セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

寂庭歌草集 四季巡り

2021-06-22 21:02:37 | 寂庭歌草集
 睦月

  独り身の 蜜柑の皮も ただひとつ  
   炬燵に潜る 寝正月かな

 如月

  淡雪や 梅の蕾に 薄化粧
   冬の名残りか 如月の末(すえ)

 弥生

  見下ろせば 果てなくつづく 春霞
   沖ゆく船の 汽笛しきりと

 卯月 本歌取り

  君去し ひとりこの部屋 目覚めれば 
   ハンカチーフの 歌、我は憎まん

 皐月

  五月晴れ 若き葉繁り 匂い立つ 
   紋白蝶 何処(いずこ)ともなく

 水無月

   六月 鎌倉にて
  
  雫落つ 篠つく雨に 紫陽花の
   色鮮やかに 夏のくるまで

 文月

  鵜飼舟 勇ましきかな 篝火(かがりび)よ
   見上ぐる空に 十五夜の月


 葉月

  暗闇に 五山送り火 燃え上がり
   「いけず」呟(つぶや)く 罰当たりかな


 長月

  秋祭り 神輿納まり 日は落ちて
   仕舞い神楽に 夏は終わりぬ

 神無月

   谷川に 紅(くれない)ひとつ 流れきて 
    ふと見上げれば 秋深まりし

 霜月

  多分、1966年から1968年頃、偶然だけど2回見た。
  二度とも公園で友達と遊んで帰る時の新大塚交差点、春日通り。自衛隊記念日には当時、神宮外苑に近隣の部隊が集結したのだろう。
  そこから練馬駐屯地、朝霞駐屯地への帰り道だったと推測、61式中戦車、装甲車、牽引された砲、兵員輸送車(要するにトラック)、
  部隊ごとに隊列組んで国道を走っていった、沿道は見物人の行列、今では考えられん。(笑)

   街駆ける 戦車見る子は 我忘れ
    熱き眼差し 今、跡形もなし

 師走

  数年前訪れた、名勝 雨晴海岸を思い出して

   風凪ぎし 雨晴らしの浜 佇めば
    波はひたりと ただ静かなり

  

コメント (2)
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「屋根の上のバイオリン弾き」と中島みゆき

2021-06-05 23:41:25 | 雑記
 「屋根の上のバイオリン弾き」とは、ユダヤ人のユダヤ人によるユダヤ人の為の映画と思っていたし、それは、今でも変わりません。
 あのバイオリン弾きが象徴してるのは「神」と僕は思っています、但し、全人類の「神」でなくユダヤ人の守護神としての存在。
 西洋人の考える古代の「神」とは個人を直接救済する存在ではありません、その根源たる救世主の「愛(アガベー)」とは、僕の考える所、仏教の「大乗」と似てると思っています、個人を救う(小乗)のではなく欲に囚われ浅ましい存在である全ての人間(仏教なら衆生)せ救おうという「愛」。
 キリスト教の救世主は作家 遠藤周作氏の「おバカさん」で語ったように見た目は力の無い弱くて善良の塊、白痴のような存在なのです(F・フェリーニの出家作「道」のジェルソミーナように)、神は直接個人を救いません、但し、信じる者には何があっても離れず見守っている存在、それが究極的に個人を救う拠り所となるのです、映画「道」で粗暴(人間)なザンバノが最後、光の無い夜に涙するのは、どんな理不尽を働いても傍に居てくれたジェルソミーナを自ら捨てて神の居ない真の孤独に気付いたからだと僕は解釈しています。

 中島みゆきさんの歌を未だ「暗い」、「女々しい」と思い違いしてる人がいますが、みゆきさんの歌を素直に聞いたなら、これ程、優しくて強くてエネルギーのある人は居ないとファンなら思っているでしょう。
 「生きていてもいいですか」という劇薬アルバムもありますが、その多くの歌は、挫けて倒れた人間の傍に居続けて、「今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩きだすよ」(「時代」)と立ち上がり、新たに歩き出すまで寄り添い続けるという、神のような強靭な優しさで弱い人間を救済し続けているのです、只、見捨てず傍に居続ける、そんな「神」の代行を、その才能ゆえ生身の人間がするという地獄をどのように受け止めてるのか凡百な僕には想像も出来ません。(その苦悩の中、自分を規定してみたのが「ララバイ・シンガー」じゃないかな)

 「何も出来ないけど、歩き出すまで傍に居ることだけは出来る」、その意味で、あのバイオリン弾きと中島みゆきさんは同じ存在なのだと僕は思っています、「うらみ・ます」で始まり「異国」(絶望の果て自殺して「あの世」とやらにに来たけど、ここにも私の居場所なんか無かった)で終わる、世間で最凶と言われてる「生きていてもいいですか」に僕は何回救われたか、どんなに感謝してもしきれません。
 「死ぬ時は前のめりに倒れて果てる」坂本龍馬の有名な言葉、これ程、みゆきさんに当てはまる言葉を僕は知らない。

   教わりし 歌の有り方 作り方
     見上げる千丈 他を知らずや

               寂庭
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ソフトボール オーストラリアチーム来日と「まぼろしの市街戦」

2021-06-01 13:14:04 | 雑記
 来日したオーストラリアチームは全員ワクチン接種済みなのにホテルと練習場だけで外出自粛、つまり、監禁、拘束状態。
 外を自由に闊歩してる市民の殆どがワクチン未接種。
 これって、現実に起きてる「まぼろしの市街戦」ではないでしょうか(笑)、どっちが病気なのか、逆さまな世界。
 ワクチン打ったから罹らないという訳でなく、重症化を防ぐというインフルと同じレベルというのは重々承知。
 つくづく、日本人って島国根性で攘夷思想が骨の髄まで染み込んでいて、一億総ヒステリーで、江戸末期と人間性に於いて
まるで変わらない人種なんだなと。
 このままだと令和の生麦事件が起きる可能性大、冗談抜きで本当に心配だよ。

 僕はこのまま感染傾向が低下していく状態ならオリンピックいいじゃないか派です(悪化状態に変化したら中止)、今、中止を
表明したら「やっぱり、やろう」は出来ないのだから、IOCの貴族野郎は脇に置いてもギリギリまで様子を見るべきだと思ってい
ます。(ベトナム株は解らないけど、インド株が猛威を振るってるのはインドと周辺、マレーシアだけで「感染力が〜とか死亡率
が〜」とか言う割にアメリカも欧州もインド株で大事にはなってないよね、インド自体、イベルメクチンのお陰かどうか知らんが
ピークは既に過ぎて減少曲線を描いてるし)

  巣ごもりや オリンピックは 灼熱で
   やるは地獄も 観るは涼しく

  (今夏の電力事情は紙一重らしいけど)

・4月30日を以って80年近く続いた店を畳み(倒産でなく廃業ですが)ました。無信心な僕でもご先祖様に申し訳ないと、少し凹んでいます。残務整理も有り映画を観る気に全然なりません。映画の記事は暫く休みになりそうです。
・65を超えたのでワクチン接種券来ました、ネットだけどノータイムで6月17日一回目で二回目は7月下旬で予約取れましたよ、商店会の
会長は、僕より10日も早く予約したのに一番近い所を選んだせいか僕の一週間後だとか。(免疫抑制剤使ってるから効果期待薄だし、実際、
打ってくれるか判らないけど、打ってくれるなら「ワクチンパスポート」と云う差別の時代が来ても映画館行けるから。ワクチンパスポートっ
て欧州は平気で言うけど、それってアンネの時代の「黄色いダビデの星」ワッペンだろ、逆の意味になるけど付けてない奴が出歩いたらどうな
るか知らんぞ、と)
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