夕焼の 美しければ 母恋し
夕月の 雲の間に間の 五月かな
(ハワイマウイ島の月虹)
夜の虹 眠れない子が 渡り来る
一年前ほど前から、深夜、十歳の孫娘から電話がかかって来るようになった。
「眠れない。」と。両親に叱られたとシクシク泣きながら話す。
思えば、赤ちゃんの頃から眠るのに時間がかかった子だった。
共働きの両親にしてみれば、何時迄も寝てくれない子には、随分困る事も多かった事だろう。
それでも、一歳前から保育園、そして小学校と、朝は早く起きて、教室には一番か二番目には来ている生真面目な子だった。
夜中の電話の話に戻す。
初めの、ばあばへの深夜電話は、両親から強く叱られたよう。夜中に電話なんかしては駄目。寝ているばあばを起こすなんて…。と
だけどばあばはこう伝えた。
「ばあばは、夜型人間だから、いつ電話しても良いよ。○○が電話する頃は寝てない。もしも出ない時はずっと鳴らして。」
娘にも、夜中の電話は許してあげるよう頼む。こちらは何の影響も無い。
じじばば共に、仕事もしてない。
田舎の嫁、43年が経ち、今は朝早く起きねば、なんて事も免除された(笑)
そして幾度か、深夜便が来るようになっていた。不定期に。
いつだったか、1時半、眠りについた直前に来た時は、しばらく気がつかなかった。。
気がつき慌てて取ると、不安げな声で、「ばあば、寝てた?ごめんね。」
ううん、寝てない、ちょっとボーっとしてた。良いよ、よくかけて来たね。と褒める。諦めちゃ駄目だよ、と(ちょっと違うが (笑))
そして昨夜12時ちょっと前。しばらくぶりの深夜便。
一人で、下のリビングにいると言う。又ちょっとした親子喧嘩をした模様。
シクシク泣きながら、反省はしてるけど、もう二人とも寝てる。と言う。
しゃくりあげながら、ことの次第を話して聞かせる。
もう思春期に突入したかのよう。悪いとわかっていても、親への反抗は止められない。
うまくいかない日々に、自分ができない事など心の葛藤が、大人が思う以上に大きいのだと思う。
15分程して、様子を見に降りて来た(らしい)父親。
ほっとして電話を切った。
ところが、又かかって来た。「明日、ばあばの家に泊まっていい?」
あーいいよ。明日おいでね。だから今日はもうベッドに行きなさいね。
うん、おやすみと、電話を切った。
今からばあばの家に行きたいと言う孫に、正直困った。夜中の運転は心許ない。
もうとっくに寝ているじいじを起こす訳にもいかず、
第一孫の親達も困惑するだろう。
とりあえず、良かった。
天使のようだった赤ちゃんが、今こんなに悩み苦しむなんて予想もしなかった。
いや、当たり前の事、と自分に言い聞かせる。
成長の証。十年後はきっとあんな事もあったね、随分子どもだったね、なんて言うんだろうか。
赤ちゃんの頃も、保育園の時もいつだって、ただただ可愛いらしかった子。
今でも、変わらない天使のような笑顔は、何にも替えがたい宝。