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海外での治療トラブルと、西郷氏の長き沈黙。

2021-11-30 08:46:44 | 健康・病気
現状では有効な治療法がないと言われる「去勢抵抗型前立腺がん」の再発で、日本では未承認の最先端治療「PSMA」を受けるべく、オーストラリア滞在中の西郷輝彦氏。 今年の4月から6月までに3回の治療を予定していたが、2回目の治療で癌が消えたことを画像で確認し、大喜びしたのも束の間、癌の進行状態を示す腫瘍マーカー「PSA」が800まで上昇して下がらない。 通常、前立腺の組織を採取し癌の有無を確認する数値の下限は凡そ4~10、然るに800という数値がいかに深刻な状態か想像いただけると思う。  こうした予期せぬ事態に加え、氏にとってもう一つ大きかったショックは、病院側の意外な対応。 「治療を中断し、日本で調べたほうがいい」と、いきなり帰国を薦められたのだ。 

またオーストラリアでの治療に関わった日本の医師からは、「癌は消えている、あとはあなた次第」と今後の方針については自主判断を促された。 これに対し西郷氏が納得するはずがなく、「治療を中断して帰るなどとんでもない、こちらでしっかり対応し、必ず3回目の治療をやってもらう」と治療の継続を要求している。 双方の議論の焦点は、患者側が「癌の消滅とPSAの数値を一体として癌完治の根拠としている」のに対し、医師は癌とPSAを別々に捉え、「癌の消滅がすなわち完治である」と主張している。 この辺の食い違いは国民性によるものだという人もいるが、これまでの医療行為で類似するようなトラブルは起きなかったのだろうか?。 

海外での治療を行う場合、当然詳細にわたっての取り決めが行われるのだろうが、今回のように「何をもって完治とするか」の解釈まで踏み込んでなかったのは反省材料。 3回目の治療が行われたかどうか分からないが、仮に実行されたとしてもPSAが正常値に戻るとは考えにくい。 そうなると癌の再発・転移などに進行する可能性も出てくるので、注目を集めている「最先端治療」 への評価にも大きな影響が出てくるのではないだろうか。 また西郷氏がこれまでに支払った医療費や滞在費の返還請求も予想されるので、国際的な係争に発展する可能性もある。 これまでの経緯はざっとここまでだが、渡航以来欠かさず配信してきた氏からの「近況報告」が途絶えて間もなく9カ月を迎える。 

西郷氏の結果を見てから、同じ治療を受けるかどうかを検討している同病の患者や、完治を願いながらレポートを心待ちにしているフアンも多く存在し、氏の動向に注目が集まる。 にもかかわらず、黙して語らない氏に、いったい何が起きているのだろう?。 氏に密着して報道してきたマスコミも音沙汰なしで、これも不可解。 「然らばこちらから前向きに想像してみよう!」・・・3回目の治療は当初からの約束事で、これは実行されたと考えていい。 しかしPSAは下がらない、このまま対立が続けば、双方にとってマイナスにしかならない筈。 そこで協議の結果、PSAを下げる方向で合意し、そのための治療を現在の病院で実施するという「新段階に入った」と考えるのが自然の成り行きではあるまいか?。    


薬には、長期に使っていると効果が減少するという宿命がある。 しかし暫く休んでいると機能が回復し、再び効いてくるという習性もある。 氏の場合治療休止から、かなりの期間が経過しているので、これまで絶望視されてきた従来の治療法が、再び有効に機能する可能性も充分考えられる。 さらに病院側が持つ「PSAを下げるノウハウ」もあるはずで、これらを総動員して、良い結果が出てくる可能性があると思えてならない。 かってがん患者のメンタルサポートを目的とした「ジャパン・ウエルネス」の理事長だった医学博士・竹中文良氏の名言を思い出す 「がんは縁と運で決まる」。 西郷氏は「縁」あって遠く離れた地で癌と闘っており、日本では多くの人たちが氏の復帰を待ち望んでいる。 「新段階の治療」が必ずや「良運」に繋がることを祈りたい。