Jun日記(さと さとみの世界)

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交際(ミルと初子の場合)、7

2017-01-24 20:51:21 | 日記

  如何したんだろう?

ミルは思う。

今日の元教授はおかしかったなと思うのである。

確かに風邪を引いたとは言っていたけれど、何となく妙だった気がする。

それとも、変だったのはあの挨拶文のせいなんだろうか。

ミルは首を傾げる。

 自分では良い出来だと思ったのだが、やはり地球人にすると何か変なんだろうか。

ここまで万事うまく行っていたと思ったのだが、何だか一抹の不安を覚えるミルであった。

こういう時は上官であるチルに相談するに限る。

ミルは宇宙船に戻ると、即チルの部屋を訪ねた。

 「交際申し込みの時の挨拶文を作成しましたが、これで良いかどうか確認していただけますか。」

うむ、とチルは快く直ぐに応じてくれた。

早速チルの目の前で文を読み上げるミル。今までかなり練習しただけに、堂々とした物言いである。

チルはほぅという感じだった。

が、ミルの隙を見てニヤリとした。

 「ま、それで良いんじゃないか。」

にこやかにチルにそう言われて、漸くホッとしたミルである。

どうも教授に感じた違和感は杞憂であったようだ。

知性派のチルに確認してもらい、本当に良かったと思う。

これで自信が持てたミルである。いよいよ明日は本番だ。

ミルは何だかドキドキして来た。

 これで万事事無しと、ミルが部屋から出て行くと、チルはまたにやりとした。

さてさて、ミルにはああ言ったもののとチルは思う。

少々時代ずれしているんじゃないか、と呟くと苦笑してしまう。

まあ、こっちで何とかしておいてやろう。そう言うと早速準備にかかった。

 ここは地上の初子の家、電話のベルが鳴る。

 何時もの様に初子の父が受話器を取る。

 「ああ、はいはい鷹夫君のお祖父さんでしたね、」

初子の父は丁寧に応じる。

富士雄を目上の人と思うと尊敬の念が湧くし、孫の為に一肌脱いでいる祖父と思うと、労りの気持ちも湧いてくる。

お元気ですか?お幾つになられますか?と、愛想よく話をつなげる。

 

 

 


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