クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

小松の“古墳”はどこにある? ―子ども昔語り(16)―

2007年08月09日 | 子どもの部屋
少し不思議なお話です。
“古墳(こふん)”と聞くとどんなものを想像するでしょう。
丸い形、四角い形、あるいはカギの形をしたものを思い浮かべるかもしれません。

文字の掘られた鉄剣が見付かったことで有名な“さきたま古墳群”(埼玉県行田市)も、
土の山をあちこち見ることができますし、
中でも丸墓山古墳(はるはかやまこふん)は関東地方で1番大きな円墳です。
遠くからでもこの古墳を眺めることができます。

ところが、こうした古墳とは異なるものがあります。
丸墓山古墳のように高くそびえ立っているわけでもなく、
土地の開発で削り取られてしまったわけでもありません。
つまり、古墳は存在しているのだけど、完全に消えてなくなっているのです。
どこに消えたかというと、実は土の下。
地面の中に埋まってしまったのです。
これを“埋没古墳(まいぼつこふん)”と言います。

普通に見ただけではどこが古墳なのかわかりません。
なので実際に土を掘ってみないと、調べようがありません。
実はいまから約30年前に、羽生市小松でこの埋没古墳が偶然見つかりました。
下水道の工事をしようとしたら、
土の中から死んだ人をおさめる“石室(せきしつ)”が出てきました。

工事をしていた人はびっくりして市役所に届け出ます。
慌てて駆けつける関係者のひとたち。
その石室はどうやら古墳のものだと判断し、
本格的な調査が開始されました。
ときに1979年5月16日。
それから約1ヶ月間にわたって、
小松の埋没古墳の調査が行われたのです。

※画像は小松埋没古墳の跡地です(小松神社の裏)。
 この地面の下に古墳が埋まっていますが、見た目には全くわかりません。

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