COCKPIT-19

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飼い犬に手を噛まれる

2021-07-31 13:56:23 | 日記・エッセイ・コラム
今年の4月、2匹の飼い犬のうち元気だった15歳の「モモ」が肝臓からの大量出血で突然亡くなり、老齢と痴ほう症の進行で車椅子に乗って散歩していた17歳の「サクラ」が生き残った。 いつも一緒だった犬友の仲間たちも、最初は嘘だろうと信用しなかったほどの逆転現象で、これを寿命というのか神の悪戯なのか、僕にとってのショックは大きかった。 これまで15年もの永きにわたり、片時も離れることなく一緒に過ごしてきたモモが突然姿を消した現実を、サクラはどう受け止めているのだろうか?、僕は心配しならら様子見守っていたが、悲しいかなまったく変化は見られなかった。 これがせめてもの呆けの効用なのか。

ところがもっと深刻な事態が待ちうけていた。 モモの死んだ数日後からサクラの夜啼きと、不自由な後ろ足を引きずっての徘徊が始まり、動けなくなると、容赦なく大声で啼いて僕を呼びつける。 外で飼っているので、隣近所への迷惑を考えると急いで対応せざるを得ない。 こうして一晩に数回も起こされると、もういい加減にして逝ってくれまいかと思う一方、ピンコロでなんの手間もかけずに去ったモモは、本当に飼い主孝行な犬だったと、あらためて愛しく思われる。 このままでは僕の方が参ってしまうので、行きつけの動物病院に連れて行くと、「痴ほう症を伴う老化現象」との診断。 対処方法として昼はなるべく起こしておいて、夜はぐっすり眠らせるようにとの助言。 

処方してもらった薬は朝晩2回飲ませることになるので、これまで1回だった食事を2回に分けて与えるようにした。 朝食時には脳を活性化するサブリメンとを3錠、夜は精神安定剤を2錠、いずれもドッグフードに混ぜて飲ませてきた。 そして犬が僕の手を噛むとう不名誉な事態が起きたのは、夕食時。 たまたま食べ残した少量のドックフードの中に小粒の精神安定剤が残っていたので、それを右手でつまんでサクラの口に入れたところ、小指の先をぱくりとやられた。 これまでも嫌がるようなことをすると、噛むような動作をすることがあっても、本気でやることはなかったのが・・・。 

そんな時は叩いて叱ってきたが、今回は右手小指の爪の根元と裏側の皮膚の部分を傷つけられた。 犬の歯は鋭くとがっていて固いものを噛み砕く、とくにサクラは長く飲ませている牛乳の効果か、堅いものでも平気だ噛み砕くし、永生きしてるのは歯が丈夫だからだと言われるぐらい強い歯なのだ。 しかし今回僕は噛まれても大声で怒鳴ったり、叩いたりする気が起きなかった。 何故なら本気で噛んでいたら、もっと深い傷になっていたはずで、やはり噛んではいけない相手であることは分かっていても、噛み加減をコントロールできなかったんだと考えたからだ。

傷の化膿が心配なのですぐに病院に行きたかったが、生憎クローズの時間が過ぎているので、とりあえず消毒と化膿止めの軟膏を塗ってその日は痛みを我慢した。 翌日行きつけの整形外科へ行くと、傷の手当は消毒をして包帯を巻くだけ、あとは抗生物質の飲み薬を7日分渡された。 これで1週間後にはほぼ完治した。 サクラの夜啼きと徘徊は精神安定剤がよく効いて、これまで明け方1度起こされる程度だったが、徐々に薬の効きが悪くなってきてるようで気が重い。 こちらの気力・体力も衰えてきてるので、そろそろ楽にしてほしいのだが、猛暑もさして気にせず、食欲も変わらない。 これも呆けの仕業なのだろうか?。