていった頃、反比例するように姿を消していった名画座。映画の2本立て、3本立てを良心的な値段で上映してくれた小さな映画館たち。ロードショウ落ちした作品を待つ場所、昔の名作に巡りあう場所。ビデオも、ましてやDVDの無い時代、僕達は観たい映画を捜し求めて各名画座の上映作品を探し回りました。このサイトでは、そんな時代に上映されてた作品について、個人的感想、連想、その他諸々を書いていきたいと思います。拙い文章はお許し下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (H25.1.19 追記)
 上記の主旨で始めたブログですが、書いておきたい古い映画のリストも少なくなったので、これからは、近年の作品を書くことが多くなると思います。 
                                              
                                                                              管理人 鉦鼓亭

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 掲載リスト (アイウエオ順)     
       (洋画) 
 ・「アーティスト」(2011年)
 ・「愛の嵐」(1973年)
 ・「愛は静けさの中に」(1986年)
 ・「悪魔のような女」(1955年)  
 ・「アザーズ」(2001年)
 ・「アナと雪の女王」(2013年)
 ・「アパートの鍵貸します」(1960年)
 ・「アルマゲドン」(1998年)
 ・「或る夜の出来事」(1934年)
 ・「アンドロメダ・・・」(1971年)
 ・「アンネの日記」(1959年)雑感 
 ・「イヴの総て」(1950年)と「サンセット大通り」(1950年)
 ・「いつか晴れた日に」(1995年)
 ・「インデペンデンス・デイ」(1996年)感想パッチワーク
 ・「イントレランス」(1916年)
 ・「ウィークエンド・ラブ」(1973年)
 ・「映画に愛をこめて アメリカの夜」(1973年)
 ・「映画に愛をこめて アメリカの夜」その2(1973年)
 ・「ブラック・スワン」と「英国王のスピーチ」(2010年)
 ・「駅馬車」(1939年・米)
 ・「エクス・マキナ」(2015年)
 ・「L.A.コンフィデンシャル」(1997年)
 ・「お熱いのがお好き」(1959年)                           
 ・「狼は天使の匂い」(1973年)
 ・「オーケストラ!」(2009年) 
 ・「おかしなおかしな大追跡」(1972年)
 ・「昼下がりの情事」(1957年)と「おしゃれ泥棒」(1966年)についての一考察、ベーカー街221Bに於いて
 ・「男と女」(1966年)
 ・「大人は判ってくれない」(1959年)
 ・「オペラ座の怪人」(2004年)
 ・「おみおくりの作法」 2013年)
 ・「汚名」(1946年)
 ・「オリエント急行殺人事件」(1974年) 
 ・「鍵」(1958年)
 ・「カサブランカ」(1942年)
 ・「かもめの城」(1965年)
 ・「眼下の敵」(1957年)
 ・「北ホテル」(1938年)
 ・「きっと、うまくいく」(2009年)
 ・「きっと、うまくいく」その2(2009年)
 ・「キャバレー」(1972年)
 ・「グッバイガール」(1977年)
 ・「グッバイ、レーニン!」(2003年)
 ・「グレートレース」(1965年)
 ・「黒いオルフェ」(1959年)
 ・「恋におちたシェイクスピア」(1998年)
 ・「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」(2007年)
 ・「荒野の決闘」(1946年)
 ・「サイダーハウス・ルール」(1999年) 
 ・「サボテンの花」(1969年)
 ・「寒い国から帰ったスパイ」(1965年)
 ・「さらば、わが愛/覇王別姫」(1993年)
 ・「イヴの総て」(1950年)と「サンセット大通り」(1950年) 
 ・「幸福」(1965年・仏)
 ・「幸せなひとりぼっち」(2015年)
 ・「シェフ~三ツ星フードトラック始めました」(2014年) 
 ・「シェルブールの雨傘」(1963年)極私的名ラストシーン第2位
 ・「ジェレミー」(1973年)
 ・「死刑台のエレベーター」(1957年)
 ・「地獄に堕ちた勇者ども」(1969年)
 ・「シベールの日曜日」(1962年)からあれこれ 
 ・「シャレード」(1963年)
 ・「情婦」(1957年)
 ・「白雪姫と鏡の女王」(2012年)
 ・「新感染 ファイナル・エクスプレス」 (2016年)
 ・「シンデレラ」(2015年) NEW! 
 ・「西部戦線異状なし」(1930年)
 ・「ゼロ・グラビティ」(2013年)
 ・「タイピスト!」(2012年)
 ・「ダーク・シャドウ」(2012年)
 ・「ダイヤルMを廻せ!」(1954年) 
 ・「太陽がいっぱい」(1960年・完全ネタバレ)極私的名ラストシーン第1位、おまけ、第3位「第三の男」
 ・「ダウンタウン物語」(1976年)
 ・「たそがれの維納」(1934年)
 ・「タレンタイム~優しい歌」(2009年) 
 ・「探偵<スルース>」(1972年) 
 ・「誓いの休暇」(1959年)VS「二十四の瞳」(1954年) 
 ・「地下水道」(1956年)
 ・「地上最大の脱出作戦」(1966年)
 ・「飛べ!フェニックス」(1965年)
 ・「泥棒成金」(1955年)
 ・「夏の夜の夢」(2014年)
 ・「ノッティングヒルの恋人」(1999年)
 ・「激しい季節」(1959年)
 ・「八月の鯨」(1987年)
 ・「パットン大戦車軍団」(1970年)
 ・「ハリーの災難」(1955年)
 ・「PK」(2014年)
 ・「ピクニック」(1936年)
 ・「美女と野獣」(2017年)
 ・「美女と野獣」(2017年) 【ブログDEロードショー】
 ・「ヒドゥン・フェイス」(2011年)
 ・「ひとりぼっちの青春」(1970年)
 ・「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」(1995年)
 ・「ヒューゴの不思議な発明」(2011年)
 ・「昼下がりの情事」(1957年)と「おしゃれ泥棒」(1966年)についての一考察、ベーカー街221Bに於いて
 ・「ファミリー・プロット」(1976年)
 ・「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999年)
 ・「フォロー・ミー」(ネタバレ)(1972年) 
 ・「フォロー・ミー」その2 
 ・「ふたり」(1972年 R・ワイズ監督)(後半部でネタバレ)
 ・「ブラック・スワン」と「英国王のスピーチ」(2010年)
 ・「ブラザーサン・シスタームーン」(1972年) 
 ・「ブルーバレンタイン」(2010年)(ネタバレ・・・でしょう)
 ・「ブルックリン」(2015年) 
 ・「ヘッドライト」(1956年)
 ・「別離」(2011年)  
 ・「冒険者たち」(1967年) 
 ・「ポケット一杯の幸福」(1961年)
 ・「マイ・インターン」(2015年)
 ・「マイネーム・イズ・ハーン」(2010年)
 ・「マダム・イン・ニューヨーク」(2012年) 
 ・「まぼろしの市街戦」(1966年)&広川太一朗 
 ・「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2011年)
 ・「マルタの鷹」(1941年)
 ・「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2016年)
 ・「みかんの丘」(2013年)
 ・「みじかくも美しく燃え」(完全ネタバレ)(1967年)
 ・「道」(1954年)
 ・「三つ数えろ」(1946年)
 ・「ミツバチのささやき」(1973年)
 ・「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーク」(2015年) NEW! 
 ・「女神は二度微笑む」(2012年)
 ・「めぐり逢わせのお弁当」(2013年)
 ・「やさしい女」(1969年)
 ・「山の郵便配達」(1999年) 
 ・「ライアンの娘」(1970年)
 ・「ラストサムライ」(2003年)
 ・「ラスト・ショー」(1971年)
 ・「レオン」(1994年)
 ・「レベッカ」(1940年)
 ・「レ・ミゼラブル」(2012年)
 ・「恋愛小説家」(1997年)
 ・「ロイ・ビーン」(1972年)  
 ・「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)
 ・「ロスト・ボディ」(2012年)
 ・「ロミオとジュリエット」(1968年)
 ・「私が、生きる肌」(2011年)
    
       (邦画)
 ・「赤ひげ」(1965年)
 ・「悪魔の手毬唄」(1977年)
 ・「安城家の舞踏会」(1947年)
 ・「太秦ライムライト」(2014年)
 ・「雨月物語」(1953年)
 ・「運命じゃない人」(2005年)
 ・「おくりびと」(2008年) 
 ・「鴛鴦歌合戦」(1939年)
 ・「女殺し油地獄」(1957年) 
 ・「鍵泥棒のメソッド」(2012年)
 ・「隠し砦の三悪人」(1958年)
 ・「かぐや姫の物語」(2013年)
 ・「風立ちぬ」(2013年)
 ・「神様のくれた赤ん坊」(1979年)
 ・「君の名は。」(2016年)
 ・「蜘蛛巣城」(1957年)
 ・「ここに泉あり」(1955年)
 ・「この世界の片隅に」(2016年)
 ・「西鶴一代女」(1952年)
 ・「最後の忠臣蔵」(2010年)
 ・「さよなら渓谷」(2013年)
 ・「山椒太夫」(1954年) 
 ・「サンダカン八番娼館 望郷」(1974年)
 ・「七人の侍」(1954年)
 ・「七人の侍」その2
 ・「忍ぶ川」(1972年)
 ・「シムソンズ」(2005年)
 ・「新幹線大爆破」(1975年)
 ・「洲崎パラダイス 赤信号」(1956年)
 ・「砂の器」(1974年)
 ・「そして父になる」(2013年)
 ・「太平洋奇跡の作戦 キスカ」(1965年)
 ・「小さいおうち」(2013年)
 ・「天国と地獄」(1963年)
 ・蟹江敬三さんを悼む 「天使のはらわた 赤い教室」(1979年) 
 ・「誓いの休暇(1959年)VS「二十四の瞳」(1954年)
 ・「泥の河」(1981年)
 ・「のぼうの城」(2011年) 
 ・「野良犬」(1949年)
 ・「冬の華」(1978年)
 ・「マタンゴ」(1963年)&東宝特撮映画
 ・「乱れる」(1964年) 
 ・「用心棒」(1961年)
 ・「羅生門」(1950年)

       (映画感想)
 ・「怪談」(1965年)
 ・「夜明けを告げるルーのうた」(2017年)
 ・椿説「ドリーマーズ」(2003年)
 ・「グットモーニング・バビロン」(1987年)
 ・「ネバーエンディング・ストーリー」(1984年)
 ・「ミロクローゼ」(2011年)
 ・「第七の封印」(1957年)
 ・「淵に立つ」(2016年)
 ・「世界一キライなあなたに」(2016年)
 ・「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016年)
 ・「エターナル・サンシャイン」(2004年)
 ・「無防備都市」(1945年)
 ・「江分利満氏の優雅な生活」(1963年)
 ・「リべリオン」 (2002年)
 ・「リトル・ランナー」(2004年)
 ・「A.I.」(2001年)
 ・「血を吸うカメラ」(1960年)
 ・「塔の上のラプンツェル」(2010年)
 ・「クライング・ゲーム」(1992年)
 ・「吸血鬼ゴケミドロ」(1968年)
 ・「完全なる報復」(2009年)
 ・「僕らのミライヘ逆回転」(2008年)
 ・「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)
 ・「チャンプ」(1979年)
 ・「シャイニング」(1980年)
 ・「コーチ・カーター」(2005年)
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映画雑記のリスト

2018-02-11 22:29:03 | 雑記
 アイウエオ順

 ・「アイアンマン」(2008年)
 ・「愛人/ラマン」(1992年)
 ・「アイドルを探せ」(1963年)
 ・「彼は秘密の女ともだち」(2014年)と「悪魔のワルツ」(1971年)(ネタバレ)
 ・「あの頃エッフェル塔の下で」(2015年)
 ・「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」(2014年)
 ・「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」(2014年)
 ・「宇宙人ポール」(2010年)
 ・「永遠の0」(2013年) (邦画)
 ・「回転」(1961年)と「妖精たちの森」
 ・「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)
 ・「カルテット!人生のオペラハウス」(2012年)
 ・「彼は秘密の女ともだち」(2014年)と「悪魔のワルツ」(1971年)(ネタバレ)
 ・「奇跡のひと マリーとマルグリット」(2014年)
 ・「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」(1991年)
 ・「グランド・イリュージョン」(2013年)
 ・「グランド・ブダベスト・ホテル」(2014年)
 ・「クロワッサンで朝食を」(2012年)
 ・「ゴジラ」(1954年)
 ・「GODZILLA ゴジラ」(2014年)
 ・怖い映画あれこれ
 ・「コンタクト」(1997年)
 ・「魚が出てきた日」(1967年)祝 DVD発売決定!
 ・「料理長(シェフ)殿、ご用心」(1978年)
 ・「娼婦べロニカ」(1998年)
 ・「ジョー・ブラックをよろしく」(1998年)
 ・「ジョンとメリー」(1969年)
 ・「死霊の盆踊り」(1965年)
 ・「スモーク」(1995年)
 ・「砂の器」(1974年)
 ・「セクレタリー」(2002年)
 ・「セッション」(2014年)
 ・「宋家の三姉妹」(1997年) 
 ・「そこのみにて光輝く」(2014年)
 ・「超高速!参勤交代」(2014年)
 ・「トゥルー・グリット」(2010年)
 ・「遠い空の向こうに」(1999年)
 ・「共喰い」(2013年) (邦画)
 ・「ドリーム」(2016年)
 ・「バーバレラ」(1967年)
 ・「バーレスク」(2010年)
 ・「ハッピーエンドが書けるまで」(2012年)
 ・「ハドソン川の奇跡」(2016年)
 ・「バルフィー!人生に唄えば」(2012年)
 ・「パリジェンヌ」(1961年)
 ・「ハンナ・アーレント」(2012年)
 ・「ひきしお」(1971年)
 ・「美女と野獣」 (2014年) 
 ・「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」(2012年)
 ・「ボギー!俺も男だ」(1972年)
 ・「舞妓はレディ」(2014年)
 ・「幕が上がる」(2015年)
 ・「モネ・ゲーム」(2012年)
 ・「モンパルナスの灯」(1958年)
 ・「やかまし村の子供たち」(1986年)と「カルテット!人生のオペラハウス」(2012年)
 ・「ゆりかごを揺らす手」(1992年)
 ・「回転」(1961年)と「妖精たちの森」
 ・「歓びを歌にのせて」(2004年)
 ・「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(2012年)
 ・「ラ・ラ・ランド」(2016年)
 ・「6才のボクが、大人になるまで」(2014年)
 ・「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2016年)



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「わたしは、ダニエル・ブレイク」

2018-02-04 22:58:04 | 映画雑記
 「わたしは、ダニエル・ブレイク」(「I, DANIEL BLAKE」、2016年、英・仏・ベルギー)
   監督 ケン・ローチ
   脚本 ポール・ラヴァティ
   撮影 ロビー・ライアン
   音楽 ジョージ・フェントン
   出演 デイヴ・ジョーンズ
       ヘイリー・スクワイアーズ
       ディラン・フィリップ・マキアナン
       ブリアナ・シャン

 心臓発作で倒れ職を失ったダニエル、彼の前に立ち塞がる役所の厚
い壁・・・。

 去年観た「幸せなひとりぼっち」と似た感じ。
 「幸せなひとりぼっち」は老境をどう生きるかが主題だったと思うけど、
こちらは、もっと社会派作品。(ダニエルは初老の入り口辺りで、老人と
いう訳でないけど病後静養中)
 作品は、弱者の為のシステムがマニュアルでしか動かず、人間性を失
い、それによって弱者がより一層疎外され転落していくイギリスの現状を
告発しています。
 似た結末でも、ハッピーエンド感のある「幸せな~」と違い、僅かな救い
はあっても何一つ変わらぬ状況が続く本作は暗澹たる気持ちにさせられ
ます。
 家持ち年金生活者のオーべとホームレス手前のダニエルという経済
格差が根本にあると言ってしまえば、身も蓋もないのですが。
 頑なで排他的なオーべより、正直で他人に親身になれるダニエルの
方が救われないのは、映画の中とはいえチト辛いかな。

 景気が悪く失業者も多いから、生活保護局もフルイの目を粗くして落
せる者は容赦なく落すのだろうけど、やがて、日本も同じになるんだろ
うな。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=NE9QXcEWQaE

※イギリスでは医師の診断書に信用がないの?

 H30.1.28
 DVD
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映画日記 2018年その2

2018-01-29 00:36:35 | 雑記
 「スリ〈掏摸〉」(「Pickpocket」、1960年、仏)
   監督 ロベール・ブレッソン
   脚本 ロベール・ブレッソン
   撮影 レオンス・H・ビュレル
   音楽 J・B・リュリ
   出演 マルタン・ラサール
       マリカ・グリーン

 スリルから抜けられなくなった一人の掏摸(青年)が、偶然知り合った若い女性によって救済されるまで。
 映像とモノローグによって進行していく映画で、作品自体、大して面白いと感じませんでした。
 只一点、青年を母性的に救済する女性ジャンヌを演じたマリカ・グリーンの存在感、それだけが見ものだった。
 彼女、エヴァ・グリーンの叔母なんですね。
 姪ッ子はシャープな美貌だけど、マリカの方はちょっと翳のある美貌で、僕にはエヴァより魅力的に感じました。(シルバーブロンドのあの髪型に弱いというのもある〜ちょっとモニカ・ヴィッティに似てる気がした)
 ロベール・ブレッソンという監督は「やさしい女」のドミニク・サンダといい、こういうインパクトのある女優さんが好きなのかな。
 二人とも、そこに居るだけで異質で強烈な存在感がある。

 H30.1.14
 DVD

 「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」(「CONTRATIEMPO」、2016年、スペイン)
   監督 オリオル・パウロ
   脚本 オリオル・パウロ
   撮影 ジャビ・ヒメネス
   音楽 フェルナンド・ベラスケス
   出演 マリオ・カサス
       アナ・ワグナー
       バルバラ・レニエ

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=xRnCU2gzL6g

 「ロスト・ボディ」の監督の作品で評判もそこそこなので挑戦。
 一つの事に対して幾つものストーリーが浮かび上がると云うのは、「羅生門」(黒澤明監督)の一種の変形なのかもしれない。
 内田けんじ監督に似て登場人物の役柄が余り変わらず、その同工異曲を見せ方で変えてるというか・・・。
 この作品の場合、企業家夫婦と夫の愛人、そこに事故が絡むって、ここまでは「ロスト・ボディ」と全然、変わらない。
 ならば「ロスト・ボディ」の犯人の位置に居る、この人がトリック元なんて、まさかね・・・。
 只、この作品は誰が犯人?という事より事実の変遷過程を楽しむものなのかもしれません。
 「ロスト・ボディ」の欠点は記事にも書いたように、トリックがガラス細工のように繊細すぎる事。
 例えばトイレのシーン、あそこはかなりの無理があった(窓際に証拠物を置くタイミング、男がドアを開けて様子を見ないとは限らない、水を止めたのは何時か、元栓だけでなくタンクの水も抜かなきゃいけない)。
 この作品のトリック?には、そのような脆さはないけど、ある事について詳しすぎるのが不自然。
 僕には珍しく30分でトリック元が誰か解ったから(その人の正体までは解らないけど)、その視線で観てたけど、どうして専門的な事柄に対して詳しいのかの答えは最後までありませんでした。
 面白いとは思うけど、「ロスト・ボディ」か「インビジブル・ゲスト」のどちらか一つ観れば充分な気がします。
 悪いけど内田けんじの方に芸がある。

 H30.1.28
 DVD
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「シンデレラ」(2015年版)

2018-01-21 23:50:00 | 外国映画
 「シンデレラ」(「CINDERELLA」、2015年、米)
   監督 ケネス・ブラナー
   脚本 クリス・ワイツ
   撮影 ハリス・ザンバーラウコス
   美術 ダンテ・フェレッティ
   衣装デザイン サンディ・パウエル
   音楽 パトリック・ドイル
   出演 リリー・ジェームス
       ケイト・ブランシェット
       リチャード・マッデン
       ヘレナ・ボナム・カーター

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=SObne-1KQys

 保育園の頃、硬紙の絵本を持ってた記憶があるけど、1976年(日本公開
‘77)のミュージカル版「シンデレラ」でトラウマ級のダメージを受け、そのお
陰で殆ど興味のなかった作品。
 先日の「美女と野獣」でいろいろ検索してたら、この作品もかなり評判よくて
ファンタジー企画にも合うので今月に取っておきました。

 ‘76の「シンデレラ」は王子がリチャード・チェンバレン、僕はこの人の顔に
生理的アレルギーを感じてしまうくらい嫌いで(好きな人、ゴメンナサイ)、そ
れだけでもハンデがあるのに肝心のシンデレラ役の女優(ジェマ・クレイヴ
ン)もイマイチ魅力に乏しくて・・・、更に王子の政略結婚に重心が行き過ぎ
て童話なのに夢が全然、見られなかった、そんな思い出があります。
 又、苛められ続けて最後に大逆転というパターンは、これも大嫌いな花登
筺、橋田 壽賀子の十八番で、この作品でも継母一家に苛められ続けるシー
ンは時間の経過が長く感じて辛かった。

 という事で、或る種、覚悟して観たのですが、これが中々、良かったです。
 シンデレラって絶世の美女ってイメージがあって、最初、この娘でいいのか
と思ったりしたのですが、そうじゃなかった、美女度よりチャーミングさの方が
必要条件だった。(笑)
 王子も超絶美男子というより誠実さが前面に出た感じ。(美男子だけど)
 話は誰もが知ってるので割愛しますが、配役はかなり決まっていた気がし
ます。
 ざっとキャストを観ると、多くの人が僕と同じようにヘレナ・ボナム=カータ
ーが継母だろうと思うけど、彼女はお茶目な魔女役(フェアリー・ゴッドマザー)
で、継母は「キャロル」と性格が正反対(強気は変わらん)だけどケイト・ブラン
シェットが引き続き好演してました。
 文字通り「シンデレラ」を射止めた殆ど無名のリリー・ジェームズ、僕のボン
クラ視力だと「いつか晴れた日に」の時のケイト・ウィンスレットにそっくりな感
じで殆ど区別がつかないのですが、かなり頑張ってたと思います、特に一番
の見せ場、舞踏会のシーンは良かったです。

 話は上手く膨らませていたと思います、王子とエラ(シンデレラ)が初めて出
会う所の工夫、そこから初めて宮殿が登場、王家の現況へと繋がっていくシ
ーンは21世紀の童話(大人も観られる)として、よく考えられてると思いまし
た。叔父?の大公が何故王子の家臣扱いなのかはよく解らんけど。
 只一つ、不満があるとすれば二人が国民の待つバルコニーに出る手前の
〆の台詞、
 シンデレラ「心の準備は?」
 王子「君がいる限り大丈夫」
 フェミストからの批判を慮って書いた台詞だろうけど、これは行き過ぎと思
いました。
 そういう事に慣れてる王子に心の準備なんてちょっとしたプラスαで充分な
訳で、明らかに台詞が逆でおかしくなってる。
 意地悪く見れば、シンデレラが自分のような平民を妃にして大丈夫なのか
と聞いてるみたい。
 もっと素直に台詞を書いてよかったんじゃないでしょうか。

 「勇気と優しさ」、ディズニーのアイデンティティを主題にした作品。
 多くの人が見て納得でき、夢も見られる映画だと思います。

※継母のラストシーン、階段途中で止まり王子を見下す立ち位置って変な気
 が。
 近年の「水戸黄門」と同じで立ったまま別れの挨拶をするのと同じ感じ。

 H30.1.21
 DVD
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京都橘高等学校吹奏楽部 アメリカ遠征 お疲れさまでした!

2018-01-16 00:08:03 | 雑記
 2018年ローズ・ボールの前夜祭ローズ・パレードに二度目の出場を果たした京都橘高校吹奏楽部。
 通称「オレンジの悪魔」、成功裏に終わったようで、おめでとうございます!
 なんせ、このパレード6マイル(9.6km)の長距離で演奏・パフォーマンスを続けるという過酷なもの。オッサンには信じられん過酷なパフォーマンス。
 無事、やり遂げ、前回に引き続きアメリカさんにも大受けだったもよう、良かった、良かった。

 このローズ・パレードで二度呼ばれるというのは大変な名誉、原則、出られるのは一回だけなんです。
 2012年の初出場時のパフォーマンスが向こうさんに、それ程の強い印象を与えたんですね、向こうのブラスバンドは軍隊調が基本だから。
 「オレンジの悪魔」は、多分、日本で一番魅せるマーチング・バンドで「シング・シング・シング」はこの学校の代名詞。
 皆、ここで、この曲をやりたい為に進学してくる、お陰で、年ごとに曲を変えられる他校に較べ「又、同じ曲!」というハンデが付いちゃう不運もあるのですが、それでも毎年、健闘してるし1、2年前には何度目かの全国優勝も果たしています。
 ご興味があればyoutubeで検索してみて下さい。

 このアメリカ遠征は本番のローズ・パレードとディズニー・ランド演奏がセット?、あと、アメリカの高校とジョイントするのもセットのようです。

 2018年 ローズ・パレード
  https://www.youtube.com/watch?v=zpWnj6jFfs0

 2012年 ローズ・パレード
  https://www.youtube.com/watch?v=nANqzKQyDGU

 2017年 ディズニーランド
  https://www.youtube.com/watch?v=QCl0XsUT41A

 2011年 ディズニーランド
  https://www.youtube.com/watch?v=JzNmqRryCTQ 

 おまけ 2011年遠征時 J・F・ケネディ高校での「シング・シング・シング」と退場シーン 
  https://www.youtube.com/watch?v=c6bxYlihcZA

 撮影マイクの集音具合なのか、2018年より少人数の2012年の方が音が出てるような・・・。
 リズム隊は1年前のベストOGが参加してるのにね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 1.17(追加)

 魅せる橘の本領発揮!躍動感一杯、十八番「Sing Sing Sing」
 毎年、橘のドラムスは凄く上手いけど、この年は格別。
 ノリまくるドラムス&パーカス隊。恒例の銅鑼がいない為かラスト、シンバル叩きまくってる。
 リズム隊がビシッと決まってノリまくってるから、金管隊、木管隊も釣られるように最高のパフォーマンス
 を披露しています。
  https://www.youtube.com/watch?v=ips_LTmgy5o

 フルバージョン
  https://www.youtube.com/watch?v=eJSBRk7Jd0Q

 全国大会金賞の演奏、1曲目は体操競技でいう規定演技、2曲目がフリー
  https://www.youtube.com/watch?v=s3qx30Pa2Zs

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  
※親友に強豪校のブラバンやってたのが居て(大柄だからかスーザフォン)、聞いてみたら一番重いのは
 シンバルとの事、でも多重ドラムの方が重そうだけど、あれは担いでるから、やっぱりシンバルが一番、
 キツイのかも。(強豪校とは僕の高校(笑)、高校時代は知らなかったけど大学の映研で知り合った~
 何せ、ウチの高校、1学年950人以上居るから、クラス一緒にならなきゃ解らん)
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映画日記 2018年その1

2018-01-08 23:27:12 | 雑記
 「鞄を持った女」(「La Ragazza con La Valigia」、1961年、伊)
   監督 ヴァレリオ・ズルリーニ
   脚本 ヴァレリオ・ズルリーニ  ベンヴェヌーティ   ベナッティ
   撮影 ティノ・サントーニ
   音楽 マリオ・ナシンベーネ
   出演 クラウディア・カルディナーレ
       ジャック・ぺラン
 
 裕福な家の長男に弄ばれたしがない歌手アイーダ、弟のロレンッオが贖罪感から親切にするが、やがて、恋心に変わって・・・。

 コケティッシュなクラウディア・カルディナーレ(C・C)をひたすら愛でる作品。
 「個人教授」のような年上の女への思春期を迎えた小青年の恋心、監督の前作「激しい季節」と同工異曲、只、肉体関係までは行きません。
 作曲が「激しい季節」と同じ人で、山場のシーンの音楽に同じメロディが4小節くらい混じってました、この旋律、別の作曲家がパクッて?「ブーべの恋人」という有名曲に・・・。
 この頃のC・Cはグラマラスなのに薄倖な女が似合ってて魅力的、本当は「刑事」(ピエトロ・ジェルミ監督、1959年、伊)を観たかったのだけど代官山まで行かないとないので、タイトルは知っていた本作を選んでみました。
 イタリアもこの頃までは輝いてた、20年すると「青い体験」まで堕ちるんだけど。
 H30.1.7
 DVD

 「太平洋の翼」(1963年、日)
   監督 松林宗恵
   特技監督 円谷英二
   脚本 須崎勝弥
   撮影 鈴木斌
   音楽 団伊玖磨
   出演 三船敏郎
       加山雄三  夏木陽介
       佐藤允 渥美清
       西村晃  星由里子

 レイテ海戦で海軍の主力を失った日本は本土防衛の為、新型戦闘機「紫電改」を主力とした精鋭部隊を創設、南方に残された優秀なパイロット達を招集した。
 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=kN0yQ0tGHCs

 海軍最後の精鋭航空部隊、松山三四三航空隊の活躍を描いた作品で、基地に駐機してる実物大の紫電改、最後の攻撃に向かう「大和」などが見ものなんだけど、話が紋切り型で面白くなかった。
 南方に散ってるパイロット達が松山に向かう過程は面白いのだけど、メインの三四三航空隊に話が移ると平板で盛り下がっちゃう、負け戦でもそこを面白くするのが脚本家だと思うのですが。
 何よりこの作品の三船さんに魅力が乏しく、余りカッコ良くないんですよね、そして、足を引っ張る加山雄三の棒演技、これでは佐藤允、渥美清、西村晃がいくら頑張ってもアンサンブルがバラバラ。
 三船さん主演映画は三船敏郎を光らせれば、多少の粗は帳消しに出来るんだけど、この作品ではくすんじゃってる、それが全ての敗因。
 H30.1.7
 DVD

 「ミニミニ大作戦」(「The Italian Job」、1969年、英)
   監督 ピーター・コリンソン
   脚本 トロイ・ケネディ・マーティン
   撮影 ダグラス・スローカム
   音楽 クインシー・ジョーンズ
   出演 マイケル・ケイン
       ノエル・カワード
       マーガレット・ブライ
 
 イギリスの刑務所を出所したチャーリー、マフィアに殺された兄貴分が残した仕事を引き継ぐ。
 それはイタリア、トリノでフィアット社に入る400万ドルの金塊を強奪するものだった・・・。
 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Z0uN32GV1_c

 赤、白、青、ユニオンジャック・カラーのミニクーパーがトリノを舞台にイタ車と追いかけっこ。
 イギリスが作った「黄金の七人」(マルコ・ヴィカリオ監督、1965年、伊)って感じ。
 ちょっとカルト的に有名な作品だから、面白いのは面白いんだけど、ラストのオチに失敗したような。
 「恐怖の報酬」(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督、1953年、仏)のラストを中途半端にした感じでモヤったまま、気持ちを何処へ持っていけばいいのやら。
 おまけに最初借りたのが2003年のリメイク作で借り直し、リメイクしてたの知らなかった。(歳喰ったドナルド・サザーランドにシャーリーズ・セロンが出て来て「何じゃ、こりゃ!」)
 H30.1.8 
 DVD
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「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」

2018-01-04 23:24:48 | 外国映画
 「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」(「Lo chiamavano Jeeg Robot」、2015年、伊)
   監督 ガブリエーレ・マイネッティ
   脚本 ニコラ・グアッリャノーネ
   撮影 ミケーレ・ダッタナジオ
   音楽 ガブリエーレ・マイネッティ   ミケーレ・ブラガ
   出演 クラウディオ・サンタマリア (エンツォ)
       イレニア・パストレッリ (アレッシア)
       ルカ・マリネッリ (ジンガロ)
       アントニア・トルッポ (ヌンツィア)

 いや、一人だけで誰も呼んでないんですけど。(笑)

 ローマで窃盗を繰り返し食い繋いでいる中年男エンツォ。
 食事はヨーグルト、趣味はポルノDVD。
 或る日、警察に追い詰められ河に逃げ込むが、放射性廃棄物のドラム缶
を踏み抜いてしまう。
 翌日、目覚めてみるとスーパーパワーと治癒力が備わっていた。
 麻薬取引の段取り中にエンツォの兄貴分が殺され、麻薬隠匿の疑いを掛
けられる娘アレッシア。
 その危難を救うエンツォ、アレッシアは父親から性的虐待を受け続け、自
分の殻に閉じこもり大好きな「鋼鉄ジーク」の世界に生きていた。
 彼女はエンツォにジーグの姿を求める。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=YZEn4k_cmVk

 しょうもないカッパライの中年チンピラが成り行きでジーグに成長するよう
求められる物語。 
 中々、面白い作品で新年一作目として上出来の結果になりました。
 只、この物語は説明するのが結構難しく、上記の粗筋は半分くらいの要素
しか書けてない、それ以上はご覧になってとしか言えません。
 まぁ、このエンツォって中年男、ポルノばっかり観てるは、スーパーパワー
が身に付いてやる事といえば、深夜、ATM機械を丸ごと盗むとか、現金輸
送車襲撃で、何処が鋼鉄ジークなんだと。(笑)

 話が説明しずらいので、登場人物の説明で茶を濁します。
 エンツォ>当然、独身のひとりぼっち、家族も友達もいない。
 アレッシア>自閉症気味でアニメ世界に生息、ネジも飛び気味、生い立ち
にも関わらずアニメ世界に逃げ込む事で心は意外と綺麗なまま、18~20
歳くらい?
 ジンガロ>ローマの小さな暴力団のボス、キレやすくイカレてて、認証欲
求が歪んで超肥大化。
 ナポリの組織の鼻をあかしyoutubeで有名になろうと必死(←何故、そこな
んだ(笑))、この物語の敵役。(エンツォはこの組織の末端)
 ヌンツィア>ナポリ組織の女親分、ジンガロをコケにしまくる。

 話はタイトルにもなってる永井豪・安田達矢とダイナミック企画の「鋼鉄ジ
ーグ」のプロットを取り入れながらフェデリコ・フェリーニの傑作「道」(1954
年・伊)を融合させたような感じ。
 エンツォとアレッシアの関係って、無教養の力自慢ザンパノと少し足りな
いジェルソミーナにそっくりなんですよ、ほんの1、2滴「レオン」(1994年、
仏・米)のレオンとマチルダの関係性にも似てる。(イカレたジンガロって「レ
オン」のスタンスフィールドそのまま)
 ラストシーンも何か「道」に似ています。
 夜の浜辺で一人立ちつくすザンパノ、やがて彼は泣き崩れる。そこに神を
捨てた人間の哀しみがあるのですが、こちらは娯楽作ですからそんな宗教
的意味合いはありません、只一人、朝焼けのコロッセオの上に立ってるだけ、
でも、何となく似てると感じてしまいました。(続編、作る気満々だけどね)

 日本のアニメをオマージュしながら別作品に仕立て上げる、日本人には
ちょっと嬉しい作品でした。

※「鋼鉄ジーグ」、ちょうどアニメを卒業した頃で名前は知ってたけど、内容
 は全然。wikで調べました。
 ジーグも「サイボーグ009」も普通の人間じゃなくなった悲哀があるのです
 が、この作品にはまるで無し。(笑)
 不良が正義の味方になるって「サイボーグ009」、放射能で変化するって
 東宝特撮、それに「冬の華」(1978年、日)の要素も感じました、監督、日
 本に興味があるのかな。

 H30.1.4
 DVD
 
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新年のご挨拶&2017年決算

2018-01-01 00:00:00 | ベスト10
 あけまして おめでとうございます

  旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました
  引き続き本年も宜しくお願い致します

    平成30年 元旦

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 (2017年)
   劇場24本 DVD39本
   外国映画55本(6本) 邦画8本
   初見57本 再見6本
   新作13本(1本) 旧作50本(5本)

 2017年 マイ・ベスト15
 (☆印 2017年公開作 ‘16.12.16~‘17.12.15)


 1.「タレンタイム~優しい歌」(2009年、マレーシア)☆
     作品に描かれる世界は監督の理想である、が、理想を持たない人生は空しい。
 2.「山の郵便配達」(1999年、中国)
     素晴しい父子映画であり、美しい家族詩
 3.「泥の河」(1981年、日本)
     昭和のあの頃、あの場所を鮮明に。大人への通過儀礼を切なく描いてる。
 4.「西部戦線異状なし」(1930年、米)
     反戦映画の傑作の一つだと思う。
 5.「レオン」(1994年、仏・米)
     レオン、マチルダの孤独、皮肉にも悪逆刑事が二人を結びつけるアンサンブル。
 6.「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(1992年、米)
     アル・パチーノ!
 7.「みかんの丘」(2013年、エストニア・ジョージア)
     静かに訴えてくる反戦映画の佳作。
 8.「いつか晴れた日に」(1995年、米)
     美しくも重厚なメロドラマ。
 9.「新感染 ファイナル・エクスプレス」(2016年、韓)☆
     ハイ・テンポながら人間ドラマにも手抜きなし。
10.「美女と野獣」(2017年、米)☆
     エマ・ワトソンが贈る、美しいディズニー・ワールド。

11.「幸せなひとりぼっち」(2015年、スウェーデン)☆
     イライラ・頑固老人が、世の中を変えるのは怒りより優しさだと気付くまで。
12.「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(2016年、米)☆
     癒えない傷も 忘れられない痛みも。その心ごと生きていく~惹句そのものの作品。
13.「プライドと偏見」(2005年、英)
     キーラ・ナイトレイが良かった。
14.「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」(1991年、台湾)
     肝を噛んでしまったような苦(にが)み、忘れたくてもこびり付いてる。
15.「ラ・ラ・ランド」(2016年、米)☆
     全ての要素が高水準で入りながら、突き抜けられなかった。

 監督    ヤスミン・アフマド 「タレンタイム~優しい歌」
         観た後で自然と優しい気持ちに充たされる、素晴しい作品を創ってくれ
         た事に感謝。
 主演男優 滕汝駿 「山の郵便配達」
         多くを語らず、表情、眼差し、佇まいや動きで辿ってきた人生を感じさせる
         素晴しい演技。
 主演女優 エマ・トンプソン 「いつか晴れた日に」
         長女気質を自然に的確に、何より主人公エリノアになり切っていた。
 助演男優 ゲイリー・オールドマン 「レオン」
         この人の演技がなかったら、作品の面白さは半減していたと思う。
 助演女優 アゼアン・イルダワティ 「タレンタイム~優しい歌」
         死神から引導を渡された時の表情。
         絶望から諦め、そして、人生を振り返り僅かな笑みを浮かべる、その1分
         に満たない演技に。
         (マレーシアでは有名な芸人さん、当時、本当に重度の癌患者だった。
         ~監督が治療費の足しにと出演依頼)
      加賀まりこ 「泥の河」
         撮り方だろうけど、この世の人でないような妖しい美しさ。
         それを感じさせる演技。

 音楽   「タレンタイム~優しい歌」
         作品を彩る数々の歌が、どれも素晴しかった。
         ピート・テオ自身がマレー語で歌ってる画像がUPされてますが、作品中の
         英語版より良いと思う。

  (主演男優)
 田村高廣 「泥の河」
  滕汝駿と同じく、その人と人生を感じさせて素晴しかった。
 ジャン・レノ 「レオン」
  一人ぼっちの根なし草の哀感、機械が人に戻る戸惑い、いろいろなモノを感じさせる
  演技。ナタリー・ポートマンとの相乗効果も感じました。
 アル・パチーノ 「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
  この作品は自分の為にある、とでも言いそうな独壇場の演技と個性。
 シャー・ルク・カーン 「マイネーム・イズ・ハーン
  アスペルガー症候群の青年になり切りながら、自分の個性も上手にアピール。

  (主演女優」
 藤田弓子 「泥の河」
  昭和中期の下町の母さんってあんな感じだよね、と納得させる演技。
 ナタリー・ポートマン 「レオン」
  素晴しいマチルダだった、ジャン・レノとの組み合わせも抜群。
 エマ・ワトソン 「美女と野獣」(2017年)
  役と彼女のキャラクターがピッタリだった。今年一番可愛い女優さん、演技もベルその
  もの。
 キーラ・ナイトレイ 「プライドと偏見」
  物語の時代からは浮いて見えるけど、力技で役を捻じ伏せた。

  (助演男優)
 アラン・リックマン 「いつか晴れた日に」
  多人数の入り組んだ物語が浮足立たなかったのは、彼とエマ・トンプソンのお陰。
 桜井稔 「泥の河」
  逞しいけど薄倖、貧しさからの危うさ、目の演技が良かった。
 マーチン・ステファンズ 「回転
  終盤、可愛い子から本性を見せる一瞬の演技に。
 キム・ウィソン 「新感染 ファイナル・エクスプレス」
  心底、厭な奴と思えた、今年見た一番厭な奴。(笑)
 マ・ドンソク 「新感染 ファイナル・エクスプレス」
  典型的な心優しきマッチョマン、ウィソンと正反対の漢を好演。

  (助演女優)
 ヴェラ・クルーゾー 「悪魔のような女
  見ていてイラつくくらい弱い女、でも、本当に弱い女だったの?
 バハー・パール 「幸せなひとりぼっち」
  ヴェラと逆のハッキリ、ズケズケ女。引っ掻き廻し役だけど上手く演じてたと思う。
 ケイト・ウィンスレット 「いつか晴れた日に」
  控えめな長女と活発な次女、その次女の性格をしっかり掴んでました。

  (音楽) 
 「Another Day of Sun」 「ラ・ラ・ランド」
   一番印象に残るナンバーが一番最初に来てしまった不幸。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 2017年公開作(‘16.12.16~‘17.12.15) ベスト7

 1.「タレンタイム~優しい歌」
 2.「新感染 ファイナル・エクスプレス」
 3.「美女と野獣」
 4.「幸せなひとりぼっち」
 5.「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
 6.「ラ・ラ・ランド」
 7.「ドリーム

 2017年 上半期ベスト10 こちら と こちら
       下半期ベスト10 こちら
 観賞リスト 1月~3月 こちら
         4月~6月 こちら
         7月~9月 こちら
        10月~12月 こちら
         
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2017年 下半期ベスト10 

2017-12-29 00:00:00 | ベスト10
 ☆印 本年公開作

 1.泥の河 (1981年、日)
 2.セント・オブ・ウーマン/夢の香り (1992年、米)
 3.みかんの丘 (2013年、エストニア・ジョージア)
 4.いつか晴れた日に (1995年、米・英)
 5.新感染 ファイナル・エクスプレス (2016年、韓)☆
 6.幸せなひとりぼっち (2015年、スウェーデン)
 7.プライドと偏見 (2005年、英)
 8.ドリーム (2016年、米)☆
 9.トゥルー・グリット (2010年、米)
10.悪魔のような女 (1955年、仏)

 2017年下半期、印象に残った方々

 監督    小栗康平 「泥の河」
        ザザ・ウルシャゼ  「みかんの丘」
        アン・リー 「いつか晴れた日に」
        ヨン・サンホ  「新感染 ファイナル・エクスプレス」

 主演男優 田村高廣 「泥の河」
        アル・パチーノ 「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
        クラウス・キンスキー 「アギーレ/神の怒り」
        ジェフ・ブリッジス 「トゥルー・グリット」

 主演女優 エマ・トンプソン 「いつか晴れた日に」
        藤田弓子 「泥の河」
        ジーナ・ローランズ 「グロリア」
        シモーヌ・シニョレ 「悪魔のような女」
        キーラ・ナイトレイ 「プライドと偏見」

 助演男優 桜井稔 「泥の河」
        マーチン・ステファンズ 「回転」
        キム・ウィソン 「新感染 ファイナル・エクスプレス」
        アラン・リックマン 「いつか晴れた日に」
        マ・ドンソク 「新感染 ファイナル・エクスプレス」

 助演女優 加賀まりこ 「泥の河」
        バハー・パール 「幸せなひとりぼっち」
        ヴェラ・クルーゾー 「悪魔のような女」
        ケイト・ウィンスレット 「いつか晴れた日に」
        オクタヴィア・スペンサー 「ドリーム」

 この記事が年内最終更新になります。
 今年もコメント等、大変、お世話になり、また、楽しくもありました。
 ありがとうございました。
 皆さま、良いお歳を!
       
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映画手帳 2017年10月~12月 

2017-12-28 00:05:37 | 雑記
 ☆新作 ※再見

   (10月)
50.☆「ドリーム」(TOHOシネマズ日本橋)、51.「アポロ13」、52、※「ノスフェラトゥ」
53.「いつか晴れた日に」
   (11月)
54.「プライドと偏見」、55.「グロリア」(TOHOシネマズ日本橋)、56.「ラブ・アクチュアリー」
57.「悪魔のような女」(TOHOシネマズ日本橋)、58.☆「人生フルーツ」(飯田橋ギンレイホール)、59.※「夏の夜の夢」
   (12月)
60.「みかんの丘」、61.※「美女と野獣」、62.「トゥルー・グリット」
63.「回転」
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「回転」(1961年)と「妖精たちの森」(1971年)

2017-12-27 00:33:48 | 映画雑記
 ヘンリー・ジェイムスの怪談「ねじの回転」を映画化したものと、その前日譚。

 「回転」(「The Innocents」、1961年、米)
   監督 ジャック・クレイトン
   原作 ヘンリー・ジェームス 「ねじの回転」
   脚本 ウィリアム・アーチボルド   トルーマン・カポーティ
   撮影 フレディ・フランシス
   美術 ウィルフレッド・シングルトン
   音楽 ジョルジュ・オーリック
   出演 デボラ・カー
       マーティン・スティーブンス
       パメラ・フランクリン
       メグス・ジェンキンズ

 20世紀初頭、ロンドン郊外にある大邸宅に新任の家庭教師ミス・ギデン
スが赴任してくる。
 広い屋敷には僅かな家政婦と両親を亡くしたフローラが居るだけだった、
やがて、学校を放校させられた兄マイルスが戻りギデンスは熱心に二人に
愛情をかたむける。
 が、屋敷内外で知らない男女を見るようになる、家政婦のグロース夫人に
問いただすと、庭師のクィントと前任の家庭教師が居たが、少し前に二人と
も亡くなって、そんな筈はないと。
 やがて、子供たちの中に彼女の知らなかった性格が見えてくる・・・。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=aOsF0S65RR0
    (円谷プロ、20世紀FOXに訴えられなくてよかったね)

 果たして彼女を追い詰めているものは幽霊なのか、幽霊に憑依された子
供たちなのか、それとも彼女の妄想が子供たちを追い詰めているのか。
 この物語は中年手前のミス・ギデンスの視点で語られていきます。
 厳格な家庭で育ち、婚期を逃した子供好きな女性ギデンス、男女の愛も想
像でしかなく実体験がない。
 この仕事を引き受けたのも、子供好きがあるにせよ、後見人・依頼人であ
るマイルス、フローラの叔父にボ~とときめいてしまったから、普通の女性な
ら彼の冷酷さに席を立つだろうに免疫のない彼女は承諾してしまいます。
 その抑圧された性欲が死んだ前任者と庭師の爛れた関係を知り、妄想に
陥る。
 死んだ二人が子供たちに乗り移り愛を語らい嬌声を上げているいると。
 悲劇的な結末があるにせよ、この物語に正解は描かれていません、いず
れの理由もあいまいなまま。
 ちょっと白黒を付けたがる人には不向きかもしれない作品、でも、僕は面
白いと思うし、ゴシックホラーの古典名作との評判に間違いはないと思いま
した。
 只、僕は前日譚である「妖精たちの森」を憶えていたから、初見の人のよう
な想像力を持てなかった、そこが残念。
 ※彼女、子供のマイルスとのキスシーンが二つあって、どちらも頬ではなく
  唇なんですよね、特に最初のキス、おやすみのキスだった気がするけど、
  普通なら咎めるだろうに、されるがまま。

 H29.12.24
 DVD

 「妖精たちの森」(「The Nightcomers」、1971年、英)
   監督 マイケル・ウィナー
   脚本 マイケル・ヘイスティングス
   原作 ヘンリー・ジェームス 「ねじの回転」
   撮影 ロバート・ペインター
   音楽 ジェリー・フィールディング
   出演 マーロン・ブランド
       ステファニー・ビーチャム
       ベロナ・ハーベイ
       クリストファー・エリス
       ソーラ・ハード

 如何にしてマイルスとフローラは、あのように育ってしまったのか。
 庭師クィントと前任の家庭教師の爛れた関係とは。
 「回転」では意図的に曖昧にされていたものを、創作によってネタばらしして
いくという身も蓋もない作品。(笑~兄妹が姉弟に、年齢も「回転」とは違い思
春期直前という感じに変更されてます)
 怪談の前日譚ですから後味がいいとは思えません、この作品自体はホラー
ではありませんが不気味ではあります。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=GKS4Zn8BWgU

 面白い話や遊びを教えて子供たちに絶対の信頼を寄せられてるクィント、疑
うことを知らない子供たちはクィントの残虐性にも感化されていきます。
 そして覗き見で知る、クィントと家庭教師ジェスルの異様な絡み合い。
 無教養で野卑なクィントが夜中に忍び込み無理矢理手篭めにしたのが始ま
りですが、そのサディスティックな行為に抑圧されていたジェスルの身体が反
応するようになり、マゾとして開放されてしまう。
 それは、やがて真似する(ごっこ遊び)子供たちを見た家政婦長グロース夫
人の知るところとなり二人は屋敷から追放される事に・・・。

 確かによく出来た前日譚で、スペイン映画「ザ・チャイルド」(1976年)と同
じ純粋な子供の怖さ、不気味さを上手に描いてると思います。
 でも、この作品の印象を一言でいえばキッパリ「エロ」でしょう。(汗)
 野卑で無教養だけど野生のオスの臭いが滲み出てるクィントが清楚で教養
ある家庭教師を調教してしまう。
 しかも、ジェスルを演じたS・ビーチャムがね、顔は清楚なのに脱ぐと(脱が
されると)、肉付きが良くて仄かにだらしない感じで実にケシカラン身体なん
です。
 記事を書くにあたってyoutubeで確認したら、短いヌードシーン2回、ベット
シーン1回だけで記憶だともっと有った感じなのに、たったこれだけで40年
以上強く記憶に残ってた(笑)、これのお陰で物語もハッキリ憶えてたという
本末転倒ぶり。(これと似た感じの記憶の残り方をしたのが、もう一つ、サム・
ペキンパーの「わらの犬」(1971年))
 これはクィントを演じたM・ブラントとS・ビーチャムの組み合わせがピッタリ
だったのでしょう、物語的にも子役たちの好演(「回転」に及ばないとしても)
でアンサンブルが上手く効いていたと思います。

 僕は変わりモノだからか、深層心理劇のような「回転」より、直截的な「妖精
たちの森」の方が好きですね、変わりモノというより変態なのでしょう。(汗)

※原題の「The Nightcomers」って「夜這い」なんでしょうか。(確かにクィントの
 アレは夜這いなんだけど)
 怪奇小説の名作と言われる「ねじの回転」の前日譚が「夜這い」というのは、
 幾らなんでも酷過ぎじゃない。(汗)
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「トゥルー・グリット」

2017-12-18 00:02:37 | 映画雑記
 「トゥール・グリット」(「TRUE GRIT」、2010年、米)
   監督 ジョエル・コーエン   イーサン・コーエン
   脚本 ジョエル・コーエン   イーサン・コーエン
   原作 チャールズ・ポーティス
   撮影 ロジャー・ディーキンス
   音楽 カーター・バーウェル
   出演 ジェフ・ブリッジス
       ヘイリー・スタインフェルド
       マット・デイモン

 14歳の少女マティ・ロスは使用人トム・チェイニーに殺された父の復讐の
為、酒好きの老保安官ルースター・コグバーンを雇いインディアン居留区へ
向かう。

 1969年1月19日夕方、13歳目前の僕はTVで安田講堂攻防戦の実況を
つけながら炬燵に入って買ってきた「サイボーグ009」第8巻を読みふけって
いた。(ジョーとフランソワーズが初めて公式にキスした巻(笑))

 その1969年、J・ウェインの「勇気ある追跡」のリメイク。
 J・ウェインは西部劇を「イリュージョン」だと認識していた、それは多分、手
品と言うよりお伽噺に近い意味だと僕は思っています。
 彼が「真昼の決闘」(1952年)、「ワイルドバンチ」(1969年)を非難するの
は、お伽噺を壊すリアリティとバイオレンスを西部劇に持ち込んだからでしょう。
 その意味で言えば本作は2010年のお伽噺であり、「勇気ある追跡」は19
69年のお伽噺、どちらも良く出来てると思います。
 本当に、どちらも甲乙付けがたい、となると好みの問題。
 今は完全に忘れ去られてるけど僕達の前の世代、全共闘世代にとってキム・
ダービーという女優は「いちご白書」のヒロインで時代のアイテムだったんです
よ、それは僕の世代にも多少引き継がれていた。
 だから、昔、これを観た時、彼女が凄く印象に残った。

 このヒロイン、マティ・ロスは14歳の設定。
 そして、作品の面白さは14歳の賢い小娘が悪ズレした賞金稼ぎのような老
保安官の鼻ずらを引っ張り廻す所にあるんです。
 人様のレビューを見るとK・ダービーのマティはウザ過ぎるという人が多いみ
たいだけど、14歳&年寄りの構図は童顔のキムとウェインの方がしっくりして
ると僕は思います。
 本作のヘイリー・スタインフェルドは見た目16、17に感じるから子供が大人
を振り回す可笑しさという点では「勇気ある追跡」に劣る気がします。
 後、J・ウェインとJ・ブリッジスの違い。
 僕はJ・ブリッジスという役者の昔からのファンで、本作の彼もこれ以上無い
程の好演だと思ってます、だけど、やはりJ・ウェインのカリスマ性の前では上
手な役者になってしまう。
 日本だって三船敏郎より上手い役者は沢山居るけど、その印象やカリスマ
性において三船さんに対抗出来る人は勝新太郎くらいしか思い浮かびません、
世界で見ればJ・ウェインのカリスマ性に対抗出来るのは三船さんだけとも思
っています。
 
 再度になりますが、これは2010年の正統派西部劇。
 本作をJ・ウェインのいうイリュージョンと観るならば、「勇気ある追跡」は196
9年製作のイリュージョンな分、多分に「紙芝居」的なもので、「トゥルー・グリッ
ト」は2010年から見た保安官ルースター・コグバーンへのレクイエムだと思い
ます。
 僕は初見の印象が強い分、6:4で「勇気ある追跡」の方が好きですが、ドリー
ムとフィクションの違いだけだから、多分、その日の気分次第でしょう。(笑)

※J・ブリッジス、ハリソン・フォードをもう一つ個性的にした感じ。
 顔は個性的だけど照れたような笑みに愛敬があり、そこは三船敏郎に似てる。
 三船さんの魅力は男臭い強面の裏にある何とも言えない男の愛敬。

 H29.12.17
 DVD

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 逝きしひと 寄り添う時は 短くも
  忘れることなき 旅の道づれ
コメント (2)
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【ブログ DE ロードショー】 開催のお知らせ 

2017-12-05 23:15:34 | 外国映画
 ※告知記事の下に感想を書きました。

 今年最後の【ブログ DE ロードショー】を開催致します
 ご一緒に同じ作品を見て感想を書いてみませんか
 勿論、見るだけでも大丈夫です

 作品 「美女と野獣」(「BEAUTY AND THE BEAST」)2017年版・米
      監督 ビル・コンドン
      出演 エマ・ワトソン

 期間 12月8日(金)~15日(金)
    (新作レンタルなので割高となり、申し訳ありません)

  歳の終わりは華やかにクリスマスっぽく
  ディズニーワールドを忠実に実写化して最も成功してるのでは?
  キュートなハーマイオニーを!

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Qsf80M1TC9g

  皆さまのご参加をお待ちしております(気楽にいきましょう)

                         12月主催:鉦鼓亭

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  皆さんの記事です

 ポール・ブリッツさん 「クリスタルの断章」
 白くじらさん 「MOVIE-DIC」
 しずくさん 「newしずくの水瓶」
 宵乃さん 「忘却エンドロール」
 take 51さん 「サラウンドに嵌った男は他の事にも嵌ってます(笑)」

  ご参加、ありがとうございました!

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 「美女と野獣」(「BEAUTY AND THE BEAST」)2017年版・米)

 スタッフ、キャストは4月に書いてますので、こちらを参照して下さい。

 初見時の感想と変わりがなくて何を書こうかと。(笑)
 この作品、ディズニーが贈る夢の世界なんだけど、E・ワトソンが贈るディズ
ニーの世界でもあるんじゃないでしょうか。
 それくらいE・ワトソンの魅力がディズニーの世界をより楽しいものにしてる。
 彼女の年齢が丁度良かったというのもあるかな。

 僕の若い頃(40年前)のディズニー作品って、単純な勧善懲悪物語で出て
来る悪役は、まるで記号のように平坦で薄っぺらい、だから自然とドラマもメ
リハリがなく欠伸を誘うものばかり。
 そんな経験が重なりディズニー印は避けるようになりました。
 40年経って娘がディズニー好きになり、何度か一緒に映画館へ行く事にな
りましたが、その中で、この作品が今の所、一番印象深い作品です。
 ナンバーも良いし、単純な悪役に変わりは無いけど、陽気で愛敬のある悪
役いう個性が有るから話にメリハリも出てる。
 お伽噺だから、このくらいが丁度良い塩梅でしょう。
 可愛く華やかな夢の世界、実写では中々難しい世界を上手に作り上げてる
と思います。
 僕にとって何度でも観られる初めてのディズニー作品となりました。
 メデタシ、メデタシ。(汗)

 H29.12.9
 DVD
コメント (14)
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