Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

親交 47

2019-04-30 11:15:26 | 日記

 この星の夕刻、ミルは裏山の上、お気に入りの場所で1人腰を下ろして夕日を眺めていました。あの日、夕日に誓った通りミルは同期生の中で最優秀の成績を修め、その後この故郷の星を後にしたのでした。星での教育期間終了日に思いを馳せると、ミルには当時の充実した達成感が甦って来ます。そして、共に同じ学業を終了した何人かの幼馴染の顔が目の前に浮かんできます。『あの子がねぇ。』最後まで自分とトップを争っていた最優秀の女性、それはあの日自分を奮起させる言葉を残して去って行った女の子でした。

「彼女のおかげで最後まで気を抜かずに頑張れたんだなぁ。」

思わず独り言を漏らしながら、同期生に秀でた彼女がいてくれた恩恵に感謝するミルなのでした。何事に寄らず、学問であれ運動であれ、あらゆることに惜しみない才能を発揮していた彼女。その当時の初々しい若やかな顔を思い出すと、ミルは自然と目が潤って来るのでした。『あの頃の彼女が懐かしいものだ。』彼は溜息を吐きました。

 彼の帰省パーティにも顔を出してくれていた彼女でした。その場では一言二言挨拶を交わしただけで、そのまま人波に押されて離れて行ってしまった彼女でした。『もっと話したかったんだがなぁ、彼女はもう結婚していたんだな。』

「酔った勢いで変な事を口走らなくてよかった。」

彼は赤くなって俯きました。見上げると、沈んで行く夕日が昔と変わらずにしみじみとした清涼感を彼に感じさせてくれます。淡い感傷から立ち直り、漸く落ち着いた彼は暗くなる前に家に帰ろうと思いました。座り込んでいた地面から立ち上がると衣服の汚れをパタパタと落とし山を下り始めました。何心無く戻る彼は何時もの山道でぱったり彼女に出会いました。

 「あらっ。」

やあ、と驚きながら、ミルは微笑んで彼女に挨拶しました。彼がこの星にいた頃、2人はよく偶然この裏山の道で出会う事がありました。今日も出会うなんて、彼が見ると彼女は手にあの二日酔いに効くジュースの実、カウの実を袋に入れて抱え込んで持っていました。

「随分沢山摘んだんだね。」

ミルは言葉を掛けました。彼女はええと微笑みました。


今日の思い出を振り返ってみる

2019-04-30 11:14:21 | 日記
 
土筆(59)

 『こう言って置けば、考えている内に短気な気が削がれるだろう。』そうすれば自然にトラブルも減るか無くなるだろう。かつて兄一家から娘の短絡的な行為について、しばしば苦情を受けていた父......
 


 今日は何処も穏やかにですね。


親交 46

2019-04-29 10:21:07 | 日記

   祖父も祖母も共に幼馴染、長じてからも仲の良い関係そのままに結婚したのでした。祖父と祖母に限らず、この地域の住人は大抵が幼い頃からの顔馴染みと結婚すると、その終生を共にする者が多いのでした。

「お前もそろそろ結婚する女性がいる頃だろう。」

宇宙へ出て出会わなかったのかい?興味深そうに徒っぽい光を目に浮かべて祖父は尋ねました。ミルは少し顔をしかめて祖父を見ましたが、自分を見ている祖父のその顔が今まで見慣れていた紫苑さんの笑顔に重なって見えて来ます。

『向こうでは紫苑さんの顔が祖父に見えたのに…。』

こちらでは自分の祖父の顔が彼に見えるのですから、ミルは不思議な事だと感慨深く思いました。彼も祖父も、自分の事を親身に思い気遣ってくれるからだろうか。そんな事を考えて物思いに耽っているミルに、祖父は誰か女性の事を考えているのだと推察したのでしょう、こう孫に声を掛けました。

「それで、お前が思いを寄せる女性はどんな子なんだい?。」

えっ、ふと我に返ったミルは祖父の顔を瞬きして見詰めると、どんな子ってと、しどろもどろになり掛けて突然地球人のうら若い女性、そのはにかんだ笑顔を思い浮かべました。

「ハ、は、は、…」

笑いとも何ともつかない声を出しながら、はははははと笑ってごまかすミルなのでした。「未だそこまでは考えていないんだ。」伏し目がちに答えたミルは、その女性との交際がうまく行ったら、必ずお祖父ちゃんにも話すからと祖父に約束するのでした。

「うまく行ったらね。」

一寸しんみりとした笑顔のままでミルは言葉を切りました。


今日の思い出を振り返ってみる

2019-04-29 10:16:09 | 日記
 
土筆(58)

 「ひょっとこってお面の?」あんな変な顔に私が似ているなんて…、『酷いわ!』。 当然彼女は嫌な感じがして内心穏やかでは無くなりました。彼女が生まれてから知った「おかめ」「ひ......
 


 ふっくりとした下膨れ、おかめ顔は昔の美人と言いますね。連休も酣になりつつあります。


今日の思い出を振り返ってみる

2019-04-28 11:26:32 | 日記
 
土筆(57)

 「やーめた。」『誰のせいで仲良しのあの子と喧嘩する事になったんだか。私が、物の分かったこの私が、仲のいい、親友のあの子と揉める事になったのは、元はと言えばあんたのせいだろう。......
 

 みんな連休を楽しんでいるのだろうなぁ。と、溜息。特に予定が無いし、家でのんびりです。お陰で集中して作品に取り組めそうです。