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旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

カプリ島を「青の洞窟」抜きで楽しむ日

2013-11-12 02:09:08 | イタリア
夜中は雨風の音がきこえていたが、朝になると静かな海が広がっていた

朝食はリゾート地らしく8時からだというので、その前に近くを散策。
冬時間になると日の出は一時間早くなっているから朝の時間を活用しやすい。
11月も半ばだから蔦が紅葉しているのは季節らしい風景だが、その中に紫色の朝顔が咲いているのにびっくり。

ガリガリガリ…猫は蔦で一心に爪を研いでいる


朝食を終え、9時から歩き出す。
ホテルから十分ほど歩くと、トラガラホテル前

展望台に到着

この景色をこの天気で見ていただける事をイメージして、
半年前にツアープランニングをしてきた甲斐があった。

青空で素人目にはおだやかな海なのだが、
今日は「青の洞窟」は閉まっているとガイドさんが教えてくれた。
冬季の旅なのだから、それは想定内。
いや、むしろ「青の洞窟」に時間をとられないでカプリを歩いて堪能していただける良いチャンスだと思う。

まずはアナカプリに移動し、定番のヴィラ・サンミケーレを訪れた。
19歳のスェーデン人少年アクセル・ムンテがこの場所を訪れた時、ここローマのヴィラ跡に聖ミカエルの礼拝堂が建っているだけだった。

二十年後、自分のヴィラを建てる夢が叶い、掘っていると案の定古代ローマの遺物がたくさん見つかった。飾られているこの巫女と思しきブロンズ像もそのひとつ見下ろす海辺にはローマ時代の建物の遺構も見える
アクセル・ムンテはこの部屋で執筆していた

そして、庭に出ると別棟のテラスにこのスフィンクスが海を見ている※このスフィンクスについての逸話をこちらに書きました。

サンミケーレ荘をさらに先に歩いていくと「フェニキア人の階段」の入り口に着く
そして、その少し前にこの壊れた門があるこれについて、面白い逸話をきいたので、また別のところに書きます。

**
ソラーロ山へのチェアリフトももちろん乗るコワいけど楽しい。ソレント半島方面への絶景

昼食の後、アナカプリの街をもう少し案内してもらう。
これがアナカプリの街の紋章カプリとは「山羊」という意味である。

今日のガイドさんはこの町の出身。いつものグループツアーだとアナカプリの街中を案内する機会などないのだそうだ。自分の街を案内出来るチャンスをとても喜んでくださっていた

この赤い建物はアメリカ人の建てたヴィラヨーロッパ人とは少し趣味が違うスタイルであるかもしれない。※以前ここについて書いたページ参照

サンミケーレ教会はかつてこの町の主教会だった現在は内部の素晴らしい床タイル画を見せる博物館になっている細い螺旋階段を上って上の階から見下ろすと…

街角がカプリの街とはちがってブランドショップでいっぱいなんてことはない

シーズンが終わった秋の晴れた日に歩く静かなアナカプリ

****
15時前に一度ホテルに戻り、すぐにトラガラ岬の先の道を歩きに出発。
日暮れるまで二時間半、変わらず青空。


※ティベリウス帝が住んだというヴィラの遺跡は残念ながら今日はクローズとのこと。行きたかったかた申し訳ありません。以前行った時の簡単レポートからお読みください。
午前中にソラーロ山から見下ろしていたファラリオーニ岩が目の前にある。いちばん大きな岩には、そこにしかいない真っ青な色のトカゲがいるそうな。伝説で、「海の色を映した」という。

道は上り下りしながら続いていく、遠くに明日行くソレント半島が見える

車さえ通れない小道沿いは一見自然に見えるが、実はずっとヴィラの敷地が続いている。時折印象的な建物が現れる。そのひとつ、マラパルテ荘について、以前こちらに書きました。※ここから数日の日記にカプリを歩いた時の事を書いております。

急な階段を下り、再び登り、突然洞穴に神殿の廃墟が現れるこれが古代ローマの建造物だったことは、その石の積み方から確かポンペイと全く同じなのだ。

また、ここは中世には教会だっただろうことは、フレスコ画の残りから推察できる

さらに「自然のアーチ」への入り口まで登っていくと、スウェーデン人男性二人が降りようとせずにまっていた二十メートルほど下ですれ違って言葉を交わした女性二人の旦那さんたちだ。女性お二人は、のぼってきた我々に「下に降りたらどこへ抜けられるの?」と訊ねた。さっき見てきた遺跡はすぐ近い事を伝えると、「上に待っている旦那二人に降りてくるように伝言して」と言われていたのである(笑)

**
さて、ここからどのルートでカプリの町へもどるか。いくつか展望台へ寄りながら海沿いの高台を歩くコースもあったが、夕暮れが近くなったので近くの展望台ひとつだけ行ってあとは街を帰る事にした。「自然のアーチ」が見える、夕暮れに陽があたり、一見に値する展望台だった

村の家々にいろいろな表札があっておもしろい

夕暮れ暮れて青い光につつまれる旧市街路地

オフ・シーズンには開いているレストランが少ないが、白身魚のフライ海鮮パスタ焼いたエビも

よぉ~く歩いた一日だったけれど、これでカプリ島が「青の洞窟」を訪れなくても、充分滞在する価値があると思っていただけたにちがいない。
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