幾度となく日本人プレイヤーが挑んでなし得なかったメジャータイトル。我らが郷土の誇りである松山英樹が、日本人として初めてのメジャータイトルをオーガスタの地で奪取した。この数年の不調を思うとよもやとしか言いようが無い。今年もマスターズゴルフに10年目のチャレンジ、今年の不調が噓のような出来で楽勝で予選通過。三日目の決勝ラウンドでは途中のサスペンデッドに遭遇しながらも4打差首位で最終日を迎える快挙。
昔、パソコンのゴルフゲーム「遥かなるオーガスタ」で遊んでいたことを思い出したコースの風景だった。本当に日本人にとってメジャータイトルの難しさ、取り分けオーガスタのマスターズは「遥かなるオーガスタ」だった。
四つも差があれば楽勝とは言わないが三日目みたいに冷静にプレー出来れば悲願達成を感じさせた。だがプロといえどもゴルフは、そう簡単な物では無かった。アウトの出だしこそつまずいたが９ホールは順調に見えた。ここで勝てるがよぎったのか恐怖がよぎったのか、バックナインは綱渡り状態だった。さすがに表現がプレッシャーていうかのか重圧っていうか、間違いなくボールが飛びすぎてきた矢先に、池ポチャでよもやの同じ組のシャウフェレ(米国)に追いつかれそうになった時は万事休すを感じ、ここまでかの思いだった。
ところが追いつけそうになって事で相手のほうが冷静を欠いたのかプレッシャーを感じたのか明らかに焦った感があった。シャウフェレが16番で池ポチャ、アメリカ人でもメンタルが出るとは、ここで逆に松山のほうが冷静が戻ってきたような気がする。まったく運が、如何に大事かをゴルフでは、やってみて体感できる気がする。あれがタイガー・ウッズのような百戦錬磨の選手だと間違いなく逆転されていた。本来熟練なら4打差もあれば楽勝で勝つのであろう。何と言っても松山にとっては初めての感情を体験しているの産みの苦しみであったはず、必ずやこれが今後に生かされて行くであろう。