議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

無料で販促??もう一つの、プラスチック使用製品の店頭回収・再資源化

2021年05月21日 11時45分04秒 | プラスチックリサイクル
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皆様こんにちは。

プラスチック資源循環促進法の中の認定制度の一つに、
「再商品化事業計画」の認定があります。

 (再商品化=容器包装リサイクル法の用語、
 有価又は無償で譲渡できるような状態にすること。)

容器包装リサイクル法の枠組みの中で回収する容器や包装類に加え、
プラスチック使用製品を一緒に集める場合の認定です。
よく容リプラと製品プラの「一括回収」などと言われている方法です。
この認定は市町村が受けるものですが、実際の回収やリサイクルを民間事業者が
請け負うこともあり、市と民間事業者の協議が各地で始まっています。

ところが、軟質の容リプラと、硬質の製品プラを本当に混合して回収すると、
軟質を前提として設計してきた容リ対応のリサイクル施設では回収効率が
低くなってしまいます。

そのため、せっかく新法を作って一括回収できるようにしても、
「製品プラスチック」という分別区分をもう一つ増やして、製品プラスチックが
得意なリサイクル業者に委託する(=特に新法の制度は不要)方法が広まる
かもしれません。
その回収ルートとして、一般消費者の近くに接点を持つ、比較的大型の小売店が
注目されています。GMS、ショッピングモール、SPA(製造小売業)、ホームセンター
もしかしたらドラッグストア、などが考えられます。

前回紹介した自主回収の話と同じではないかと思われるかもしれません。
しかし現場作業はほとんど同じですが、スキームは全く違います。

前回の話はあくまでメーカや販売店が自主回収の認定を受ける形です。
市町村は無関係です。
今回は、市町村が主体となる回収で、回収拠点として店頭が使われる、
ということです。単なる場所貸し、と言ったら良いでしょうか。
ワクチン接種場所を民間の施設が自治体に貸しているのと似たようなものです。

ワクチン接種者に割引券を配布するのと同様、お店側としては販促に
つながります。壊れてしまったプラスチック製品を買い替えに行くついでに
廃棄もできる、それもリサイクルになるのであれば、消費者の方は喜んで
持って来るのではないでしょうか?
しかも、場所を貸すだけで、その後の運搬やリサイクル費用は市町村が負担
する、又は価値の高いものを回収できれば、リサイクル業者が無償で
引き取ってくれるかもしれません。

という話が少しずつ始まっています。
来年は、あちこちでプラスチック製品の回収がされているかもしれませんよ。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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今回のテーマも、現場でまだ始まったばかりです。

「来年は〜」などとうそぶいてみましたが、どうなるか楽しみです。

具体的にご興味がある方は、お気軽にお声がけください。
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