ちゃりんこ役場

平坦系サイクリスト。埼玉県草加市から江戸川CRを目指します。Since2011,Aug

2016 モテギエンデューロ4時間ソロ その3

2016年11月09日 | レース
最初は数人で回し始めた、小さな集団でしたが
気が付けば20名以上の大きな集団になっており、そのうえかなり早い速度で引いてくれる集団になっていました。

千切れてしまった先頭集団は1周をだいたい6分30~50秒くらいで回っていました。
でもこの集団も7分前半の速度で周回を重ねてくれ、すぐに追いついてくると思っていた
7時間の先頭集団がなかなか追いついてくれません。
「こんな速度で引いてくれるなんてありがたいなぁ~」
と最初のうちは思っていました。
でもそれまでの疲れが徐々に出てきて、この速度がつらくなってきました。
両大腿の痛み、腰の痛み。まだ1時間半しか経っていないし、もう千切れちゃってDNFにしちゃおうかな・・・
そんな弱気なことを考えていたのも、まだ2時間半もあること原因でした。
1周回の間に必ず1度は腰を伸ばす動作を入れるようになってきたのもちょうどこの頃でした。

「今度モテギに出る時は2時間エンデューロにしよう・・・」
そんなことを考えていると、前にマトリックスパワータグのジャージを着た方が目に入ってきました。
招待選手はゼッケンに数字ではなく名前が入っているので、その選手が誰であるのか、すぐにわかりました。
土井雪広選手です。

私たちの集団が土井選手を追い抜く時、私はピースサインをしながら
「土井さん、本2冊読みました~!」
と大きな声で伝えました。(2冊という意味でのピースサイン)
すると、自分の声の数倍はあろうかという大きな声で
「ありがとうー!がんばってね!!」
と満面の笑顔で声を返して下さいました。

いろいろと考えちゃったけど、今回モテギに参加して良かったw
ちょっと気持ちがマイナス方向に進んでいたことが嘘のように消え、力も湧いてきました。
何だか体の痛みもどこかに吹き飛んでしまい、一気にやる気が出てきましたw

土井選手、本当にありがとうございました。

そして土井選手の件でもうひとつ。
「本読みました」は、土井選手にしてみれば、これまで何度も何度も言われたきたはずです。
私は言う前に、そのことが唯一気になりました。
でも憧れの土井選手とお話ができるチャンスだと判断して、思い切って声をかけさせていただきました。
結果は想像もしていなかった、満面の笑顔と大きな声で言葉を返してもらうことに。
私はこのちょっとした違和感に、もう少し思いを巡らせるべきだったと、後に反省することになります。

第2集団というには、ちょっと速いこの集団が
7時間の先頭集団に飲み込まれたのは11時ちょっと手前だと記憶しています。
高速で走る7時間の先頭集団から45分近く逃げていた計算ですから、
この集団がどれだけ速い速度だったのか、走っている自分も驚きました。

この時、私を含めて多くの方が7時間の集団に乗り換えたのですが
今回も数周回を走ったところで中切れにより脱落。
この辺りで、私の体力はほぼなくなってしまいました。

ただ運のいいことに、私は比較的長く7時間の集団に取り付いていたようで
私の後方から7時間の先頭集団から脱落した集団がやってきて、
再びこちらの集団にお世話になって進みました。

この後、4時間の先頭集団にも追いつかれたのですが、
私はこちらに乗れず、さまざまな列車を乗り継ぎながら、フラフラとモテギサーキットを走っていました。

しばらく走ると、ある程度速い列車に乗ることができ、
その集団に身を潜めて、第二の目標であるアベレージ40Km/hを何とか達成したいと思いながら走っていると
前にランプレメリダのジャージを着た方が走っているのが目に留まりました。
そうです。新城幸也選手です。

少し前(それでも2時間近く前)に土井選手に声をかけたことで気を良くしている私です。
ここも思い切って新城選手に声をかけました。
「新城さん、今年一年お疲れさまでした!」

追い抜くところで発した言葉だったので、私としては一言いただけたらうれしいな。くらいの軽い気持ちでだったのですが
新城選手は
「ありがとうー!残り30分だね。これから後4周、頑張れば5週行けるよ。がんばって!」
と、こちらも満面の笑顔と、私の何倍もある大きな声で返事をしてくれました。

追い抜く瞬間だったこともあり、最後の方は私の背中に声をかけて頂く形になってしまいました・・・
新城選手、大変失礼してしまいました。ごめんなさい。

それにしても、有名なお二方にこんなにしっかりとお返事を頂けるとは、爪の先にも思っていませんでした。
でもロードレース界で活躍されている土井選手、新城選手こんなにしっかりと言葉をいただけたことは
私の中で宝物になりました。
本当にありがとうございました。

この時、土井選手の時に感じた違和感を思い出しました。
世界で活躍する選手は、いや世界で活躍できる選手はこうなんだ。と。

底抜けに明るく、元気で人懐っこい。

これは以前、中村龍太郎選手に声をかけた時にも感じたことで、
世界で活躍することができる一流の選手、一流の人間には必要なことではないかと思いました。
残念ながら、今の自分には大きくかけている点であることは否めません。
これからは意識して、土井選手、新城選手のような対応ができるように心がけようと思いました。
すぐには無理かもしれませんが・・・

話を戻します。
新城選手を追い抜いてしばらく走ると、私の集団を引いてくれていた方々がピットに戻ってしまいました。
スタートから3時間半。私に風を受けて進む力はもはやなく、
船頭を失った集団はあっという間に失速。
その後、力を抜いて気持ち良さそうに走る新城選手が引く集団に追い抜かれました。
当然私もこの集団に加わって、残り20分の時間をやり過ごそうとしたのですが
新城選手は楽に引いているようで、かなりのスピードw
そしてこの集団に、多くの人が加わってきました。
嫌な予感・・・

モテギサーキットの下り区間を過ぎ、ファーストアンダーパスを抜けると何故かスローダウン。
そのスローダウンの理由がわかるのは、第4コーナーから第3コーナーを見た時でした。

遥か前方に新城選手がいて、集団は完全に分断されていました。
そう。中切れです。
この時、残り時間は13分くらい。
サイコンのアベレージスピードは40.9Km/hでした。

先頭集団で走ることができなくなった時点で、次の目標はアベレージ40Km/hで走ることにしていました。
モテギのエンデューロでは、ある程度速度のある集団はコースの外側を走ることになっていて
1周の距離は、主催者の1周の距離よりも少し長く走っているはずです。

実際に先頭集団で走った時間が長いほど、サイコンの数字よりも公式に発表される数字の方が低かったことを考えると
これ以上アベレージスピードを落とすわけにはいきません。
レース終了まで残りわずかなので、もう力の出し惜しみは考える必要はありません。
残っている体力の全てを使い、新城選手が引く集団に追い付こうとペダルを踏みこみ始めました。

第2第1コーナーで新城選手までの距離を確認すると、おおよそ200mほど。
ただ速度を上げてしまうと、これまでの疲労であっという間に足がオーバーヒートしてしまいます。
足が焦げ付かない程度の負荷を入れながら、徐々に差を詰めていく作戦でした。

ただこの時間、風が強くなってきていることと、
新城選手は楽そうに、軽そうに踏んでいるように見えて、直線は40Km/h以上は楽に出ています。
追い付くためには坂の区間しかありません。
その坂がやってくる前までに、少しでも差を詰めておく必要がありました。

そして勝負の坂の区間。
スタート直後のように35Km/hオーバーで走ることなんてもうできません。
オーバーヒートしないぎりぎりの速度(28Km/hくらいだったと記憶しています)で追走をかけるのですが、
最後尾の方まで残り30mのところで登りが終わり、ヘアピンコーナーに突入してしまいました。

この30mが果てしなく遠く感じます。
もう足はギリギリ。今この瞬間に攣っても不思議ではありません。

でも何としても追い付かないと・・・
このまま単独だと失速することは間違いありません。
頭をハンドルに付けるほど下げて、向かい風の下り区間を抜け、
第3コーナーを曲がった直後、何とか集団の最後尾を捕えることに成功しました。
ふぅ。
ただ残念なことに、この直後新城選手はピットに戻られました。

そのまま無事に1周回をこなし、残り3分弱でスタートラインを通過。
最後の1周回が始まりました。

ここから最後のスプリントに向けて、集団の速度が一気に上がります。
私としてはこの集団の最先着を目指して、本日絶好調の登り坂で番手を上げて足を貯める作戦でしたが
登り坂に入るところで立ち漕ぎをした瞬間、足が攣りましたw
慌ててシッティングに戻したのですが、足が攣ったことで番手を下げてしまい、
結局集団の後方のまま登り坂を通過。

下り区間以降は、最後の周回ということなのか、レース前半のような速度だったので番手を上げることができず
後方のまま、第1コーナーを抜けて最後の直線に。

一度だけ腰を上げてペダルを踏んでみましたが、やっぱり足が攣りそうになったので
シッティングのままゴールスプリントを開始しましたが、速度に乗れません。
何人かは抜きましたが、同じくらいの人に追い抜かれてのフィニッシュとなりました。

終わった・・・
そして疲れた・・・

ゴール後、コースから外れたところで本格的に両大腿が攣りましたw
とりあえず自転車から降りて、邪魔にならないところで回復を待って、駐車場に移動をしたのですが
途中で計測チップを返していないことに気が付いて、来た道を再び戻ることに・・・
(気が付いてよかった)
わずかな距離、わずかな登りが足だけでなく全身に堪えます。
それでも何とか車に戻って、ジャージから着替えるために車に乗ろうとした時に異変に気が付きました。

足が上がらない

いつもなら意識もしない、足を持ち上げて車に乗る動作ができないのです。
とりあえず手で左足を持ち上げて、何とか車に乗り込んだのですが、
ここでホッとして気を緩めると、家に戻れないかもしれない。
そう思い、気持ちを入れ直して、一気に帰り支度をして車を動かしました。


先日、公式にリザルトが出て、ギリギリですがアベレージ40Km/hの目標をクリアできたことが確認できました。
ガーミンで越えていても十分満足なのですが、公式でそれを達成できていると
もう一段、満足度が上がります。 よかった~w

当初、加須TTへのトレーニングレースとしてエントリーしたモテギでした。
その加須TTが中止になり、また天候不安もあって、
スタートラインに立つギリギリまでモチベーションは上がりませんでしたが
走り終わってしまうと、参加して良かったと心の底から思えるイベントになってくれました。

走り終わってなお「あの時こうすればよかった。ああすればよかった」という後悔は
走りに関してはあまりありません。
もちろん細かい反省点は多々あります。
でも補給も夏ジャージの選択も完璧でした。
自分の力を全て出し切ることができた、満足できるレースだったと言えます。
仮に値段を満足度で割るならば、今回のモテギのエントリーフィーは、今までで最安値であったと思います。←あくまで個人比

これでいい気分で2016年の自転車シーズンを終えることができました。
また来年、新たな目標を設定して楽しい自転車生活ができることを期待しています。





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8 コメント

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Unknown (桜餅)
2016-11-09 08:07:46
凄い!凄すぎます!

4時間アベ40km/h越え達成おめでとうございます!\(^o^)/初心者だった私はtake-iさんのブログから関宿城、筑波山、銚子に挑戦したものです(渋峠自走はいずれ!)筑波山でtake-iさんにお会いできた時は本当に嬉しく思いました。もてぎでもお会いしたかったなぁ…でもtake-iさんの歴史的瞬間の場所に一緒にいる事ができてよかった!厚かましいですが今度ライドご一緒させて下さい。楽しみにしております!
Unknown (あゆ)
2016-11-09 12:06:17
楽しく読ませて頂きました。まずは40km/hおめでとうございます。春ご一緒した時、私は37km/hだったことを考えると、いかに速いかは想像できます。4時間で3kmで12km、2〜3lapされる訳ですから…。
それとtake-iさんがレースを楽しんでいるのもとても良いと思います。
jcrcとこのレースといいシーズンの締めくくりですね。その点も羨ましいです!ブログからモチベーションを貰いましたよ!
Unknown (gon)
2016-11-09 18:48:40
take-iさんこんばんは。
いやあスゴいぃぃ!
自分は40km/hなんて下り坂じゃないと出ないですから(笑)、それをアップダウンのあるコースで4時間も続けられるなんて異次元の世界です。
そりゃご一緒させてもらってもついて行けないわけですよ。
すごく刺激をもらったので、(今はちょっと休眠中ですが)レベルは違うものの自分もまた精進したいと思います。
それはそれとしてまたファンライドでもご一緒しましょ~
Unknown (ぽじ)
2016-11-09 19:55:38
すげぇ!
4時間Ave.40kmは想像もつかん
加須TTがあったら楽々40km/h行けてたんじゃない?
っていうか春のあの強風下であのタイムだったから
その走力はあると自分は思ってましたが・・・
とにかくおめでとうございます!
あゆさんも書いてますがJCRCに引き続き
いいシーズンの締めくくりになりましたね
自分もシーズンの締めくくりと位置づけてる
防府読売マラソンに向けて大いに刺激を受けました(^o^)
Re:桜餅様 (take-i)
2016-11-09 19:58:39
ありがとうございます。
これまでいつも遅れていた登りで遅れなかったことが大きかったです。
渋峠は八ッ場ダム建設で道が変わってしまったので、厳しいかもしれません。
私はもう自走で渋峠を計画実行することはないと思っています。
今度、ぜひ一緒に走りましょう!
私も期待しておりますw
Re:あゆ様 (take-i)
2016-11-09 20:04:41
ありがとうございます。
私もあゆさんの富士ヒルの好タイムに刺激されて、練習方法を変えました。
比較的平坦基調のモテギサーキットは私向きだと思っていましたので、今回の数字は本当にうれしいです。
そして今回は自分に合った速度の集団を乗り継ぐことができたことが大きかったです。
今後とも刺激を受けあって向上していきましょう。
Re:gon様 (take-i)
2016-11-09 20:07:42
ありがとうございます。
誰かに引いてもらうと、踏み込む出力を軽減できるので、その効果を可能な限り使わせていただいた結果ですw
自分一人ではとてもとても・・・
休日が同じなので、今後ともgonさんにはお世話になりそうです。
これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いします。
Re:ぽじ様 (take-i)
2016-11-09 20:15:00
ぽじさんにそう言っていただくと、本当にうれしいですw
初めてモテギを走った時の反省会で、ぽじさんが
「上位は40Km/hで走ってるんだね」
とリザルトを見ながら話した時には
まさか自分がその数字で走れるとは思っても見ませんでした。
でもぽじさんのブログでトレーニング方法を真似したりして、夢のような数字で走ることができました。
防府は期待しております。
ケガには十分に気を付けて、満足いく準備と結果を祈念しております。

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