COCKPIT-19

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「ブルートレイン」と「帯状疱疹」

2010-06-16 03:25:28 | 乗り物

サッカーワールドカップに湧く 南アフリカの行政首都プレトニアから、南ア第2の都市、ケープタウンまでの1600kmを、26~27時間・1泊2日で結ぶ豪華寝台列車が、「ブルートレイン」。 ギネスブックにも、「世界一の豪華列車」と記載されている。 女房とこの列車に乗ったのは、2001年の8月。

僕はオリエント急行に乗ったことはないが、現役の長距離寝台列車としては、ブルートレインがその設備、乗り心地、サービスなどにおいて、まさに群を抜いていることを実感した。 午前のゆっくりした時間に乗車して、沿線の風景を眺めながら時を過ごし、夕暮れ時になるとシャワーを使い、正装して食堂車でのディナー。 ワインを選びコースメニューを終えるまで2時間、食後は展望車で夜景を見ながら、食後酒とピアノ演奏を楽しめる。

ブルートレインの歴史は古い。 ボーア戦争で勝利したイギリスは、1910年南アフリカ連邦を樹立する。 その後海外から訪れる多くの富豪のため、ブルートレインの原型となる 「ユニオン・リミテッド」という豪華列車が運行を開始する。 この列車は、当時から電気照明、冷温水設備、高級感あふれる内装と、乗務員のサービスレベルにおいて、オリエント急行など欧州の豪華列車の水準に匹敵するものだった。

1933年には、振動をより少なくした食堂車が、1939年には空調装置を備えた寝台車の連結が開始された。 アパルトヘイトの廃止される1991年までは、白人以外乗車できなかったが、日本人は 「名誉白人」として乗車が可能だった。 なお2009年現在治安悪化のため、ヨハネスブルグ・パーク駅は、通過駅となっている。

実はこの豪華列車の旅だが、僕は旅行の前日 「帯状疱疹」を患い、皮膚科に駆け込んで薬を貰っての出発だった。 ところがドクターは鎮痛剤を処方してくれなかった。 ピリピリとした神経の痛みが絶えず腹部を駆け巡る。 腹をおさえ、前かがみになってのディナーは正直なところ辛かったが、今となっては、いい思い出。 


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