クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

見沼代用水路の傍らにあるレンガ造りの近代化遺産は? ―落合門樋―

2016年08月22日 | 近現代の歴史部屋
“落合橋”という橋が見沼代用水路(星川)に架かっている。
加須と鴻巣の境界線で、
近くには田ヶ谷郵便局が建っている。

この落合橋付近に“落合門樋”がある。
レンガ造りのレトロな建設物だ。
それもそのはず。
明治36年に造られたもの。
これは見沼代用水路からの逆水を防ぐために設置された。

この下には古川落が通っている。
小さな溝であり、護岸もされている。
だいぶ整備の手が加わったことがうかがえる。

落合門樋が明治36年の建造とはいえ、
完全なレトロ感を出しているわけではない。
コンクリートの階段が見て取れる。
そこだけ妙に現代的だ。
古川落の改修時に手が加わったらしい。

この門樋は、現在加須市指定史跡となっている。
つまり文化財。
一部姿を変えたからと言って、
貴重な建造物であることに変わりない。

古川落は整備され、星川(見沼代用水路)も改修された。
落合門樋から道を挟んだ田んぼは一段低くなっているが、
これは星川の旧流路跡だろう。
とどまることを知らないときの流れの中で、
落合門樋は今日もたたずんでいる。


落合門樋(埼玉県加須市)


コメント
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