感染症診療の原則

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耐性菌に併用療法、でも「Phageと抗菌薬」の併用

2024-09-19 | 青木語録
耐性菌は増える一方で、特にGNRの耐性は「耐性専門医」が欲しいほどに複雑化しています。 他方、セファゾリンなどAMR対策に必須の抗菌薬は欠品が続き、広域抗菌薬の使用を代替薬として使わざるを得ない状況が続いています。 そのような中、編集長はPhageと抗菌薬の併用療法の可能性を見つけた基礎的研究を知りました。 しかもPhageで細菌を直接殺すのではなくて、細菌に侵入するさいにPhageが利用する「 . . . 本文を読む

誕生日メッセージ ありがとうございました。

2024-09-13 | 青木語録
誕生日メッセージをありがとうございました。 FB等でMessageを下さったかたには、順番に丁寧に返信させて頂きます。 コロナ禍を機会にして注力する場所を少し変えましたが、基本的に次世代を応援するスタンスは変えておりません。 今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。 . . . 本文を読む

あと約1時間でHarris氏とTrump氏とのDebate

2024-09-11 | 青木語録
編集長が留学していた30-40年前とは大分変化したアメリカですが、今回は元共和党の大物達も民主党候補を応援するなど前代未聞の出来事も・・ 腐っても鯛ではありませんが、アメリカの動向は今後も世界の人に影響を与えます。 編集長の恩人が多数居る・居たアメリカが健康で民主的な国であり続けることが出来るように祈っています。 あと約1時間でHarris氏とTrump氏とのDebate 始まります。 . . . 本文を読む

嫌気性の同定と感受性

2024-09-02 | 青木語録
編集長の長年の理解は、嫌気性菌と腸球菌はOpportunisticで感染巣にいても、E.coliなど他の凶暴な細菌が治療されて消えれば、自分たちも立ち去る。 その証拠にセフメタゾールが有効であった腹水を伴う腹膜炎が後に腸球菌陽性であったことなどザラにあります。 しかし時代と共に編集長のこの考えを変える必要が出てきているかも知れません。 (少なくとも菌血症では)嫌気性菌の同定と感受性が重要である . . . 本文を読む

逆に、細菌がBacteriophageを攻撃

2024-08-30 | 青木語録
一体、微生物の世界はどこまで深くなって行くのでしょう・・ 今日、編集長は細菌はBacteriophageにやられるだけでなくて、逆にBacteriophageをやっつける仕組みを持つというNewsを見つけました。 Made-to-order gene(オーダーメイド遺伝子)は、特定の目的や要求に応じて設計・合成された遺伝子のことを指します。この概念は、遺伝子工学と合成生物学の進歩によって可能にな . . . 本文を読む

膀胱炎にアミノグリコシドの時代?

2024-08-21 | 青木語録
今日の問題: 若い女性の単純な膀胱炎だが起炎菌はESBL産生の大腸菌。 感受性: 耐性:nitrofurantoin, levofloxacin, and trimethoprim--sulfamethoxazole 中間:Amoxicillin-Clavulanate 感性:cefepime, gentamicin, piperacilin-tazobactam, and imipenem . . . 本文を読む

Drs. 名郷、勝俣、森玄 との夜

2024-08-20 | 青木語録
昨夜、かねてよりお願いしていたEBMの開祖との会合が実現しました。 忖度しない(できない)3人の先生がたとの時間は背筋の伸びる素晴らしい時間でした。 アカデミックな会話もありました。 編集長:名郷先生と同様、EBMで有名な南○先生、どこが違うのですか? 名郷:南○先生は、私、名郷よりも「N」が1つ多い。 編集長:恐れ入ります。 . . . 本文を読む

編集長が「経験」した梅毒

2024-08-16 | 青木語録
司会者:本日は青木先生が経験された梅毒についてお話しを頂きます。 編集長:御紹介ありがとうございます。それでは自験例をお話し致します。 司会者:楽しみにしております。 編集長:「経験」は「罹患」経験ではなく、「診療」経験ですので、よろしくお願いいたします。 Sigh ちなみに今朝、都の検査所で試してみようとチェックしたら見出し画像のとおりでした・・ ・人気なんですね・・と取るか ・需要に . . . 本文を読む

肺炎の診断の難しさ (レジオネラに限らず)

2024-08-06 | Aoki Office
昨日、レジオネラ肺炎の診断について漫談を書きましたが、Annalsに、入院時に肺炎と診断された症例が退院時にも診断が肺炎であったのは4割程度であったという報告がありました。 (図の緑の帯が入院時診断も退院時診断も「肺炎」) VAの研究なのでNが大きくBig pictureの把握に有効です。 臨床医は最後まで深い森を歩いていくのです・・ Diagnostic Discordance, Unc . . . 本文を読む

虫が知らせてレジオネラ

2024-08-05 | Aoki Office
何か虫が知らせて突然、症例検討会で提示されたレジオネラ肺炎、特にその診断について書きたくなりましたので、書きます。 (本当は「書け」という天の声がありました) レジオネラ肺炎は疑えば半分は診断・診療に成功したようなもの。 治療は耐性で悩むことはない感じですが、肺炎球菌なみの光速殺傷能力があるので集中治療室まであっという間に運ばれ、そうなると「改善してる」との認識が難しく「耐性菌」を扱っている . . . 本文を読む