COCKPIT-19

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ご当地「ノラ猫事情」と、避妊・エイズ

2018-11-04 04:45:40 | 日記・エッセイ・コラム
寒気が厳しさを増すこの季節、犬を連れて公園を歩きながら気になるのはノラ猫の越冬。 生後間もない子猫や老いた猫の多くがこれから姿を消していく(この辺での平均寿命はおよそ2年~3年)。 しかしどこで死ぬのかわからない、一度も亡骸を見たことがないからだ。 そして最近になって子猫の数がめっきり少なくなったのには、二人の女性ボランティアKさん・Tさんが深く関っている。  行政支援ゼロの中、彼女たちは自費でメス猫に避妊手術を受けさせ、これに共感したペット・ドクターが1万円ぽっきりの超格安でオペを引き受けている(通常25000~30000円)。

オペを終えた猫を自宅で2~3日預かるのは、同じ猫仲間の女性で、互いに連携しながら猫の繁殖にブレーキをかけてきた。 そんな恩恵を受けた猫の中に、3年前僕のブログで紹介した三毛猫ニャーニャの孫が2匹居り、この子たちは特別扱いで公衆トイレの裏に発泡スチロールの小屋を作って貰い、朝晩の差し入れを受けていた。 しかし世の中善意の人ばかりではなく、近所に住む男がなぜか小屋を壊し崖下に投げ捨ててしまう。 これに対し彼女たちがとった対抗手段は、同じものを作リ続けて相手が諦めるのを待つことで、まるでガンジーの戦法を思い起こす。 

そして或る日の早朝、壊してる現場で男と対面し、「猫は避妊手術を受けており,他に何か迷惑をかけていたら聞かせてほしい」と話したが全く無反応。 その後も破壊行為が続くので、次の手段としてトイレ裏側に広がる森の中の見つけにくい場所に小屋を移し、その後被害は出ていないという。 それからしばらくして起きた問題は、猫の一匹が食べ物を口に入れると悲鳴をあげて吐き出してしまうので、ドクターの診察を受けたところ何と「猫エイズ」との診断。

猫エイズは、猫エイズウイルスに感染することで猫の免疫力が極端に低下してしまう病気で、ウイルスは猫の唾液に多く含まれれている。 そのため感染猫と喧嘩して噛まれると感染する。 この他にも交尾や母親からの感染もあるが、ほとんどの原因は猫同士の喧嘩によるもの。 猫に人間が噛まれることでうつる可能性は100%ゼロ、また犬や他の動物に感染することもない。 人間のエイズは感染後10年ぐらい経って症状が出るといわれるが、猫の場合症状の出ない時期が4~10年ぐらい続くので、検査をしない限り飼い主は気ずかない。 とくに多い症状が「口内炎が治らない」。

猫エイズを根治する特効薬はなし、彼女たちが与えている薬は多分口内炎の痛みを和らげるもので、食べ物も柔らかいカンズメ類を与えて、かなり元気を取り戻しているのが救い。 ところで島民15人と猫100匹以上が暮らす瀬戸内海の「青島」では全てのネコに避妊処置をすることに決めた。 島民の老齢化で面倒が見きれなくなったのを理由にしているが、限られた野生のエサで生存数がコントロールされていた猫が、観光客のエサやりで数が増え続け体調を崩しているのも一因。 体力が低下すればエイズ菌も蔓延しやすい、神の意志に従い島民は賢明な判断を下したのかもしれない。