ひーず のーと

旅、食、落語・・・と日々思うこと、思い出したことの備忘録

伊藤隆敏 デフレから復活へ-「出口」は近いのか

2006-05-26 23:59:04 | マイ ブック
東洋経済新報社、2005年11月出版の伊藤隆敏著「デフレから復活へ-「出口」は近いのか」
インフレターゲット論で知られる著者が1990年以降の日本経済について、研究者や政策担当者が考えてきたことを紹介・論評した一冊。

第1章「デフレ脱却の条件」で、デフレ脱却を確実にするための条件として、日銀が
(1) デフレが生じていなかったなら実現していた経路に物価水準を引き上げる金融政策
を行うとのアナウンス
(2) 物価水準目標を達成後、インフレ率の長期目標を掲げるインフレ目標政策に従うと
いうアナウンス
(3) 物価水準目標を達成し、バランスシートにおいて、損失が生じた場合、財務省は日
銀の責任を問わずに、バランスシート回復のための財政措置を行うとともに、財務省
のアナウンス
(4) デフレが終焉し、物価水準目標達成まで、非伝統的金融政策採用のコミット
を行うこと
を提案している。そして、物価水準の目標の提示は、市場の予想に働きかけ、デフレ脱却を確かなものにするためであるとしている。
また、物価水準目標政策への①一般デフレへのインフレ政策は副作用が大きい、②日銀の独立性の侵害、③ハイパーインフレの危惧といった批判への反論も本書で示している。

第2章「1990年代の日本経済」では、デフレの原因について、総需要低下説と総供給増加説をあげ、総供給増加説については①技術革新、②中国等からの輸入増によるが、これらがあれば、総需要も伸びるはずで、そうはなっていないことから総供給増加説は否定している。したがって、デフレは、株価・地価の下落に端を発する金融システム不全が生じ、企業に資金が回らなくなり、経済の総投資が減少し、さらに、株価・地価の下落がそれらを所有する人の消費を減退させ、これらの投資・消費の減少によって、総需要が減少し、一般物価水準が下落したと分析している。
そして、ここまで、至る過程の政策について、バブルの発生させた時点からの、様々な時点における経済政策の誤りについても述べている。

第3章「金融システム安定化に向けて」では、90年代以降の金融行政の失敗による、金融システムの混乱について、述べるとともに、金融システムに今後残された次の課題において、解決に何が必要かを記している。それは、
(1) 公表データの信頼性
(2) ファイナンシャル・グループに対する監督体制~持ち株会社か、傘下金融会社か
(3) オーバー・バンキング~銀行数、支店数、行員数、融資残高
(4) 収益を揚げるビジネスモデル
(5) セーフティー・ネット~決済用預金全額保護の問題
である。また、この(5)の課題への対応のためにナローバンク導入をすすめている。さらに公的金融機関のあり方について述べ、郵貯についてはナローバンクにと提言している。

第4章「持続成長に必要な構造改革」では、長期に渡り、日本経済が成長を持続し、日本経済復活のためには構造改革が必要で、その一端として、財政再建、年金改革、自由貿易協定(FTA)について、議論をしている。
(1) 財政再建~ 金利が低いうちに財政再建化のスケジュールを定めることは重要な政策
課題であり、手順としては、①政府が提供すべきサービスについて真剣に考え直し、
歳出減らし、②広く薄く負担するとともに、所得税よりも労働を奨励しうる消費税に
より増税し、③成長による自動安定化装置による歳出増を図ることを述べている。
(2) 年金改革~払い損にならず、労働意欲を妨げない制度設計の必要と改革の案を述べ
ている。
(3) FTA~取組みが遅れているので、例えば、フィリピンとの間でFTAが的案らな
い原因は日本の資格を取得したフィリピンの看護師を受け入れについてであり、また、
今後、農業分野が障害になりかねず、産業への打撃を理由にFTAに慎重になること
は国益を損ねるとしている。
そして、日本経済復活のためには、日本人(特に主婦、高齢者)が働くことができるような年金制度、税制の導入と、日本経済に貢献できる外国人の受入れが重要な課題となるとしている。

終章「日本の経験に学ぶ」では、日本経済の経験からの教訓は
① いったん、デフレに陥ると抜け出すのは非常に困難なので、デフレの芽が出始めたら早めに金融緩和を行うことが重要
② いったんデフレに陥ったら、通常使われないような金融政策を用いてでもデフレからの脱却を早めに図ることが重要
③ 平常時に金融政策が目標とすべきインフレ率は0%でない。
等まとめの1章。

総じて、読みやすく、(賛否はあるだろうけれど)今の日本経済に対する考え方・見方を学べる本。また、インフレターゲット論についてもわかりやすく。


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ひでじビール・きつねピルスナー

2006-05-26 23:10:01 | 今宵のお酒・一献
今日、家で、軽くビールを。宮崎のひでじビールの「きつねピルスナー」。このピルスナーに限らず、ひでじのビールは、いずれも味わい深く飲みやすくファンです。
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地げもん揚げ・はも

2006-05-26 22:32:29 | 今宵の逸品&お弁当
先日、抽選で当たった、長崎俵物シリーズから。長崎市の長崎蒲鉾(有)。いわゆる薩摩揚げ。非常においしい味でした。
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水戸名産(切り干し大根入り)そぼろ納豆

2006-05-26 22:08:43 | 今宵の一品・納豆篇
水戸のだるま食品(株)のそぼろ納豆。切り干し大根入りの納豆もおいしくて好きなんだ。1日で、妻と完食。
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虎、連敗 阪神2-3ロッテ(25日)、阪神0-3西武(26日)

2006-05-26 21:41:51 | 虎の記憶
昨日は飲んでいて、飲み屋で、ジャイアンツが負けたのを見て、よーしと思ったら、タイガースも負けていて…。ニュースを見ると最終回粘ったけれど。
今日は飲み会が中止になって、家に帰り、西武戦を7回から。松坂の前に全く手が出ないと言う感じで完敗。見ている範囲では、太陽がよく投げていた!!ガンバレ太陽!
そして、今日もジャイアンツも敗れて、0.5差は変わらず。


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