こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『東京ディストピア日記』桜庭一樹

2021-11-28 20:15:44 | 読書感想
 
2020年1月26日から2021年1月9日までのコロナ禍に入る直前から真っ最中の桜庭さんの日常の日記です。

2020年2月8日あたりからコロナウイルスのニュースが毎日流れ始め、2月22日の頃のWHOは「マスクに予防効果はない」と言っていたのですね。

当時のあれこれについて「意外と早いな」とか「こんな時期だったっけ」とかもありますし、今も感染についてはピリピリしてはいますが、千人超えた頃の東京のすさまじい緊張感は、読んでいて辛すぎます。皆さんかなりとげとげしい気持ちになっておられたようです。
もちろん全国的にとても神経質になり、攻撃的な発言や実際の心身両面の攻撃もあったようですが、いつもいつも攻撃されるのは、より弱い人々や小動物だったりするのですよね。

桜庭さんが、ミヒャエル・エンデの『モモ』を繰り返し読まれていたのも、分かる気がします。
寒さが厳しくなるこの冬も、ウイルスが活発になる可能性が高いので気をつけつつも、同じ轍を踏まないようにしたいと考えます。
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『きよのお江戸料理日記(2)』秋川滝美

2021-11-28 19:31:24 | 読書感想
 
きよは、江戸の料理屋「千川」で料理人として働くこととなったが、上方へ料理修業にいっていた「千川」の次男、彦之助が予告もなしに帰って来た。
本人は修業が終わったと言っているが様子がおかしいし、きよを敵視して嫌がらせまで行う。

彦之助のせいで、きよの初めての居場所を取り上げられないかと心配しましたが、やはり日頃から真面目に熱心に働いていたから周りに認めてもらえていたようで、ホッとしました。

さらに、きよのお人好しも功を奏して八方丸く収まり、今後もうまくいきそうです。
 
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コミックス『ひらばのひと(2)』久世番子

2021-11-26 20:30:19 | アニメ・コミック・ゲーム
 
今回、前座の泉太郎が「赤穂義士伝」をあまり好きじゃないなんて言うものだから、冒頭からにしき姉さんのお目玉を食らいます。

まあ、私もあまり好きでは無いかな?
泉太郎たちの師匠によるとすれ違う人間の物語なのだという事ですが、少なくとも吉良も内匠頭も、コミュニケーション能力に難がありすぎですよねえ。
「てめえらのせいで47人も死んだし、藩のお取り潰しで苦労した武士も多かったんだよ!」と、罵りたいのが本音です(笑)

逆に聴いてみたいと思ったのは「鉢の木」
できれば詰まらずに、とうとうと語るところを拝聴したいものです。

登場人物も、泉太郎の同級生やお隣さん、めったに会えない兄弟子、学校寄席で出逢ったサボりの女子高生など次々と気になる人々が現れて、続きが楽しみです。
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コミックス『ぬばたまは往生しない(1)』久世番子

2021-11-26 20:11:59 | アニメ・コミック・ゲーム
 
黒々とつややかな美しい髪の藤中納言家の姫君は、”ぬばたま姫”と呼ばれていた。

しかし彼女は、どんな公達からの文にも興味を示さず結婚を嫌がり、自由の身でいるために自ら髪を切り、尼となった。
しかもそのために、文殊菩薩の化身と言われる美貌の僧、白顕をも巻き込んで。

白顕も、ちまたで言われる評価とは全く違う人間性ではありますが、ぬばたま姫の婚約者と呼ばれる紅葉宮もなかなか変な方で、いくら平安時代とは言え浮名を流してきた割に肥満体なので、本当にモテるのかなと感じました。

今後がとても楽しみな、変人揃いのコミックスのスタートです。
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『月と日の后』冲方丁

2021-11-25 20:16:25 | 読書感想
 
主人公は藤原道長の娘、彰子。
一条天皇の中宮であり、かの紫式部も女房として仕えた女性である。

彼女が入内したのは、初潮を迎えてまもなくの12歳の頃。
まだまだ子どもであり、定子のライバルにもなれなかった。

そんな彼女が成長していくにあたり、どのような心境の変化があったのか。

この物語が、どこまで史実に忠実なのかは分かりませんが、定子は清少納言が枕草子で触れているような文化的・芸術的なサロンを形成して宮中を盛り上げ、彰子は心身ともに大人になって行くにつれ、それも大切にしつつ、一条天皇と共に国の平安の為に動いていたという話でした。

何よりも、伯母を反面教師として自らを律する心の強さは素晴らしく、理想的ではあるものの、凡人には難しいと感じました。ただ目標としては、こうありたいものですね。

あと個人的には、紫式部日記に出てきたエピソードがぽつりぽつりとあるところも、楽しく読めたところです。
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