議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

木くず、木パレットが産業廃棄物に

2006年01月25日 20時05分47秒 | ニュースクリッピング
 新年のご挨拶の記事でも軽く触れましたが、木パレットが産業廃棄物になる方向性で検討が進みそうです。下記の記事をご覧ください。

政府、廃棄物の区分見直しへ・リサイクル促進狙う
 (1月21日の日経夕刊にも同じ記事が載っています。)

■事の背景□■
 木くず、紙くず、繊維くず等は、特定の業種から排出されるのでなければ、事業活動に伴って排出されていても、一般廃棄物となります。

 つまり、廃棄物処理法施行令で「産業廃棄物の木くず」の定義を定めていますが、ここで記載されている業種から排出されたものに限って産業廃棄物になるとのことです。逆に言うと、これ以外の業種から排出される木くずは産業廃棄物ではない=一般廃棄物になるということです。(産業廃棄物でない廃棄物は全て一般廃棄物となります)
*****************
【施行令第2条第2号】 産業廃棄物
木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業及び輸入木材の卸売業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
*****************

 記事にも書かれているとおり、木くずのリサイクル技術を持つ一般廃棄物業者が少ないのがその理由のひとつです。しかしもうひとつの理由は(違法状態であることもあり、記事には書かれていませんが)一般廃棄物の処理を担う市町村が木くずを処理できないため、産業廃棄物として処理しているという実態があります。


・・・申し訳ない気分ですが・・・
 産業廃棄物扱いしている排出事業者さんに、一般廃棄物の業者さんを探したほうがよいと散々アドバイスしてきましたので、少し申し訳ない気もします。しかし排出事業者さんは、無駄だったと思われる部分もあるかもしれませんが、結果的にはそれでよかったとの感想を抱かれるのではないでしょうか。


・・・しかし・・・
 ほとんどの中小企業の方は、費用負担が増えるということで困られると思います。そもそもこの類のものは産業廃棄物とすべきなのかもしれませんが、突然の費用増加になる可能性があります。これで喜ぶのは、現状産業廃棄物扱いしている、若しくは産業廃棄物扱いしてでも再資源化率を増やしたいと思っている、大企業だけかもしれません。
 どのような改正内容になるのか、詳しいところは報じられていません。産業廃棄物としても扱える、という選択可能な方法になるのが一番よいと思いますが、どうなるのでしょう。経過措置も含めて今後の動向に注目です。

 みなさん、パブリックコメントが出てきたら沢山意見を出しましょう。

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marinesさん

尾上さん

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