コミックス『ととある日のクル～ねこまわりクルまわり～』竹本泉

「ととある日のクル」のシリーズ3巻ですが、エサに関して少々おバカかな？とか、抜け毛が角になるとか、クルが人間並みに大きくて竹本さんがクルのサイズだったら、竹本さんはクルに甘えるかもと思っていらっしゃるとか、なかなか微笑ましくも可笑しい話題でいっぱいです。

ちょっと残念なのは、せっかくクルちゃんが自らをスキャンしたのに、体が真っ黒なため、知らない人には正体が分かりにくいというエピソードでしょう。
そのスキャンデータ、見てみたいです。

コミックス『今日の早川さん（４）限定版』ＣＯＣＯ

今回のメインテーマは、早川さんの元に宇宙からやって来た妙な手拭い。

でも、4コマでの早川さんは、ホラー本の買い物をフネちゃんに頼まれたら、電車でホラー好きの男性に声をかけられたりして、なかなかＳＦ好きにはお目にかかれないご様子なのが不憫です。

あと、「豊富な知識の使い道」「黒い破壊者」では、様々な本の内容だけじゃなく、文章を事細かに覚えている辺りが、深いな、と感じました。

さて、手拭いの正体とその後の展開は？
早川さんの記憶の行方は？
そして、できれば早川さんが失くして、代わりに得た記憶で、恋人ができたりなんかすると、量子ちゃんも救われると思えるのですが、さて？

『白魔のクリスマス 薬師寺涼子の怪奇事件簿』田中芳樹

新潟県のスキーリゾート地だったゴーストタウンに、カジノを中心とした「統合型リゾート」が12月24日夜にオープンする事となり、「ドラよけお涼」こと薬師寺涼子とそのお伴の泉田準一郎もやって来ることとなった。

外国人を呼び込んで外貨を稼ぐのが官僚の狙いらしいのだが、開所当日、ここでは起こらないはずの地震が発生し、ＶＩＰたちと一緒に雪山に閉じ込められてしまう。

お涼たちは、無事に下界へ戻ることができるのか？

久々と思ったら3年程度ではありますが感覚が取り戻せず、非常識な化け物が出てきて理屈もそっちのけなところで物語が終わってしまったので、不完全燃焼です。

確かに、以前の話でも怪奇の名に恥じないものが次々と出てきたので、こんなものかもしれません。

多分、正体があいまいで立ち位置がはっきりしない成田が、今回のシリーズの悪役ボスなのかもしれません。

『ツノハズ・ホーム賃貸二課におまかせを』内山純

新宿に本社があるツノハズ・ホームの営業マン・澤村聡志は、なかなか営業成績が出ない。

そんな中、7月に季節外れの配置換えで、多摩支店から優秀な営業員が異動してきた。
彼女の名前は、神崎くらら。
先輩使いの荒い彼女だが、行動を共にしていくうちに、お客様へのきめ細かい配慮が見えてくる。

そして、なぜか二人の扱う物件には、様々な謎が付きまとう。

馬鹿正直で損ばかりしているように見える澤村ですが、くらら嬢からは違った一面も見えるようで、謎解きと共に登場人物の多彩な人生模様も読みどころです。

『その正体は何だ！？じわじわ気になるほぼ100字の小説』北野勇作

前回は、物語の続きが気になる物語でしたが、今回は、得体のしれない生き物が次々と出てきます。

私の気になっている生き物は、そうですねえ。

１、田んぼが肥え太るのかな？
２、別売りってことは、地底怪人は市販されているわけかー。
８、歯が何回生え変わるのかな？
２４、必ず茹でないと、お腹を食い破って出てきそうだし、茹でても死ぬのかな？
２８、繭からは、別れを惜しむもの同士の仔が生まれる。
４０、いえ、河鹿です。
４５、子供が何で知っているんだ。
５４、もち米も人が育てるのだから、まだ、大丈夫じゃないかな？
８１、雷ができるなら、台風は猛獣としていけるのでは？
８５、音痴なのがいても、おかしくないかも。
９４、そうそう、殺すのなら食べなきゃね。
９７、差別主義者や権力者の考え方もそう。
１０８、肉の次は、内臓とか脳？
とか、色々、楽しめました。

そして、１２３が、一番好きな話かもしれません。

とても、面白かったので、次回も期待しています。