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ひさしぶりに、衆議院予算委員会で質疑をした。時間は、たった12分間と限られているが、この際だから大風呂敷を2枚、広げることにした。

ひとつは年金である。昨年の年金関連法案で、グリーンピアと年金住宅融資の廃止が決まり、これまでの国(財政投融資)への借金6兆円をまとめて返す(一括償還)ことになっていたが、どうなったのか尾辻厚生労働大臣に聞いた。

答弁によると、平成17年度となった4月1日に、年金積立金から6兆4168億円を国に一括償還している。そのため、平成16年度末には147兆3610億円あった年金積立金(国民年金9・6兆円・厚生年金137・6兆円)が、平成17年度予算では取り崩されて140・3兆円(国民年金9・2兆・厚生年金131・1兆)と減額している。

あれだけ批判が渦巻いたグリーンピアと年金住宅融資の後始末に国民の年金積立金からごっそり立替払をした時点で、大臣自ら公の場で説明する機会があったのかと問うと、「すでに予算案で御承認いただいていますから」と尾辻大臣。

続いて竹中郵政民営化担当大臣に、郵便貯金150兆円、簡易保険110兆円総計260兆円の国民の資産を預かる「独立行政法人・郵便貯金・簡易生命保険管理機構」のガバナンス、つまり厳格な監査はどうなっているのかを問うた。

総務大臣が任命する理事長と理事のたったふたりが役員で、この郵貯・簡保資金の全責任を負う――いかにもおそまつではないかと添えた。しかし、竹中大臣はこの独立行政法人で大丈夫だという立場を崩さず、ガバナンスに問題なしとした。

残った年金積立金140兆円も、年金積立金管理運用独立行政法人という覚えにくい名の法人が全額運用する。国民の資産を預かりながら、誰もが知らず、また覚えることの出来ないような名称でいいのか――と切り出したところで、「時間切れ」と言われて委員長に打ち切られてしまった。

こうして、12分+αで総額400兆円の行方問う質問再開第一弾は終わった。しかし、12分は短いねえ。以前は25分ぐらいやっていたから、欲張りすぎだったかなと反省しながら、帰路についた。ただし、郵政資金を預かる独立行政法人へのガバナンス問題は、国会で議論されたのは初めてらしい。


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