人間誰しも、歌詞を間違ったまま覚え込んでいることが、ママある。
故・向田邦子さんがエッセーで書いておられた。
ご自身は子供の頃、田原坂の歌詞を
雨は降る降る ちんばは濡れる ~
と、思い込んでいたと告白されていた。
勿論、“ちんばは濡れる”ではなく“人馬は濡れる”が正しい。
子供の頃のイメージは、雨の中を足を引きずって退却する武士を想像していた。
西南の役、田原坂の戦いで負傷した足を布で縛り、槍にすがって落ちのびてゆく。
この歌を聴くと、可哀そうで泣きそうになった、とも。
私らの子供の頃は、“ちんば”とか“めくら”という言葉は、日常使われた。
今では禁止語句である。
向田さんの上記のようなエッセーも、発売禁止かも?