こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『わが殿(下)』畠中恵

2020-01-29 19:50:18 | 読書感想
 
今回、七郎右衛門は藩債の整理をつけたばかりか、幕府からの借金も返しおおせる。
ホッとしたのも束の間、黒船がアメリカからやって来た事で、殿が異国の軍備を導入しようとし、船まで異国型の蒸気船を買おうと言いだした。
元々、大坂に藩の店「大野屋」を出して上手く行き、より儲けようと七郎右衛門が北前船買って、蝦夷地と交易をしたいと言ってはいたのだが、その言葉尻を捉えられるとは・・・。

殿もですが、弟たちが経済観念が無く無茶をやりだすので、七郎右衛門も苦労がたえませんね(笑)

それにしてもこの話、参考文献からすると越前の土井利忠公が治めていた大野藩の出来事を、ある程度史実に基づいて描いた物語のようですね。
そうすると、当時、ここまで先進的で柔軟な考え方ができた殿様と藩士がいたという事で、それが一番の驚きでした。

幕末の志士どころじゃありませんよ。もっと、素晴らしい方々かもしれません。
とっても面白いので、ぜひ、お読みください!
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『わが殿(上)』畠中恵

2020-01-28 19:58:54 | 読書感想
 
内山七郎右衛門は、大野藩士でわずか八十石の内山家の長男。
十九歳の頃に、十五歳の藩主・土井利忠の大小姓としてお役目に就いた。

やがて成長した殿は、藩の莫大な赤字を失くすため七郎右衛門を登用するが、時に起こす気まぐれ(?)に振り回された七郎右衛門は、苦言を呈する事となる。

まだ上巻ではありますが、財政再建が一番なのは当然なのですが、殿のたまの金遣いの荒さも、将来を考えての事なので、仕方ない事だとも思えます。
とはいえ、身分を超えて殿に苦言を申し述べる事ができる人物は、大切です。

それも含めて、下巻を読むのが楽しみです。
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『どこからお話しましょうか 柳家小三治自伝』柳家小三治

2020-01-26 19:52:47 | 読書感想
 
小三治さんの幼少の頃から思春期。
五代目柳家小さんさんに弟子入りして、様々な噺を教えて頂いた師匠方の話や、同時期に入門した各噺家の方々の話。
ご自分のお弟子さんについて。

オートバイやスキーとの出会いや、それらをやる過程で学んだ事や、考え方を変えた事。
北海道との深い縁。

様々な話を伺い、とても楽しめました。
個人的には、立川談志さんや入船亭扇橋さん、柳家喜多八さんについての話が興味深く、特に、私が1回噺を伺っただけで惚れ込んだ扇橋さんについては、好きなのは語り口と思っていましたが、そこにお人柄もにじみ出ていたのかもしれないと思い直しました。
小三治さんのお話によって、様々な事を思い出したり考え直したりする事ができて、よかったです。
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映画『キャッツ(字幕版)』

2020-01-24 19:53:54 | 映画
20年ほど前、福岡の埋め立て地に劇団四季がテントの専用劇場を造って開催した日本版『キャッツ』を観たのが、私と『キャッツ』との出逢いでした。
初めて観たミュージカルという事もあったのでしょうが、その音楽と歌、生身の踊りの迫力に、涙が流れたものです。

今回、映画版とはいえ、本来の英語での歌詞が知りたかったので、字幕版を選び、観てきました。

実は、四季版『キャッツ』のCDも持っていて、最近、聴き直したのですが、忘れていた曲もあります。
私が好きなのは「ラム・タム・タガー」「スキンブルシャンクス」「ミスター・ミストフェリーズ」なのですが、当時、「ガス」と「ジェニエニドッツ」も好きでしたね。後者は、この映画では「ザ・オールドガンビー・キャット」です。
そして今回、やはり、これらの曲と猫たちが好きだなあと思えました。

ただ、アンドリュー・ロイド・ウェバーとT・S・エリオットに物申したい!
「犬だって、猫にあらず!」
たまたま犬が集団生活する動物なだけで、誇りを持たないような表現は、どうかと思います。
私は、犬も猫も好きだからこそ、なおさら言います。
どちらもそれぞれに魅力的で、愛おしい存在だと!
そして、犬も人間にいきなりすり寄られたら戸惑ってしまうのは同じです。
敬意を持って接しましょう。

脱線してしまいましたが、面白かったのは事実ですので、できれば、吹き替え版も観たいです。
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『オーラリメイカー』春暮康一

2020-01-22 19:57:42 | 読書感想
 
遠い未来、宇宙では生身の体で知性を持つ人々の《連合》と、元々は《連合》が生み出したDI(被造知性―太陽系人類で言うところのAI)の集まり《知能流》に分かれ、対立していた。

出だしからとても魅力的な設定に、心躍りながら読み始めましたが、何分、私自身はハードSFが得意ではありませんので、読了まで2日かかってしまいました。

でも、その甲斐あって、銀河辺境の謎や独自の生態系を持つ惑星、そして信仰から、住み慣れた母惑星を出て新天地を目指す種族など、様々な不思議や冒険を味わう事ができました。

同時収録の「虹色の蛇」も大変面白く、得した気分です。

1980年代頃までの、ハードじゃないSFなら読めるという方なら、少し頑張れば楽しめると思いますので、連休などにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?もちろん、ハードSFどんと来い、という方にはお薦めします。
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