議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

プラスチック新法用語集

2021年03月10日 08時05分13秒 | プラスチックリサイクル
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
 本ブログはメルマガでも配信しています。
2017年8月からは、配信方法を変更しています。変更手続きを
されていない方、お手数ですが下記の通り新規お申込みと同じ
手続きをお願いします。
 お申込手続きについてはこちらをご覧ください。
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

皆様こんにちは。

プラスチック新法が閣議決定されましたが、お読みになったでしょうか。

正式名「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」
略称「プラスチック資源循環促進法」
その他「プラスチック新法」、「プラ新法」などと言われていることも
ありますね。

閣議決定
条文

新しい言葉がジャンジャンでてきていますので、
簡単ですが用語の定義+コメント/解説をまとめました。
定義は条文引用をメインで、ややこしいのは少々編集しています。
また、あまりに細かいのは省いています。

用語の全部は紹介はしていませんし、まとめかたが大雑把だったりするため、
β版といったところですが、十分参考になるはずです。

また、用語をまとめている形式ですが、これを読んでいけば法律の大枠が
分かると思いますので、ご参考ください。

<第2条>

■プラスチック使用製品
=プラスチックが使用されている製品
堀口→プラスチック”だけ”が使用、ではないところがポイント。
他のものが入ることは想定しているようです。

■使用済プラスチック使用製品
=一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたプラスチック使用製品
堀口→廃棄物とは限らない、ということですね。

■プラスチック使用製品廃棄物
=使用済プラスチック使用製品が、廃棄物になったもの
堀口→上記の「使用済み〜」が廃棄物の場合ですね。

■プラスチック副産物
=事業活動に伴い伴い副次的に得られるプラスチック
堀口→産廃or有価の廃プラですね。

■使用済プラスチック使用製品等
=使用済プラスチック使用製品又はプラスチック副産物
堀口→上述のものをひっくるめた総称です。

■再資源化
=使用済プラスチック使用製品等の、全部又は一部を部品又は原材料そ
の他製品の一部として利用することができる状態にすること
堀口→仮に有価売却できなくても利用できれば良いのでしょう。
下記の再商品化と違い、製品が熱回収目的の場合については触れられていません。

■再資源化等
=再資源化及び熱を得ることに利用することができる状態にすること
堀口→再資源化と熱回収の総称です。

■分別収集物
=市町村がプラスチック使用製品廃棄物について分別して収集することにより得られるもの
堀口→要は、プラスチック使用製品を市町村が集めたものです。

■再商品化
=分別収集物を製品(熱回収の場合は条件あり)の部品又は原材料として
利用する者に有償又は無償で譲渡し得る状態にすること+リユース
堀口→市町村回収品については、再商品化と言っています。
再資源化とは違う用語です。再商品化は熱回収が含まれうると読めます。

■プラスチック使用製品産業廃棄物等
=プラスチック使用製品が産廃になったもの+プラスチック副産物
堀口→通常、企業が排出する廃プラで有価物も含んだもの、ということでしょう。

■排出事業者
=プラスチック使用製品産業廃棄物等を排出する事業者
堀口→上記の、廃プラ+有価プラの排出事業者のことです。
法律で「排出事業者」という言葉を使ったのは初めてではないでしょうか?

<第3条>

■自主回収
=自ら回収し、又は他人に委託して回収させること
堀口→回収を委託することも可能です。

<7条>

■プラスチック使用製品製造事業者等
=プラスチック使用製品の製造、及び専ら設計を業として行うもの
堀口→設計だけをする会社も含まれるのがポイント

■プラスチック使用製品設計指針(以下、指針)
=資源循環のために、プラスチック使用製品製造事業者等が講ずべき措置に関する指針
堀口→プラスチック製品の設計指針です。どこまで突っ込むのでしょうか。

<第8条>

■設計認定
=プラスチック使用製品の設計についての認定
堀口→指針通りの設計かの認定です。

<第9条>

■認定プラスチック使用製品製造事業者等
=設計認定を受けたプラスチック使用製品製造事業者等
堀口→設計認定を受けた事業者のこと。色々義務が生じます。

<第10条>

■認定プラスチック使用製品
=設計認定にかかるプラスチック使用製品
堀口→つまり、認定を受けたプラ製品です。

<第11条>

■指定調査機関
=長いので引用は省略
堀口→設計認定の調査機関のことです。大臣の認定ですが、指針に適合しているか
どうかの調査をこの「指定調査機関」に委託することが出来ます。
外郭団体の独占業務というより、誰でも申請で指定を受けられるようです。

<第28条>

■特定プラスチック使用製品
=商品の販売又は役務の提供に付随して消費者に無償で提供される
プラスチック使用製品(容リ法対象品は除く)
堀口→プラスチックのスプーン、ストローなどですね。

■特定プラスチック使用製品提供事業者
=特定プラスチック使用製品の使用の合理化を行うことが特に必要な業種として
政令で定めるものに属する事業を行うもの
堀口→特定の業種を政令で定め、別途(44条)定める使用の合理化のための
判断基準を適用するようです。

<第30条>

■特定プラスチック使用製品多量提供事業者
=提供する特定プラスチック使用製品の量が政令で定める要件に該当するもの
堀口→多量に提供している事業者。判断基準より著しく不十分な場合、
勧告→公表→命令されます。

<第32条>

■指定法人
=容器包装再商品化法第二十一条第一項に規定する指定法人
堀口→容リ法の指定法人=公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会(容リ協)
を指します。

■再商品化の委託
=市町村は、分別収集物(プラスチック使用製品を市町村が集めたもの)
の再商品化を指定法人に委託することができる。
堀口→つまり、市町村が集めたプラスチック製品は、容リ協に処理委託されます。
実際には容リ協からさらに再商品化事業者に委託されます。いわゆる、容リプラと
その他の製品/資源プラスチックの一括回収の話です。

<第35条>

■認定再商品化計画
=再商品化計画が~に適合するものであると認めるときは、その認定をする
堀口→少々複雑なので説明を省きますが、市町村が作成した再商品化計画
の認定(=容リ法に適合)制度です。市町村と再商品化事業者間での
業務分担の合理化を可能にしたということです。

<第39条>

■自主回収・再資源化事業
=製造、販売し、又はそれらに付随して提供するプラスチック使用製品
(合わせて再資源化を実施することが効率的なプラスチック使用製品を含む。)
の再資源化のための収集、運搬及び処分の事業
堀口→自社が製造販売、無償提供したプラスチック使用製品が使用済となった
ものの運搬や処分のこと。目的を再資源化(=熱回収を含まない)に限っています。
広域認定とは異なり、自社品に無理に限定しないようです。

■認定自主回収・再資源化事業者
堀口→自主回収・再資源化事業の認定を受けた事業者。認定を受けると、
廃棄物処理法の許可を受けずに、一般廃棄物+産業廃棄物の収集運搬、処分業が
可能となります。

■認定自主回収・再資源化事業者の委託を受けて実施する者
堀口→認定申請で委託先として含まれた者。これも、廃棄物処理法の許可を受けずに、
一般廃棄物+産業廃棄物の収集運搬、処分業が可能となります。

<第44条>
■プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出事業者の判断の基準
=プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等を促進するために
取り組むべき措置に関し、当該排出事業者の判断の基準となるべき事項
堀口→プラスチック廃棄物の3R推進のための考え方です。

■多量排出事業者
=排出事業者であって、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量が政令で
定める要件に該当するもの
堀口→廃棄物処理法の多量排出事業者とは別です。上記判断基準に照らし取組が
不十分な場合は勧告、命令も出されます。

■加盟者
=定型的な約款による契約に基づき、特定の商標、商号その他の表示を使用させ、
商品の販売又は役務の提供に関する方法を指定し、かつ、継続的に経営に関する
指導を行う事業であって、当該約款に、当該事業に加盟する者
堀口→引用ではわかりにくいですが、いわゆるチェーン店の加盟店のことで、
ここから排出される量も含めて、上記の多量排出事業者に該当するかどうかを
計算することになります。

<第48条>
■再資源化事業計画
=プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化のための
プラスチック使用製品産業廃棄物等の収集、運搬及び処分の事業の実施に関する計画
堀口→この計画の認定を受けることで、計画内の運搬、処分の業許可が不要となります

<第48条、49条>
ここはなかなか読みにくく、つまりは上記の「再資源化事業計画」の認定を受けることが
できると第49条でいう「認定再資源化事業者」になるのですが、認定を受けられる者として
第48条の第1号と第2号の2パターン提示がされています。

■認定再資源化事業者(第1号の排出事業者版)
=自らが排出するプラスチック使用製品産業廃棄物等について再資源化事業を行おうとする排出事業者
(当該プラスチック使用製品産業廃棄物等の収集、運搬又は処分の全部又は一部を他人に委託して当該
再資源化事業を行おうとする者を含む。)
堀口→自社のプラ製品についての認定で、運搬も処分(リサイクル)も他社(業許可不要)委託できます。

■認定再資源化事業者(第2号のリサイクラー版)
=複数の排出事業者の委託を受けて、これらの者が排出するプラスチック使用製品産業廃棄物等につい
て再資源化事業を行おうとする者(当該プラスチック使用製品産業廃棄物等の収集又は運搬の全部又は
一部を他人に委託して当該再資源化事業を行おうとする者を含む。)
堀口→リサイクル技術を持つ者が、複数の排出事業者から受託するのですが、運搬のみ他社委託できますが、
処分(リサイクル)については他社委託ができないので、自社で実施になります。つまり、商社のような
形では認定を受けられないようです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
合間を見てまとめていたのですが、思ったより量が多くなり、
時間がかかってしまいました。

政省令がでていませんので、本当の詳細はわかりませんが、現時点で
分かる範囲についてまとめました。

さらに条文を読み込んで、実際の現場でどのように応用できるのか考え、
図解した資料を作ってはいるのですが、合間を見てできる作業ではなく。
本業の一貫でスライドの形式で作成し、提案ツールとして使っています。

提案して欲しい!!という方は、お問い合わせください。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする