いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

伊藤之雄、『伊藤博文』

2010年02月14日 12時24分24秒 | 日本事情



【プロローグ】光母子殺人屍姦事件。伊藤博文ら薩長のチンピラにいちゃんたちを見ると(直下画像参照)、光母子殺人屍姦事件の犯人をすぐに連想する。福田某少年も幕末に生まれれば、奇兵隊という愚連隊に入り、戊辰戦争に乗じ東北諸藩を荒らしまわり、思う存分人殺しと強姦に明け暮れることができであろうに。


薩長のチンピラにいちゃんたち とスメロギさま at somewhere in Sapporo.
博文は右から何番目? おいらまじわからない。教えて。
右から;スメロギさま、西郷、三条、木戸、伊藤?、???、黒田?、??? 6番目、8番目がわからない。5番目、7番目は伊藤か黒田だろう。

放火(事実)、殺人(事実)、強姦(風評)を行い、近代日本の初代内閣総理大臣となった伊藤博文はそんな長州の現在光市となっている村に生まれた。生粋の長州人だ。放火もしたし、人も殺した。

■伊藤博文さんの本ブログ登場は早い。 2005年04月13日 21時16分36秒投稿、They look just like two Gurus in drag ! 西のグル、北のグル 。なぜなら、このブログの本義は、米英・薩長を 偏愛 偏憎し、1)<おいら>と世界「像」、2)近代の成立とゆくえ、3)日帝の成立と崩壊とその後、に関心を向けることだからだ。そして何よりぐちを言い、♪~負けて悔しい~花いちもんめ~♪~とルサンチマンを発散させることにある。そのためには、伊藤博文さんや山県有朋さんの伝記はかかせない。そんな、伊藤博文さんのまとまった伝記がないことは周知であった。山県有朋も同様。例えば伝記シリーズで有名な吉川弘文館にはない。ただし、最近刊行が進んでいるミネルヴァ書房のシリーズでは伊藤も山県も刊行予定にある。

そんな状況で、先週本屋にいったら、伊藤之雄@犬好き、『伊藤博文』(Amazon)を知り、すぐ購う。週末、読んだ。伊藤之雄@犬好きは少し前『山県有朋』も刊行。ちなみに、上記のミネルヴァ書房のシリーズにおいて、伊藤之雄@犬好き(しつこいな)は『明治天皇』を担当。伊藤之雄が既に他出版社で伝記を書いた伊藤博文と山県有朋はそれぞれ坂本一登、鳥海靖が担当する予定(未完)。うーんすごい。とにかく、伊藤之雄は書ける人らしい。 なお、本書では坂本一登の伊藤博文についてなど歴史理解への疑義が書かれている。

■ちんぴら・伊藤博文さん

伊藤博文さんはチンピラである。チンピラというのは無邪気に、やんちゃに、やりたい放題。ガツンとやられて殊勝に転向。その転向の方向でつっぱしる。尊皇攘夷にかぶれ、英国領事館放火、国学者塙次郎を殺害。しかし、大英帝国の威力の前に転向。
 (ちなみに今日のちんぴらさんはバンクーバーの国母さん。橋本聖子(団長)にしばかれたらしい。神妙になっていた。典型的やんちゃ⇒ごめんなさい転移のチンピラ。ほかにリビヤのカダフィなどが相当する。そして何より大日本帝国

■元祖・偽毛唐、伊藤博文さん

大英帝国などの欧米列強文明をぱくって日本を強くすることを志向。偽毛唐路線。鹿鳴館の仮装舞踏会ではベニスの商人の仮装をしたそうである。このことは伊藤之雄・『伊藤博文』では全く触れられていない。

■伊藤博文さんの使命

博文さんの使命は日本における「憲法政治」(憲法制定と議会開設)の立ち上げと軌道に乗せること、および不平等条約の改定である。もちろん、内戦平定、国内治安維持、国境線画定(琉球処分)などは当然しなければならない。

そのためには欧米文明をぱくってきて日本を強くしなければいけない。ぱくるためには英語や西洋文明を勉強しなければいけない。

ロンドンに行った。
米国に行った。
また米国、そしてヨーロッパに行った。
ドイツに行った。

そして何より、欧米における滞在期間(たかだか総計1-2年)にかかわらず、言葉を習得しようとしたことと書籍を買い込んで日本でずーっと地道に西欧研究を行ってきたこと(がんばる偽毛唐)。

■伊藤博文さんの敵・ライバル・競争者、つまりは葛藤・軋轢相手

博文さんの伝記物語の面白さは、上記2目標を達成するため下図の面々(外国ふくむ)と、それぞれの時期に、対決または協力していくところ。伊藤が相手をただの殲滅するだけと扱ったのは西南戦争の西郷(軍)ぐらいではないだろうか。あと、本気でぼこったのは佐佐木高行ら天皇親政派。特に山県有朋との関係は緊張に満ちたもので、お互い暴発だけはやめようという黙約がひしひしと感じられる。その点、大隈重信の扱いは正面から切り捨てたり、再び協調したり、また切ったり。天皇との関係も微妙で、基本的に博文はむつひとさんから信頼を受けていたようだ。ただ、詔書の原稿を前日に明治天皇に博文が渡して、明日読んでね、みたいことをしたら天皇は激怒した。こういう風に葛藤もあったらしい。(下の図には1)葛藤・軋轢相手として黒田清隆(政敵)、井上毅(僭越な部下)、2)All Japanの下のあたりに政府官僚主義者という札(図下部の民権主義者に対抗)を書き忘れた)


▼それでも度合いの高い偽毛唐、伊藤博文

伊藤之雄の博文を評価する点は、大隈ら民権論者や伊藤毅や学者、あるいは西洋かぶれ学者の認識は憲法の移植を簡単なものと甘く見ているのに対し、博文はいささかでも日本のこれまでの文明との調和を図らないと、絵に描いた餅になってしまうという危惧を持つつ、西洋文明を"ぱくろ"うとした点;

 このように見て、井上毅はドイツの君主制を評価するが、それまでの日本の近代天皇の実態は、井上毅のいうドイツ国王のように、天皇が実質的に三大臣や参議等の内閣員を任命してきたわけではない。しかしそうかといって、イギリスのように議会が中心となって、内閣員を決めさせるわけにもいかない。
 ヨーロッパへ行って、君主・行政・議会・司法のなどの実際の姿を十分に理解した上で、日本にふさわしい憲法を創る必要があるのだ。井上毅はそんなことも理解できずに、功をあせって性急に憲法を作成することを自分に押し付けてくる。日本に合った憲法を作るということは、大変な作業なのだということすらわかっていないのか―。こんなことを伊藤は考え、井上毅を辞退させ、岩倉ら三大臣の思いつきのような憲法制定の準備を休止させたのである。
伊藤之雄・『伊藤博文』p172

▼恵まれた経験主義者・伊藤博文

博文が他の憲法案を排斥しようと理由は上記のとおり机上の空論の度合いが高いこと。それに対して博文は実際の政治での経験があるので厳しい現実を渡っていかねばばらない。そしてその渡世のために心から知識を欲したのであろう。厳しい現実に耐える知識しか博文は拾わなかったし、使わなかった、と考えられる。実用のために必死に西洋学を"ぱくった"のであろう。ただの憲法学者とは動機が違った。伊藤之雄・『伊藤博文』p321にあるように君主主権説を留学先で学んで("ぱくって")日本で信奉していた穂積八束、および穂積に同調した井上毅を遠ざけた。

■博文の政治人生は葛藤・軋轢の連続ではあったらしいが、確執のための確執といった泥沼はなさそうだ。なぜなら、伊藤博文は猜疑心の強い人間ではなく、負けず嫌いの性格ではあったらしいが明るい人間だったとのこと。伊藤之雄は「人を信じることができる人間」と博文を評価している。この性格は根暗で陰険で猜疑心の強い山県有朋とは対照的な性格であったとのこと。

■素人女は禁止

上の葛藤相手の図に奥さん、梅子さんも載っていない。博文は婚外子が多いことで有名だが、手伝い見習いの女に手を出し子供を作ったことに奥さんもさすがに腹をすえかねたのか、今後は玄人に限ると厳命したらしいということが、伊藤之雄センセ@犬好きの丹念な手紙解読からわかったそうです。いうまでもなく、伊藤之雄@犬好きは一次資料を読む人に他なりません。

●井上毅エピゴーネン、ナウ

つまらないたとえ話なんだけれど、初めて西洋に行って蛇口をひねればすぐ水が出る水道出口を見た日本人が、水道器具屋で水道の蛇口・水道出口を買って帰国。自分ちの台所の壁に穴をあけて押し込んで、蛇口をひねって、「水が出ないぞ!」と激怒したというネタは有名(←じゃねぇーよ、いか@サマ野郎が今作ったんだろうに)。

このバカを今のぬっぽん・いんてりは笑ってはいけない。ある業界でもこの10年、えげれす生まれの「独立行政法人」という制度をぱくってきての「改革」騒動の悲喜劇は周知のこと。社会的背景も雇用条件も何もかにも無視して....。

ひとの"パクリ"を嗤うな! 偽毛唐ども!

【エピローグ】伊藤君を殺して何になる

人殺しの伊藤君、人に殺される;
or 元テロリスト、現役テロリストに屠られる;
  
       バカなやつらだ。



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