新しい陶器というか、石器というか、こんな時代になりそうですね。かつて石器時代、青銅器、鉄器とすすみ、産業革命が起きても鉄の時代が続いたが、人類最初の器・陶器は近代産業としては電気の絶縁体として使用されるぐらいであったが、宇宙産業、電子産業が起きるとセラミックにニューが付けられて、絶縁体から半導体にも使用されるようになった。
またセラミックのもつ耐熱性や硬さがロケットや人口衛星の開発の重要な要素になりつつある。古代の最重要産業は芸術になりつつあったが、再び産業として科学の目が注がれることになった。スペースシャトル宇宙連絡船の開発が遅れたのは耐熱材としてのたいるとその接着剤開発が予定通りにいかなかったためのようである。
新製品のスピーカー説明書にニューセラミックの振動板を使った、と。人間を輪切りにして映像化するCTスキャンにも新しい陶器が使われているという。新しいジーゼルエンジンも、、、、これまでの金属に比べて熱や腐食に強く、燃焼温度を上げて。燃費効率をあげるという。
またニューセラミックの人口歯根で永久歯インプラント治療がすすんでいる。陶器は代表的しょっきであり、靱帯になじみやすい。ダイヤモンドは化学的には炭素というありきたりの元素の高温での結晶体だが、炭素の、粉末すすに瞬間的に9万9千気圧という超高圧を加えると人工ダイヤモンドができる。
この新しい石は精密で高度な工業技術によって得られるもので、原料が土石を中心に海水、空気からできるので、省資源時代むき未来産業でもある。さらに電子工業の基盤であり、そこに載せる技術、情報工学を考えれば大産業となるであろう。
この小文は個人新聞「愛知通信」平成元年版に載せていたものから転載。