札幌市生徒指導研究協議会

札幌市教委主催の会議が行われた。私は、この会議にフリースクールの関係者として「パネリスト」3人のうちの一人として参加した。参加者は350名ほどか。ほとんどが札幌市内の小中学校の教頭とか生活指導担当者などの「不登校対策」の重要な立場の人のよう。
札幌市のスクールカウンセラーのOさんが「事例研究」としてある小学から中学に進学した女子のケースを報告した。
この研究協議会は「不登校の早期発見」「早期対応」というおきまりのテーマである。

子どもの居場所、相互の連携の可能性を考えるというのが討論の柱であったが、私は2度目の発言を次ぎのように行った。
「すべての子どもにとって、すべての学校が本当に心休まる居場所にすることなどできるのか、を率直に考えたい」こと、「不登校の子どもも含めて今の多くの子どもたちが自信を失い自己肯定の意識をなくしていることを見たときにこの回復をしっかり考えたい」「フリースクールに子どもを送っている学校の先生方は、例えばフリースクールで行う卒業式などにお祝いのメッセージの一つもくれないのはなぜなのか。連携のそもそもの出発点を軽視していないか」といった3点を強調した。

フリースクールに来る子どもたちは、すなわち不登校の子どもたちは「今の学校がなじめない。大世帯で人間関係が厳しくしかも勉強も難しいことから『居場所』にするにはあまりにも難しいことを見て欲しい」、であればフリースクールに来る子どもに対して「学校に戻れ」ということは妥当なのか、を冷静に考えて欲しい。などとつけ加えた。

話しているうちにちょっと気持ちが高ぶってきた。「学校の先生であれば自分の学校に戻ってこい」というのは当然ではないか、という。これに対してもう少し説明をしたかった。「それはそれであり得るでしょう。であればフリースクールに来る子どもが『在籍校』に戻るときにフリースクールにまた戻っておいでよ、と呼びかけることだってあり得ることを理解して欲しい」と。

スクールカウンセラーの先生が詳細に生徒への対応を説明した。しかし私は「そういうことなら私たちは20年近い期間ずっとやってきました」などということもつけ加えたが…。

同じフロアで率直に意見を交換しあえることの意味は非常に大きいものがあると今の時刻になってあらためて思う。
会が終わってから、ある女の先生から「先生の話、非常に感動を受けました。これを聞いて今日参加してよかったと思っています」と涙ぐみながら感想を言ってもらったが私も「分かってくれる先生がいるのだ」と感動した。

また、元不登校の母親が「私の身体はガン細胞にむしばまれているが、先生が昨日深夜に帰宅して今日のこれに参加すると聞いたので来ました」と聞かされてこれまた驚き。

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