いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

スペイン行った、2011

2011年05月08日 18時28分56秒 | 欧州紀行、事情

  <<コルドバ・カトリック大聖堂>>

スペインに行った(生まれて3度目の海外観光旅行)。2年ぶり(・5月、ビルバオで)、3回目(・スペインの本屋)。

コルドバのキリスト教大聖堂の見物に行った日、ウサマ・ビン・ラディンが米軍に殺されたということで、タブロイド紙が配られていた。天の配剤だ(?)。それで記念撮影。

コルドバのカトリック大聖堂はメスキータと呼ばれる。これは、スペイン語(mezquita)でモスクという意味らしい(wiki)。

コルドバは、西暦756-1031年の間、後ウマイア朝の首都。当時の世界で2番目に大きいモスクだった。100万人の人口で、40万冊の蔵書をもつイスラムの大学があった街。

現在のこの建物は、イスラム教のモスクの上にキリスト教の大聖堂を作ったもの。つまりは、この地における、キリスト教のイスラム教征服の象徴。レコンキスタ(キリスト教勢力による"失地"回復戦争)。

 コルドバを奪還したキリスト教徒たちは、アラーの神の胎内に、彼らの殿堂を力づくで押し込んじゃったのである。千四百本の柱を八百五十四本に削り、丸いドームの屋根をとっばらい、カトリックの神を押し込んじゃったのである。まるっきりの、強姦作業である。中丸明、『スペイン5つの旅』


"踏み台"

■現在の「神聖キリスト教帝国」である米国は、ここ40年来、"イスラム"勢力から挑戦を受けている。すなわち、1979年のイラン革命、リビア、イラク、そしてアルカイーダら「テロ」集団。

例えば;

いずれにせよ今アメリカが相手にしているのは、千夜一夜物語に象徴される世界最古の文明文化の元に暮らしてきた民族であり、その歴史の長さはアメリカとは桁が違う。ということを、アメリカ側はどれほど意識してかかっているのだろうか。その軽差はいかに現代技術を駆使しての巨大な軍事力だろうととても埋めきれぬ、人間の深い部分、歴史の芯の芯にあるものの問題に違いない。いい換えればそれこそが、歴史というものの重みということだろう。(石原慎太郎、石原慎太郎エッセイ『日本よ』「米はエクソシストたり得るか」

でも、ただ歴史の長さだけではない。別に普通の米国人が意識しているとは思わないが、ヨーロッパ文明はイスラム文明を"踏み台"にして成り立っているという指摘がある。それは2つの点である。

ひとつめ。ヴァレリーが言ったとされる、ヨーロッパ文明はギリシア文明、キリスト教、そして科学精神の三本柱から成り立つ。ここで、ギリシア文明と科学精神の少なからずがイスラム(アラブ、あるいはペルシア)経由で、ヨーロッパは摂取してきた(関連愚記事; ・R.E. ルーベンスタイン、 『中世の覚醒』、小沢千重子 訳、  ・ 12世紀ルネッサンス、アリストテレス翻訳事情 )。でも、当事者である当時のヨーロッパのインテリはそれを隠蔽している気配がある。たとえば、アリストテレスの一部の著作を"初めて"読んだトマス・アクイナスはアラビア語経由の註釈書を参照したことを隠しているらしい。

ふたつめ。これは、近代のこと。"ヨーロッパ"は、マホメットをペテン師扱いすることに象徴される。キリスト教・ヨーロッパは、正統な神、啓蒙された文明であると自分たちを認識し、その反対に、正統でない神、啓蒙されていない文明というイメージをイスラム文明に塗り込めている。オリエンタリズム→(wiki)。

西洋は、自分たちのアイデンティティーの保持のために、ネガティブなものとしてイスラムを踏み台にしている。

▼今回のオサマ・ビン・ラディンの殺害は、正統な神、啓蒙された文明による正義であると、「神聖キリスト教帝国」である米国は考えるのだ。

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  旅行日程;
【第1日目】成田→ミュンヘン→マドリッド。マドリッド泊
【第2日目】王立サン・フェルナンドス美術館  ゴヤ・「鰯の埋葬」の見物。一方、スルバラン展示ブースがすごかった。
王宮(はずれ)。ゴヤ霊廟。マドリッド泊
【第3日目】電車に乗って、エルエスコリアル。昔、ボス・「快楽の園」(wiki)があったところ(現プラド)。マドリッド泊
【第4日目】電車に乗って、アビラ。中世城壁都市。マドリッドに戻って、プラド。マドリッド泊
【第5日目】マドリッド→セビリア(高速鉄道AVE)。アルカーサル(イスラム風城)。セビリア大聖堂。フラメンコ。セビリア泊。
【第6日目】アルコス・デ・ラ・フロンテーラ(いわゆる白い村)。ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ。セビリアに列車で戻る。セビリア泊。
【第7日目】セビリア→コルドバ(AVE)。メスキータ(上記)。アルカサル。AVEでセビリアに戻る。県立美術館(Museo Provincial de Bellas Artes)セビリア出身のセルバランやムリーリョの作品ざっくざっく。これはすごかった。
【第8日目】セビリア→マドリッド(高速鉄道AVE)。電車で、アルカン(セルバンテスの生地)。すごいにぎわい。ギリシャ語-アラブ語-ラテン語の本の展示みる。フラメンコ。マドリッド泊
【第9日目】プラド(9:00-13:00)。王立タペストリー工場。マドリッド→ロンドン→成田
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そして、我らが大日本帝国;

我らが大日本帝国はいささかでも"踏み台"になれるのだろうか?毛唐さまの。

山本長官機の撃墜と同じ 米長官、殺害の正当性強調(#1)

マンセー! やはり、敵だ! 素敵だ。 愚記事;座死力より↓



一方、こういうのもある;

ある晴れた朝、何千人もの米国人が奇襲で殺され、世界規模の戦争へと駆り立てられた。

その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。


愚記事;アルカイーダ→ポチ・相転移

トモダチ、マンセー!

(いうまでもなく、東條英樹さんらいわゆる"A級戦犯"処刑者はつるし首で殺されたあと、火葬され、その灰骨は海にばらまかれた。ビン・ラディンも英樹ちゃんも海底の水館で落ち合うのだろう。米国のアイデンティティーの保持のための、ネガティブな象徴として。)

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#1
山本長官機の撃墜と同じ 米長官、殺害の正当性強調

2011年5月5日 22時40分

 【ワシントン共同】ホルダー米司法長官は4日、上院司法委員会の公聴会で国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者殺害について「敵の指揮官を攻撃目標にすることは合法だ。例えば、第2次大戦中に山本(五十六・連合艦隊司令長官の搭乗機)を撃墜した時も行った」と証言し、殺害が正当だったと強調した。

 ホルダー長官は、ビンラディン容疑者について「彼は米中枢同時テロを行ったアルカイダの指導者だ」と指摘。その上で「ビンラディン容疑者に対する作戦は、国家の自衛行為として認められる」と述べ、法的にも問題はないとの考えを示した。






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