恋、ときどき晴れ

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妄想飛行~譲二の場合 その5

2015-02-24 07:56:03 | もしもの話

特別捜査密着24時の『妄想飛行~冗談は脳内だけにしろ~』で野村さんが言っていたこと

>>「9つも歳が違うと同じ学校に通うなんてことないしさ、妄想が膨らむよね」

>>「もう少し年齢が近かったら、こんなこともあったかな~っていう俺のロマンじゃーん」

みたいに譲二さんも妄想してたかな…と思ったらこんなお話が浮かびました。




 なお、妄想の中の『マスター』は先代マスターです。

☆☆☆☆☆

妄想飛行~譲二の場合 その4の続き


妄想飛行~譲二の場合 その5

 

【☆妄想中☆】


 俺は茶倉譲二、高校二年生。


 最近、俺の下宿先のクロフネという喫茶店の二階に、幼なじみの一つ年下の女の子が住むようになった。


五時の放送があって、みんな帰ってしまった。

俺と百花ちゃんが取り残されおしゃべりをしている。

と、マスターが俺たちにコーヒーを持って来てくれた。

マスター「二人ともお疲れ様。少し休憩して」

譲二「あ、すみません」

百花「マスター、ありがとうございます」



その時、チャイムがなった。

???「譲二、こんにちは」

声の主は隣町の私立高校の制服を着た女の子だ。


譲二「明里!」


百花ちゃんは怪訝そうな顔をしている。


譲二「お前、何しに来たんだよ」

明里「あら、婚約者が久しぶりに会いに来たっていうのに…冷たいわね」


百花「婚約者?!」


俺は慌てた。


譲二「いや、違うんだ…」


必死な俺に明里は冷ややかに言った。

明里「違わないでしょ。私たちは親が決めた婚約者なんだから」


百花ちゃんは明らかに青ざめている。

こんな状況で複雑な俺の家庭環境を説明しても到底分かってもらえそうにない。


百花「譲二くん。ごめんね。ちょっと宿題を思い出したから…。どうぞごゆっくり…」


百花ちゃんは強ばった顔で明里に会釈すると俺と目も会わさずに二階にあがった。


明里「あら。あの子もここに住んでいるの?」

譲二「ああ。マスターの知り合いの娘さんなんだ」


明里に説明するのが面倒くさくなって、百花ちゃんが幼なじみだということは言わなかった。


明里「ふうん…」


明里が意味ありげに笑う。


譲二「なんだよ」

明里「それで、あの子のことを譲二は好きなわけね…。それは悪かったわね」

譲二「お前には関係ないだろ」

明里「あら、私は譲二の婚約者なのよ」


我慢の限界を超えた俺は言い放った。



譲二「婚約者っていっても、お前にはれっきとした恋人がいるだろ?」


 明里の顔が陰った。


妄想飛行~譲二の場合 その6へつづく