「一番来るひと」と 紹介さるる 秋うらら
笑みも善き むらさき色の 秋袷
三週間ぶりに訪れた、姑さんの施設。
相変わらず、原則面会禁止。だが玄関先での短時間の面会は許可してくれる。
マスクをつけ、アルコール消毒をして、お母さん。と呼びかけるが、反応は薄い。
主任さんが、「⚪︎⚪︎さん!お嫁さんよ。誕生日のお祝いに来てくれたよ!」と気遣ってくれるも、キョトンとしたまま。
漸く、私を見てプレゼントの箱を受け取り、周りのスタッフさんに、「一番会いに来てくれる人よ。うちの嫁さん。」と言う。これには、私も主任さん、二人の介護士さんもびっくり。
あれー凄い!よくわかったねぇ!今日は冴えてる!
その後主任さんと雑談をしている間に、二人の介護士さん、素早くプレゼントのブラウスに着替えさせてくれ、姑を椅子に座らせ、記念写真を、と言ってくださった。
この日は、姑の表情はとても豊かで笑顔が可愛い。
しばし、姑さんを囲み静かな会話をする。そろそろおいとまをと、また来ます。母をよろしくお願いします。と立ち上がる私に、「奥さん、夕方に来んね。ご飯を食べて行きなさい。」と姑。
参った〜。また知らない人になった長男の嫁。主任さんたちと大笑い。
でも皆さんのおかげで元気に、安全に暮らさせていただいている。おかげで私達もどんなに助かっている事か。安心していられる事か。
ありがとうございます。と心から感謝して玄関の扉を閉めた。