恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

『全国大会』

2014-08-06 09:50:23 | ハル君ルートで茶倉譲二

譲二さんルートとの混乱を避けるため、ヒロインの名前は佐々木美緒とします。


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 好きになったヒロインに迷わず告白し、実力行使にでてしまう男らしい譲二さん。
 ただやっかいなのは、ヒロインが好きなのは譲二さんではなく、別の男の人だった。そう…、たとえばハル君。


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茶倉譲二: 喫茶クロフネのマスター
身長:183cm 体重:70kg

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『胸騒ぎ』の続き



『全国大会』その1


〈美緒〉
 翌日、ハル君の全国大会の日が来た。

 あれからハル君とは顔を合わさないままだ。

 助けてもらったお礼もちゃんとは言えていない。


 リュウ兄やりっちゃんが応援に行こうと誘いに来てくれた。

 どうしようと譲二さんを探すと、譲二さんはいつもの仕事着ではなく、普段着で降りて来た。

美緒「え? 譲二さん、お店は?」



〈譲二〉
 俺はハルの応援に行こうと決めた。

 美緒をハルとも一護とも2人っきりにしないために。

 俺が普段着で1階に降りていくと、リュウやりっちゃんが応援に行こうと誘いに来てくれていた。

美緒「え? 譲二さん、お店は?」

譲二「今日は臨時休業にするよ。ハルの晴れ舞台だものな。」

 みんなと会場に行く間にも、俺は常に美緒のそばを離れないようにした。

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『全国大会』その2


〈美緒〉
 譲二さんが一緒に行ってくれるのなら心強い。
 
 だけど、譲二さんの本心はハル君と私を2人だけでは会わしたくないのだろう。

 確かに、今の私はハル君に「好きだ」と言われたら、断ることはできないだろう。

 そうだ、譲二さんと別れて、ハル君と付き合うという道もある。

 …いやいや、私はもう以前の私ではないのだから。それにハル君と付き合ったとしても、今度は心の中の譲二さんがずっと私を責め続けるだろう。

 そんな私の心の中を見通したかのように、みんなと会場に行く間にも、譲二さんはさりげなく常に私のそばにいた。

美緒「一護君は一緒にいかないんだね」

剛史「ああ、だけど来るんなら自分で勝手に来るだろ」

 一護君もハル君と喧嘩してしまったから、気まずくて来ないのかな…。


 みんなでにぎやかに応援席に座っていると、ハル君が来てくれた。

竜蔵「ハルのために商店街の暇そうなヤツもみんな連れて来たぞ。がんばれよ。」

春樹「俺の試合はまだ3試合先だから…、今は他のヤツの試合の邪魔だから静かにしてくれよ。」

竜蔵「おい、ハルの試合が始まるまではお前らおとなしくしておけよ。」

春樹「佐々木、来てくれてありがとう。」

 ハル君はもっと他のことが言いたそうな目でじっと私を見る。

美緒「試合楽しみにしてるから、頑張ってね。それと…この間はありがとう」

春樹「うん。佐々木が無事でよかったよ…」

 譲二さんが割って入るかのように声をかけた。

譲二「ハルもがんばれよ。期待してるぞ」

春樹「あっ、ジョージさんもわざわざ来てくれたんですか?」

譲二「ああ、ハルの晴れ舞台だから店は休みにしたんだ。」

春樹「はい。頑張ります。…それじゃあ、佐々木も、後で」

 ハル君が去っていく。

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『全国大会』その3



〈譲二〉
 美緒がお手洗いに行くというので、俺もついて行った。
 それで正解だった。

 帰りの廊下で向こうから一護がやって来るのが見えた。

美緒「一護君!」

 美緒が叫んで小走りに駆け寄るので、俺も急いで近づいた。

一護「美緒!…と、マスターも」

 一護は美緒が俺といるのをみて、明らかにがっかりしている。

 俺はさりげなく、美緒の盾になって割り込む。

譲二「ハルの晴れ舞台だから、店は臨時休業にしたんだ」

一護「そんなことしてたら、数少ない客がますます逃げてくんじゃね?」

譲二「まぁな。」

美緒「一護君、みんな向こうの客席にいるから、一緒に応援しよう?」

 俺たちが歩き始めると、向こうからハルが来るのが見えた。

春樹「一護! 来てくれたんだ。ありがとう」

一護「ああ。…お前の試合はちゃんと見ておきたいからな」

春樹「じゃあ、また後で」

 ハルは何か言いたそうに美緒を見つめたが、俺たちがいるので、何も言わず去っていった。

美緒「頑張ってね!」

 美緒が叫ぶと、ハルは振り返って手を振った。


 ハルの試合が始まった。
 ハルは相手に一本取られることなく、勝ち進むことが出来た。

美緒「よかった!」

 ハルのかっこいい姿を見て美緒は素直に喜んでいる。

譲二「やっぱり、迫力あるな。いつものハルとは全然違う」

一護「今の相手は見たことあるから、去年もハルが勝った相手だ。」

竜蔵「今度はハルはいつ出て来るんだ?」

剛史「あと2試合後かな」

美緒「ドキドキするね」

理人「美緒ちゃん、ドキドキするなら手を握ってあげようか?」

美緒「もう、りっちゃんたら!」

 一護との間には入れたが、りっちゃんはノーマークだった。馴れ馴れしいので、気が抜けない。

 ハルはどんどん勝ち上がり、準決勝に進んだ。
 準決勝では2本先に取ったものの、そのあと相手に3本取られて、結局ベスト4で終わった。


『全国大会』おわり

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続きは『交際宣言』です。

譲二さんも必死だけど、玉の緒も必死です。
ああなって、こうなって、ハル君が記憶喪失になってしまったら、ハル君ルートの譲二さんでは全然太刀打ちできませんから。(^▽^;)



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