「マルタの鷹」(「The Maltese Falcon」、1941年、米)
監督 ジョン・ヒューストン
脚本 ジョン・ヒューストン
原作 ダシール・ハメット
撮影 アーサー・エディソン
音楽 アドルフ・ドイチュ
編集 トーマス・リチャーズ
出演 ハンフリー・ボガート
メアリー・アスター
シドニー・グリーンストリート
ピーター・ローレ
16世紀、マルタ騎士団がスペイン王へ献上する途中海賊に奪われ、以来、
行方不明になっていた黄金に宝石を散りばめた鷹像。
その像を巡る争奪戦に巻き込まれた探偵サム・スペード。
ダシール・ハメットの原作を基に製作されたハードボイルドの記念碑的作品
で、名匠J・ヒューストン監督の第1作目にしてH・ボガートの出世作。
この作品と「カサブランカ」がボガートのイメージを作ったのでしょう。
1941年なら傑作、流石に70年の時が過ぎれば古典だけど今観ても名作だ
と思います。
「三つ数えろ」程ではないにしろ話は結構解りにくい、だけど70年前ならいざ
知らず今はもう「犯罪の陰に○あり」は定石だから、最初から○が怪しいと思うの
は・・・ねぇ。(笑)
3人が殺される訳ですけど、犯人は誰?と「マルタの鷹」の行方が上手にミッ
クスされてサスペンスを盛り上げてました。
尤も、誰が殺したかはそれ程重要じゃなく、この作品の見所はスぺードと女、
介入者、ボス、それぞれの錯綜する思惑、騙し合い、心理戦辺りにあるんじゃな
いでしょうか。
僕はミステリー要素より、そこが面白かったです。
H・ボガートはこの作品でイメージを作ったのだから実に印象に残る演技。
でもリアルタイムじゃないから、観る前からのボガートのイメージをそのまま演
じてる感じがしてちょっと悔しい。
ヒロインのメアリー・アスターは僕の美的感覚から言うとイマイチ、けれど予算
の付いてる作品じゃないからスターさんは使えないし、上品ぶっても「お里」が知
れてる女は上手く出てたから合格かな。
S・グリーンストリートとP・ローレは同じWBだから「カサブランカ」を思い出して
しまうけど、いずれも好演。
ローレは小ワルを演じてると実にピッタリなんですよね。
「相棒が殺されたら男は黙っちゃいない」
ハードボイルドとは痩せ我慢の事であると誰かが言ってたけど、この台詞以
降のシーンは正に「そのもの」で、古典的ハードボイルド或いはH・ボガートの
世界を充分堪能出来ると思います。
只、「三つ数えろ」と雰囲気が非常に似てるから、ボガートのハードボイルドに
特別興味が無ければ、どちらか一つ見れば充分かもしれません。
この作品、昔から「いつか観よう」と思ってた作品、機会を提供して頂いた宵乃
さんとリクエスターに感謝致します。
※ダシール・ハメット
レイモンド・チャンドラーと共に、ハードボイルドを確立させた作家の一人。
黒澤監督代表作の一つ「用心棒」は、ハメットの「血の収穫」と他作品を下敷き
にしています。
H27.10.24
DVD
監督 ジョン・ヒューストン
脚本 ジョン・ヒューストン
原作 ダシール・ハメット
撮影 アーサー・エディソン
音楽 アドルフ・ドイチュ
編集 トーマス・リチャーズ
出演 ハンフリー・ボガート
メアリー・アスター
シドニー・グリーンストリート
ピーター・ローレ
16世紀、マルタ騎士団がスペイン王へ献上する途中海賊に奪われ、以来、
行方不明になっていた黄金に宝石を散りばめた鷹像。
その像を巡る争奪戦に巻き込まれた探偵サム・スペード。
ダシール・ハメットの原作を基に製作されたハードボイルドの記念碑的作品
で、名匠J・ヒューストン監督の第1作目にしてH・ボガートの出世作。
この作品と「カサブランカ」がボガートのイメージを作ったのでしょう。
1941年なら傑作、流石に70年の時が過ぎれば古典だけど今観ても名作だ
と思います。
「三つ数えろ」程ではないにしろ話は結構解りにくい、だけど70年前ならいざ
知らず今はもう「犯罪の陰に○あり」は定石だから、最初から○が怪しいと思うの
は・・・ねぇ。(笑)
3人が殺される訳ですけど、犯人は誰?と「マルタの鷹」の行方が上手にミッ
クスされてサスペンスを盛り上げてました。
尤も、誰が殺したかはそれ程重要じゃなく、この作品の見所はスぺードと女、
介入者、ボス、それぞれの錯綜する思惑、騙し合い、心理戦辺りにあるんじゃな
いでしょうか。
僕はミステリー要素より、そこが面白かったです。
H・ボガートはこの作品でイメージを作ったのだから実に印象に残る演技。
でもリアルタイムじゃないから、観る前からのボガートのイメージをそのまま演
じてる感じがしてちょっと悔しい。
ヒロインのメアリー・アスターは僕の美的感覚から言うとイマイチ、けれど予算
の付いてる作品じゃないからスターさんは使えないし、上品ぶっても「お里」が知
れてる女は上手く出てたから合格かな。
S・グリーンストリートとP・ローレは同じWBだから「カサブランカ」を思い出して
しまうけど、いずれも好演。
ローレは小ワルを演じてると実にピッタリなんですよね。
「相棒が殺されたら男は黙っちゃいない」
ハードボイルドとは痩せ我慢の事であると誰かが言ってたけど、この台詞以
降のシーンは正に「そのもの」で、古典的ハードボイルド或いはH・ボガートの
世界を充分堪能出来ると思います。
只、「三つ数えろ」と雰囲気が非常に似てるから、ボガートのハードボイルドに
特別興味が無ければ、どちらか一つ見れば充分かもしれません。
この作品、昔から「いつか観よう」と思ってた作品、機会を提供して頂いた宵乃
さんとリクエスターに感謝致します。
※ダシール・ハメット
レイモンド・チャンドラーと共に、ハードボイルドを確立させた作家の一人。
黒澤監督代表作の一つ「用心棒」は、ハメットの「血の収穫」と他作品を下敷き
にしています。
H27.10.24
DVD