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反原発、長渕剛…民衆の怒りの声を聞け!芥川賞作家・柳美里と「原発」批判対談!被災地に身を置いた二人

2016-03-14 17:18:37 | 脱原発
反原発、長渕剛…民衆の怒りの声を聞け!

芥川賞作家・柳美里と

「原発」批判対談!

被災地に身を置いた

二人の怒りの声!

『長渕剛 民衆の怒りと祈りの歌』

国は嘘をつく!

僕たち民衆は

いつも国家に裏切られる!





アルバム『Stay Alive』には、浪江町をテーマにした「カモメ」という楽曲を収録。

原発が地域や家族の絆をバラバラにしてしまった悲しみを歌っている。

〈浪江の街の駅前の/ひしゃげたまんまの商店街/パン屋も床屋も雑貨屋も/命の音が聞こえない/全滅していた暮らしの中/壊れた信号機だけが点滅していた/僕はただ立ちつくし空を見上げて泣いた〉

〈男は牛たちの乳を泣きながら搾っている/来る日も来る日も毎日/泣きながら乳を搾ってる/捨てては搾って搾っては捨てて泣いてる/男は牛舎でつぶやいた/「原発さえなければ...」〉

〈止めてくれ/原発を/止めてくれ/今すぐ/母親から子供を引き裂き/子供から母親を裂く/乳房をくわえる赤子の/瞳をどうやって僕は見つめればいいの〉

(「カモメ」の歌詞より引用)

 長渕の「反原発」へのメッセージは、震災後、時が経っても止むことはなく、

14年9月には20年来の友人でもある音楽評論家・湯川れい子氏のツイッターアカウントを通し

〈長渕さんから嬉しいメールが来ました。個人的な私信なのでご紹介は出来ないけれど、

「美しい支那海を想い、故郷を思うと、今のままの川内原発の再稼働は許せません!」って。

やっぱりそうだよね〉というコメントを発表。

全文は下記に…


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清原逮捕で注目の長渕剛が芥川賞作家・柳美里と「原発」批判対談! 被災地に身を置いた二人の怒りの声を聞け - ライブドアニュース

清原逮捕で注目の長渕剛が芥川賞作家・柳美里と「原発」批判対談! 被災地に身を置いた二人の怒りの声を聞け

2016年3月12日 20時0分

LITERA(リテラ)


『長渕剛 民衆の怒りと祈りの歌』(河出書房新社)

 5年目の3.11。各メディアはアリバイ的に東日本大震災特集を組んでいたが、一部のテレビ番組を除いて、原発批判の声はすっかり消えてしまった。文化人や芸能人からも原発批判の声が上がることはなくなり、それどころか、昨日の記事でもお伝えしたように、高額のギャラに目がくらんで、原発広告に出演する者が続出している。

復活した原発広告に文化人や芸能人がまたぞろ登場!優木まおみ、岸博幸、勝間和代、北村晴男・住田裕子弁護士、舞の海秀平、春香クリスティーンなど…500万円の高額ギャラも!原発文化人

 そんな中、異色の二人がタッグを組んで、原発への怒りを語っている。

 ひとりは、最近、政治的言動で注目を集める一方、清原和博の覚せい剤逮捕でその関係が話題になったミュージシャン・長渕剛。

もうひとりは、芥川賞作家でありながら、雑誌「創」(創出版)の原稿料未払い告発や子育て問題の炎上などで世間を騒がせ続けてきた柳美里。

 2人とも、私生活ではトラブルや毀誉褒貶が絶えないが、しかし、震災、原発問題については、非常にピュアだ。

世の中が原発や被災地のことなんか見向きもしなくなっても、ずっと変わることなく、この問題に真摯に向き合ってきた。

 まず長渕剛。3.11後の彼は、航空自衛隊松島基地や石巻の避難所での慰問ライブ、避難生活を余儀なくされた福島県浪江町の子どもたちを鹿児島に招いてサマーキャンプを主催するといった活動を行ってきた。



 また、2012年3月には、特別番組『報道STATIONスペシャル「愛おしきあなたへ」』(テレビ朝日系)に出演し、福島第一原発20km圏内に入って警戒区域の実情を取材。その際に「もはや原発の有無を問う余地はない。

立場や名刺はいったん脇に置いて、いち個人として現実を直視し、感性で見つめてほしい」という発言を残している。

 そのように現地の状況を実際に見てきた経験は音楽にも結実。12年5月に発売されたアルバム『Stay Alive』には、浪江町をテーマにした「カモメ」という楽曲を収録。原発が地域や家族の絆をバラバラにしてしまった悲しみを歌っている。

〈浪江の街の駅前の/ひしゃげたまんまの商店街/パン屋も床屋も雑貨屋も/命の音が聞こえない/全滅していた暮らしの中/壊れた信号機だけが点滅していた/僕はただ立ちつくし空を見上げて泣いた〉
〈男は牛たちの乳を泣きながら搾っている/来る日も来る日も毎日/泣きながら乳を搾ってる/捨てては搾って搾っては捨てて泣いてる/男は牛舎でつぶやいた/「原発さえなければ...」〉
〈止めてくれ/原発を/止めてくれ/今すぐ/母親から子供を引き裂き/子供から母親を裂く/乳房をくわえる赤子の/瞳をどうやって僕は見つめればいいの〉
(「カモメ」の歌詞より引用)

 長渕の「反原発」へのメッセージは、震災後、時が経っても止むことはなく、14年9月には20年来の友人でもある音楽評論家・湯川れい子氏のツイッターアカウントを通し〈長渕さんから嬉しいメールが来ました。個人的な私信なのでご紹介は出来ないけれど、「美しい支那海を想い、故郷を思うと、今のままの川内原発の再稼働は許せません!」って。やっぱりそうだよね〉というコメントを発表。

 また、15年7月19日に出演した『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、安保法制への危機感を表明するのと同時に、〈戦後復興後、高らかに我々は生きてきましたけど、そのなかに負の遺産はありました。負の遺産を残しておきながら、そのことにきちっとケリもつけないくせに、次のこと(引用者注:安保法案のこと)をやっていこうとする俺らの大将、ちょっと違うんじゃない?〉とも語り、「負の遺産」という言葉を用いて、原発対応に積極的にコミットする姿勢を見せず、それどころか再稼働まで強行する安倍政権を批判している。

 一方の柳美里。彼女にとって福島は母の故郷であり、もともと浅からぬ縁だったと言う。そんな被災地に柳美里が足を踏み入れたのは、11年4月21日。22日午前0時をもって原発から半径20km圏内が「警戒区域」に指定される直前のことであった。

 その後、彼女と被災地との関わりはどんどんと濃いものになっていく。12年3月からは南相馬市にある臨時災害事故放送局「南相馬ひばりFM」で『柳美里のふたりとひとり』という、南相馬の人々と語り合うラジオ番組を開始。今でも番組の放送は続いている。

 この番組はノーギャラ。それどころか、福島への交通費や宿泊費なども完全に自腹であるらしく、著書『貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記』(双葉社)でも書かれているように困窮状態にある彼女は、借金をしてまでも滞在費を工面していたという。

 そして、15年4月からは家族そろって南相馬市に移住。今後はラジオ番組や執筆のみならず、現地で劇団を旗揚げするなどの活動も行う予定だ。

 以上紹介してきたように、机上で綺麗事を語ってきただけでなく、実際に被災地に身を置き、"行動"を通して復興・脱原発といったメッセージを発信し続けてきた。

 その二人が、昨年末に出版された長渕剛のムック『長渕剛 民衆の怒りと祈りの歌』(河出書房新社)で原発をテーマに対談しているのだ。二人はいったいどんな言葉を語っているのか?

 まず長渕は、震災によってこれまで信じてきた価値観がまるっきり転倒してしまったと語る。

「僕は1956年生まれなんですけど、特に震災を機に、自分が何も知らなかったと打ちのめされた」

「戦後復興の過程で僕らを洗脳していた教育は「強い者になりなさい」「人を蹴落としてでも勝ち上がりなさい」「お金を持たなくてはいけない」というものでした。それがあの震災でストンとやられた。教育や価値観というものが根底から断ち切られてしまった。今でも実は迷っています。その恐怖がここにあるんです。だから僕は恐怖を表現に変えなくてはいけない」

 柳美里も長渕と同じく、震災を機にこれまで自分たちがもっていた価値観に疑問を抱くようになる。そのきっかけは、南相馬の人々との触れ合いであった。

「敗戦から高度成長期にかけて、大多数の幸せと豊かさを追い求めた結果、経済至上主義に陥り、真っ当に働き、慎ましく生きていた人たちの暮らしを壊し汚してしまった──、それが原発事故です。南相馬には、儲けを二の次にして、真っ当な仕事をしている人が多い。そして、その仕事や暮らしに誇りを持っているんです」

 我々は経済的な豊かさと引き換えに福島の人々に犠牲を強い、果てには、取り返しのつかない事故を起こしてしまった。そして、そんな犠牲を強いられたのは「人間」だけではない。長渕は前述の「カモメ」を生むきっかけともなった、浪江町の牛たちとのエピソードを振り返る。

「あそこに行った時が本当にひどかった。雪が降っていた。無音で、時が一瞬止まって、心臓が止まるかと思った。静寂の中にこそ真実の音がある、僕はそう感じる。静音になった瞬間、次に聞こえてくるものが、真実の音。野良牛が駆けてくる音、息の音がする。目と目で対峙すると、もう5~6秒見ていたかと思うと、野良牛が踵を返してバタバタバタッと逃げていく。そうすると子牛が後をついていく。

その姿を見ただけでも恐怖が先にたった。涙が出るという代物ではなかった。さらに奥に行くと、役場のおじさんがいて「見ていくか」と言う。「何ですか」と訊くと、「墓場だよ、墓場。牛の墓場だよ。今日もこれで殺してっから」と言う。(中略)「見せてください」殺された野良牛たちがあっち向いたりこっち向いたり。縦7メートル横15メートルの墓穴に幾重にも重なっている。薬殺された牛、白骨化したり腐敗した牛が断末魔の叫びを上げている。それはインドで見た名もない死人とは違う。死をまっとうした生き物の姿ではない。僕は震えた」

 柳美里もまた、長渕と同じように動物たちについて語る。

「今年の10月1日に福島第一原発の構内に視察に行ったんですが、汚染水タンクの上にカラスがたくさん止まっていました。カラスは自分たちが被爆していることを知らずに、あそこで餌を取り、水を飲み、巣を作り、子育てをしているんです」

 さらに二人は生き物だけでなく「土」にも着目し、この事故によって失ってしまったものの大きさを語る。この夏、音楽業界の話題を独占した「長渕剛10万人オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」でも披露されている新曲「富士の国」には〈「家族」という土を踏みならして生きてきたんだ〉という歌詞があるが、長渕はその歌詞についてこう発言している。

「土にこだわったと思います。土はもともと誰のものでもないということですね。白人たちがインディアンたちの土地を収奪する時代に、酋長がその国の代表者に宛てた手紙を読んだことがあるんです。これは涙が出ました。言葉で言うと稚拙ですけどね。

「土地は誰のものでもない。なぜそれを追い払おうとするのか」という、嘆願書みたいなものです。その手紙を見たのと、震災の後にあの土地に入った時の悪寒や恐怖感、おかしいと思ったこと、そういったものが総合的に「富士の国」の歌詞に入ったんだと思います」

 長渕が語る「土」に対する思い。それは実際に南相馬に居を移し、生活のリアリティを実感している柳美里にとっても同じものだった。

「福島県民にとって土が損なわれた、というのがやはり一番大きな問題だと思います。除染では、4、5センチの表土を削るわけですが、その厚さに作物にとって必要な養分が入っている。表土を削り取ると、有機物が欠乏した痩せた土壌になってしまう」

 事故によって土は汚され、動物たちも犠牲になった。そして、もう故郷に帰ることができない人々を大量に生みだしたのにも関わらず、8月には川内原発が再稼働。この動きはさらに他の原発にも波及しようとしている。

喉元過ぎれば熱さ忘れると言うにはあまりにも短い。3.11からまだ数年しか経っていないのにも関わらず、この国はまた悲劇を生み出そうとしている。そんな状況に長渕はこう怒りをぶちまける。

「自国にプライドを持ちたいという気持ちが皆ある。だけど国は嘘をつく。僕たち民衆はいつも国家に裏切られる」

 富士山麓オールナイト・ライヴではオーディエンスによって日の丸が振られ、ネットで拡散されたその写真は「カルト」と揶揄されたりもしたが、柳美里は旗が振られている様子を見てこのように感じたと言う。

「日の丸の振り方に仰天しました。(中略)富士オールナイトライブで振られた日の丸は、日本が自国の国土と国民を蔑ろにしている、という憤怒と抗議によって振られたものなのですね」

「ファシストはあんな風に前後に、拳と一緒に突き上げるようには振らないですよ。戦時中に出征兵士を見送る時や、ヘイトデモでは左右にパタパタひらひら振っている。富士ライブでの旗の振り方は内心からのストレートな怒りを表現している。他国の国旗でも、あんな風に振られたのは見たことがない」

 福島で起き、そして今でも現在進行形で起きている悲劇を、自ら被災地に飛び込むことで理解しようとした長渕剛と柳美里。私生活での毀誉褒貶とは関係なく、この思いはしっかりと受け止めるべきだろう。(新田 樹)


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