クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

鴻巣は東日本最大級のハニワ生産地だった? ―生出塚遺跡―

2016年08月06日 | 考古の部屋
埼玉県鴻巣の大きな特徴と言ったら、
古代におけるハニワ生産地だったことだろう。

発掘調査によりハニワを焼く窯跡が検出された。
その数40基。
東日本最大クラスの規模を誇っている。
この遺跡を生出塚(おいねづか)遺跡という。

さきたま古墳群のハニワもここから供給されている。
近隣だけではない。
千葉・東京、神奈川にも運ばれた。
陸上交通ではなく、舟運を使っての供給だったのだろう。
むろん、ハニワを造る職人もいたはずで、
工房跡も見付かっている。

現在、生出塚遺跡から出土した遺物は、「クレアこうのす」の一部で展示されている。
遺跡そのものは埋め戻されているから、
窯跡そのものが見られるわけではない。
現在は宅地化が進み、意識しなければ目に留まることはない。

近くには免許センターがある。
行ったついでに「クレアこうのす」の展示室に足を運べば、
宅地と化した景色も古代ロマンをもって眺められるかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする