議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

廃プラの保管量2倍緩和措置について

2019年06月28日 09時11分26秒 | ニュースクリッピング
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皆さんこんにちは。


既にご存知の方も多いと思いますが、環境省が優良認定業者の
廃プラの保管上限を2倍に引き上げる方針です。

日経新聞記事 廃プラの一時保管量2倍に、不法投棄防ぐ 環境省
こちら


パブコメも出ています。


パブコメで上がっている省令案はこちら


■効果のほどは??
さて、保管上限を上げても、50%勾配の基準の緩和や、
保管場所として申請しているエリア以外での保管を許容する
必要がありますが(変更申請を出させるのかも?)
それよりなにより、そんなに場所がある処理業者って
そんなにあろうはずもなく。
特に大変な関東圏周辺ではなおのこと。

残念ながら、既に保管上限を超えて保管している業者が多く、
優良認定業者が若干多めに保管出来たところでたかが知れて
います。


■危機意識にある意味逆行
雑品の保管基準は、火災対策のために5m上限やひと山200㎡制限を
作ったばかりですが、
今度は産業廃棄物の保管上限を2倍に緩和するのですから、
火災対策とは逆行しています。
ただでさえリチウムイオン電池の混入が増えているのに、
2倍の大きさの山で火災が起こったら、消火が大変でしょうに。


何もやらないよりはよいですが、その点では先般の市町村焼却炉
での焼却要請も同様です。「ある弾は全部撃つ」ということかも
しれませんが、どちらかというと「藁をもつかむ」、に近いですね。

環境省の努力は高く評価していますが、
排出~中間処理~最終処分に関わる業界関係者としては、
それだけ状況が悪いという認識を持たなければならないでしょう。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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あちこちで記事を書いていますが、動きが急すぎて書いた記事が
あっという間に古い内容になってしまいます。

風雲急を告げていますね。
コメント
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