小型機パイロットの世界組織「AOPA―JAPAN」メンバーで、かってJAXAで宇宙飛行士のトレーナーを勤めた医師の嶋田和人氏が、標記の事故についてAOPAニュースに寄稿し、TBM-700の事故原因が空中分解であれば、パイロットの操作不能・操作の誤り・火災・煙が一番に考えられるとしながら、米国で公表されている同機の事故歴を紹介し、その中でとくに「低速での方位コントロールが難しい」ことに注目している。 スピードが遅くなると舵の効きが悪くなるのはこの機体に限ったことではないが、その兆候が著しいということだろう。
小型機パイロットの間で「いつかは・・・」と憧れるのが、昨年7月調布空港で民家に墜落したパイパーPA-46愛称「マリブ」だが、就航間もなく主翼破損で空中分解する事故が多発し、全機に運航停止命令が出ことを思い出す。 単発エンジンでも高高度巡航を可能にするため、グライダーのような高アスぺクト比の薄い翼を採用したことも危惧されたことの一因。 しかしその後の原因究明で、操作の誤りにより主翼に過大な負荷のかかったことが判明し、運航は再開されたが、小型機は性能が高まるほどパイロットに高い操縦レベルが求められることは確か。
事故機パイロットの田中氏は飛行歴40年のベテランと聞くが、TBM-700に関しては今年の6月米国から輸入し、日本での耐空証明などを取得したのは7月。 ジェット機と同じ機能を持つターボプロップ機で9000mの高空を550km/Hの巡航速度で飛ぶことのできる機体は、マリブと比べても次元が違う高性能機で、その特性を習得するにはかなりの完熟飛行が必要。 また2001年製造の機体で老朽化を心配する声も聞こえるが、飛行機のメンテナンスは航空法で厳しく管理され、経年機であっても就航時同様の性能と安全性が保障されている。
事故機は空中分解で機体が広く飛散してるため、調査は長期に及びその解明が困難視されているが、一方パイロットは八尾空港から福島空港に向けての離陸から15分後、管制に引き返す許可をリクエストしているが、その理由は報告してない。 その義務はないのだが仮に緊急事態であれば当然報告があるはずで、何もないということは差し迫った事態ではなかったと推察していい。 当然「事故調」は航空身体検査までさかのぼって健康状態をチェックするだろうが、この辺に原因究明の一つのカギがあるように思えてならない。
十数年前になるが、このフランス製高級小型機のコーパイ席に座って、調布から福島空港まで送ってもらったことがある。 マリブがベンツならこの機体はフェラリーと例える人もいるが、外観はマリブより一回り大きく中央に通路を設けて4席が向かい合って座るレイアウトもマリブと同じで、プライベート機の高級感を演出したところが通常の小型機と大きく異なるところ。 視界不良でILS(計器着陸システム)を使ってのランディングだったが、どっしりした重量感と際立った静寂さがが強く印象に残ったフライトだった。
小型機パイロットの間で「いつかは・・・」と憧れるのが、昨年7月調布空港で民家に墜落したパイパーPA-46愛称「マリブ」だが、就航間もなく主翼破損で空中分解する事故が多発し、全機に運航停止命令が出ことを思い出す。 単発エンジンでも高高度巡航を可能にするため、グライダーのような高アスぺクト比の薄い翼を採用したことも危惧されたことの一因。 しかしその後の原因究明で、操作の誤りにより主翼に過大な負荷のかかったことが判明し、運航は再開されたが、小型機は性能が高まるほどパイロットに高い操縦レベルが求められることは確か。
事故機パイロットの田中氏は飛行歴40年のベテランと聞くが、TBM-700に関しては今年の6月米国から輸入し、日本での耐空証明などを取得したのは7月。 ジェット機と同じ機能を持つターボプロップ機で9000mの高空を550km/Hの巡航速度で飛ぶことのできる機体は、マリブと比べても次元が違う高性能機で、その特性を習得するにはかなりの完熟飛行が必要。 また2001年製造の機体で老朽化を心配する声も聞こえるが、飛行機のメンテナンスは航空法で厳しく管理され、経年機であっても就航時同様の性能と安全性が保障されている。
事故機は空中分解で機体が広く飛散してるため、調査は長期に及びその解明が困難視されているが、一方パイロットは八尾空港から福島空港に向けての離陸から15分後、管制に引き返す許可をリクエストしているが、その理由は報告してない。 その義務はないのだが仮に緊急事態であれば当然報告があるはずで、何もないということは差し迫った事態ではなかったと推察していい。 当然「事故調」は航空身体検査までさかのぼって健康状態をチェックするだろうが、この辺に原因究明の一つのカギがあるように思えてならない。
十数年前になるが、このフランス製高級小型機のコーパイ席に座って、調布から福島空港まで送ってもらったことがある。 マリブがベンツならこの機体はフェラリーと例える人もいるが、外観はマリブより一回り大きく中央に通路を設けて4席が向かい合って座るレイアウトもマリブと同じで、プライベート機の高級感を演出したところが通常の小型機と大きく異なるところ。 視界不良でILS(計器着陸システム)を使ってのランディングだったが、どっしりした重量感と際立った静寂さがが強く印象に残ったフライトだった。