こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『物語の種』有川ひろ

2023-10-30 20:29:24 | 読書感想
 
まず読者から物語の種になりそうなもの(思い出話、体験談、心に留まったキーワード、写真、その他)を募集して、そこから有川さんがおはなしにしたものをまとめたのが、この本です。

しょっぱなからタキシード仮面さま!?と思ったら、種が「猫」
意外ですが、いかにもタキシードを着ているような猫さんがいらっしゃいますよね~。

続いてお得意の植物や高知などなど色んな話が続くわけですが、連作短編のようにもなっていて面白いですし、宝塚ネタも多かったりして楽しいです。

宝塚ネタに関しては、Mr.ブルーもいいけれど、Miss星組と彼に名付けられた女性に惹かれる後輩さんには頑張って欲しいなと感じました。
そっかータカラジェンヌさん方は、フェアリーなんですね。

これ以上、沼やら水たまりやら(浅いうちはこちらかという意味で、他意はありません)にはまりたくないので、宝塚はあえて避けているのですが、かなり魅力的な世界なんでしょうね。

色んな意味で、とても面白かったです。
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『終末惑星ふたり旅』蒼月海里

2023-10-26 20:23:46 | 読書感想
 
隕石が落ちてきた事によりほとんどの文明が滅びた世界で、争いによる戦火から逃れた人々が集落を作り、文明の遺跡に頼りつつ細々と生きているセカイ。
ただこのセカイでは竜が存在しているが眠っており、しかも信心によって目覚め、それぞれの力において人々を助けてくれるという。

そんな集落の1つの外れで文明の遺物を探す事で生活をしている少女イオが出逢ったのは、竜を目覚めさせることで人々を助けたいとこの世を巡っている学者の一人・メティスだった。
彼女のおかげもあって集落を守る事の出来たイオは、ここの生活をもう少し楽にしたいとメティスの助手として名乗り出て、用心棒代わりも兼ねて旅を始めた。

イオ、最初はいいなと思っていました。
心身ともにたくましくて、明るくて気立てがよくて。
へそ曲がりで考えすぎで皮肉屋な私には、羨ましい限りではあります。
ただ裏を返せば犯罪者をも助ける優しさは、彼らが本当に改心していなければ彼女とは違う弱者には百害あって一利なしなんですよね?
強者にとっては取るに足らない相手でも。
無責任なだけかもしれない。
これがシリーズ物になるのなら、そこが描かれるんじゃないかと思ったのですが、どうなんでしょうね?
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『ラウリ・クースクを探して』宮内悠介

2023-10-23 19:49:18 | 読書感想
 
1977年、ソ連時代のエストニアに生まれたラウリ・クースクは、言葉を話し始めるのは遅かったが、二歳から数字に興味を示し、数を数え続ける事にこだわった。

学校では、数字にこだわるあまり突然授業中に数を数え始めるなどの奇行があり、算数以外は劣等生であったため、いじめられたり仲間外れになる事も多かった。

その後、父親が内緒で職場のコンピュータを壊れたと言って持ち帰った事からプログラミングを学び始めたラウリ。
しかも、コンピュータが三年生の頃に学校に導入された事から、数学的才能を発揮できるようになってきた。
そしてそれが中学での親友たちとの出逢いに繋がった。

時代はちょうどバルト三国がソ連から分離独立しようかという頃で、動乱の時代。
ラウリは数字には強かったけれど、英雄になれるタイプでもなかったようです。
成長物語ではありますが、冒険があるわけでも哲学的思索に入るわけでもなく、その時々でベストと思える人生の選択をする普通の人生でもあります。

ただまあ本人には平凡に思える人生も、他人から見ればドラマティックだったりしますよねえ。
そもそもこの語り手が誰なのか、というところも気になる物語でしたし、何よりこの結末に至ってどんなにホッとしたか・・・こんなにハッピーエンドを期待した物語も、そうそうないのではないかと感じました。
お薦めします。
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「東山彰良さんトークショー&ビブリオバトル」in北九州市八幡東生涯学習センター

2023-10-22 21:37:36 | アート・文化
今日は、初めてのビブリオバトル観覧♪という事で、少々、弾む気持ちで八幡の会場に1時間以上前に到着。
だってー、会場の位置が分かりにくかったんですから―(^_^;)
響ホールの下の階という事はサイトで検索して分かったのですが、はて、それにしても入り口はどこ?
ホールから行こうとすると改装のために通り抜け禁止だし・・・まあ、下の通りから行きましょうと考え、何とか到着。
バトル参加者の方とも少し会話できるほどの時間の余裕(;^ω^)

気を取り直して本題のビブリオバトル。
今回のバトラーは4人。

藤村いづみさんの『あまんじゃく』
絵本の『どろぼうねこのおやぶんさん』
ホリー・ジャクソンさんの『卒業生には向かない真実』
アイザック・アシモフ氏の『黒後家蜘蛛の会』

これらが紹介されました。

『あまんじゃく』の方は何度も参加されているとの事で、紹介し慣れ過ぎておられて本当におすすめしたいの?と思うほど軽いトークだったので、そんなに読まなくてもいいなと感じてしまいました。ごめんなさい。

次の『どろぼうねこのおやぶんさん』
絵も美しく、でもおやぶんさんは名前に恥じないドラ猫風でいい感じ。
紹介なさった物語も、不思議で魅力的な世界観で惹きつけられました。
ひとまず候補かな?

三人目の『卒業生には~』は「うわー、読みたい候補作の1つだよ~!」と思いつつ書評を拝聴。
「うん、確かに面白そう。問題は三部作なんですよねえ・・・しかも、三冊目から紹介なさっているし、初めて紹介される方にはハードル高いかなあ?」と、繰り上げ第一候補作として頭の中で確保。

ラストの『黒後家蜘蛛の会』
「う~ん、これって三人目の方の以上に巻数が多かったんじゃなかったっけ?(;^_^A」
私も未だに躊躇している作品だったりしますし・・・でもジャクソンさんのと同様に読みたい作品でもあるんですよねえ。

私としては三人目か四人目か、なんですが結果発表は東山さんのトークショーの後との事。
休憩を挟んでトークショーを楽しみました。

私は申し訳ないのですが作品が未読で参加させていただいています。
でもファンの方々もいらしたのに、そんなに質問なさらないのですね。
もったいないと思いつつも私も日本SF大会慣れしている分、作家慣れして話しかけるのも平気になっているからなあ・・・とも反省もしてました。

なお、東山さんへの質問で印象に残ったものとその解答を挙げますね。

ビブリオバトルにちなんでの東山さんからのお勧め本。
サローヤンの『僕の名はアラム』
なかなか面白そうだったので、帰宅後、図書館のサイトで予約しました。

続いて映画や映像作品など、他の分野と比べての本にしかない芸術的側面とは?という質問がありまして、その話の中で紹介された映画監督のウェス・アンダーソン監督が気になっています。

もう一つは作家志望の方々へのアドバイスとして、その日の執筆を終わらせる場合に「切りの悪いところで終われ」というもの。
何でも次に書き出す時に、0からスタートするのはエネルギーが余計に必要になってきついので、あえて残すそうです。
納得しつつも面白かったです。

さて肝心のビブリオバトルの勝者は「どろぼうねこのおやぶんさん」を紹介して下さった方でしたー(^^♪

よくよく考えてみると熱意のありそうなお三人さんの中で、いきなり三部作!とか長編の極みっぽいもの!!!よりもとっつきやすいものを選びますよねえ。
観覧者には日頃、本をあまり読まないという方も多かったようですし・・・なら、なぜ参加したんんだ?という疑問も沸いてきますが、それはそれとして重厚なものは好まれないだろうというのは心理的に納得なので、しょうがないです。

今回はフィクションばかりでしたが、どなたか面白いノンフィクションも紹介して下さらないか?というのもありました。

私も一瞬、発表者になろうかとも思ったのですが、人見知りが激しいのにできるかというと迷うところなので、観覧にしました。
観覧してみて思ったのは、5分って、かなり短そうですね?あらすじで精一杯かもしれません。
お薦めしたい本は、山ほどあるんですけどねえ。
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2023年10月16日「西宗寺 お月見寄席」in北九州市小倉北区 西宗寺

2023-10-17 20:30:02 | 落語
15日に引き続いての落語会。
今回は、柳亭燕路師匠の独演会。
仕事後に伺いました。
会場はこんな感じ。

お寺の方に撮影許可をいただいて、開演前に撮影しています。

18時半に始まった落語会。
まずは、二つ目の柳家小はださん。
燕路師匠の兄弟子のお弟子さんらしく、甥弟子?になるのですか?
「代書屋」をなさいました。
・・・えーと(^_^;)ノーコメント。

続いては、待ってましたの燕路師匠。
「しわいや(片棒)」をして下さって、何だかな~の親子で面白かったです。

仲入りが入りまして、ジャグリングのストレート松浦さん。
ジャグリングはもちろん、皿回しや箱?を回したり、色んな曲芸で楽しませていただきました。

そうしていよいよ、締めの燕路師匠。
何と!「芝浜」をなさいました。
やはり、いいですよねえ。こういう人情噺。
莫迦な話や荒唐無稽と言われる噺も大好きでしょうがないのですが、これもこれで本気で「待ってました!!!」ですよ。
大好きです。
体の疲れまでは取れませんが、気持ちの疲れは吹っ飛びました。
大満足の落語会で、帰宅後、幸せな気持ちで眠れました。
ありがとうございました。

空腹と翌日が仕事でなければ、師匠に感想をお伝えしたかったのですが、後ろ髪を引かれる思いで帰宅しました。

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