女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

「べき」に感じる違和感

2021-11-09 | 日記

中村です。


朝の情報番組で「上司が部下に」あるいはデートの際「男性が
女性に」ご飯を奢るべきか否かという議論がなされていた。

様々な意見があり、

・人に払ってもらうこと自体が好きじゃないから(相手が誰か
 に拘わらず)自分が払いたい
・相手の女性に好意がある場合には積極的に払いたい


と個人の考えを聞いているうちは何ら違和感は感じなかった。


で、


そのうちきっとくるだろうなぁ~と思っていたタイミングで、


きたきた(出た出たというべきか…)


・先輩だから、男性だから払わないといけないという価値観は
 古い


という考え方。「古い」「新しい」という区分にも違和感ある
けど、昭和世代の古い私も、払わなければならないという価
値観で払ったり払ってもらったりしている(していた)わけで
はない。


私自身は誰かと一緒に食事をする際、性別に関わらず相手が目
上(年齢だけでなく役職や立場も含めて)の場合ご馳走になる
ことが多く、目下の場合自分が支払うことが多い。ただし、自
分から誘った場合は自分が払うし、毎度毎度ご馳走なるのはど
うかと思うので、何回かに一度は自分払ったり差し入れするよ
うにすることが多い。


ただ、(自分が)「払わなければならない」「払うべき」とい
う義務感ではない。組織に属するようおになって以降現在に至
るまで、いろんな先輩、上司や協力先・客先の社長他目上の人
達からご飯やお酒をご馳走になってきた。で、年齢的にも立場
的にもそれなりになった現在、


今度は自分が返す番だよね


と認識しているに過ぎない。


このことを意識するきっかけになったエピソード。
~以下、ちょっと長くなりますが…


私がまだビジネス社会における小娘だった頃のこと。
当時自分が企画したセミナーの講師をお願いする女性を探して
いた。セミナー内容は、このブログタイトルにあるように、女
という「性」を捨てず、甘えずキャリアアップするために必要
なマインドや心構えを説くもの。


「ほんまに集客できるんかぁ~と渋る上司を


「大丈夫です。必ず集客します。任せてください


と説得して企画を通したものの、当時自分の周りに「この人に
是非お願いしたいと思える女性はおらず、


どうしよう


ヒントを求めて大型書店の女性のキャリア開発関連本コーナー
でそれらしきタイトルの本を手に取るも、中身は「いかに自分
を魅力的に装うか」「いかに上司やお客様に対する印象を良く
するか」などが多く思い描くイメージではない。

そもそもこのセミナーは、男性社会と言われていたビジネス社
会で、女を捨てて髪振り乱して働くのはいや。だからと言って
女に甘えて周りに媚びて働くのも違う。凛としてカッコ良く働
きたい。でもちょっと頭打ち…。そんな当時の自分のような総
合職女性達に、ガツ~ンとくる辛口のものにしたい。


ついに見つけた一冊


・上手くいかない原因を世間や周りのせいにするな
・しっかり地に足をつけて働きなさい
・世間は甘くないわよ
と頭でっかちになりがちなキャリア志向の女性に喝を入れる内容。



これ、これ。まさに私が欲しかったテイスト


本の裏表紙の著者紹介欄にあった社名らしき連絡先にダメもと
で電話すると、まさかの本人が電話に出た。

そこで、セミナー講師を依頼したい旨伝え翌週東京で会っても
らう約束をした。その後、その女性が大手出版社からマニュア
ル本を出すような業界では著名な講師で講師料も安くないこと
が判明し、勢いで会ってもらうことになったけど


自分が企画した内容で引き受けてくれるだろうか
十分な講師料が払えないけど引き受けてくれるだろうか


不安大。気持ちをぶつけるだけぶつけてみようと覚悟を決めて
待ち合わせ場所に…。そして、セミナーを通じて伝えたい想い
や講師料が〇万円しか払えないことを正直に伝えた。


と、その女性は、


「私にとっても興味のあるテーマだから、無料でもいいんだけ
ど、そういうわけにもいかないでしょうから〇万円でお受けし
ます


と私が提示した金額よりかなり安い金額で快く引き受けてくれた。
※その後定員数いっぱいの受講者を集客し、セミナーは大盛況。
 だったことを付け加えておきます。

たまたま手にした本の著者だった女性講師は話し方や雰囲気は
イメージ通り。この人ならきっと良いセミナーになるはず…。

ほっとしていた私に、その女性は

「中村さん、時間ある?お寿司行こうっか」

と高級そうなお寿司屋さんに連れて行ってくれた。
初対面でいきなりそれも破格の料金でセミナーを引き受けて
くれた…。せめて食事代くらいは自分がと思うもののどれく
らいの金額になるかわからない。こんなことになるなら「も
うちょっとお金おろしておくべきだった…」とお勘定の場面
で少々ビビりながら「私にお支払いさせて下さい」と言った
(であろう)私。


と、


「ここは私担当。あなたがそれなりに稼いでビビらなくても払
 えるようになったら、(私じゃなく)今のあなたのような人
 に返してあげて」


ときっぱり。


やられた、やられました~っ


ややもすれば上から目線に聞こえてしまうそんなセリフをサラ
リと言えるなんて


かっこいい


同時に、私も稼げるようなってこんなセリフを言えるようにな
りたいと思った。


その後もいろんな人にいろんな場所で食事やお酒をご馳走になっ
り、ご馳走になっただけでなくその場でしか聞けない貴重な話を
聞かせてもらった。


そろそろ自分が返す番。自分がしてもらってよかった・嬉しかっ
た・有難かったと思うことを返す。それは決して義務感ではなく、
感謝の気持ちから生まれる自然な行動。


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