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麻生内閣の支持率が急落している。昨日の日本経済新聞の世論調査では「支持する31%」「支持しない62%」という衝撃的な数字が出てきた。10月末の調査に比べると「支持する48%→マイナス17%」「支持しない43%→プラス19%」だから、激流のような変化である。内閣支持率のこの数字は、8月2日に福田内閣が内閣改造を行った後の内閣支持率と同一だ。この時の内閣支持率は31・5%、不支持率は48・1%(共同通信世論調査)で、20%台で低迷していた支持率をやや回復させている。だが、総選挙を有利に戦うために自分を客観的に見ることの出来る福田総理は1カ月後に退陣表明した。注目すべきは、麻生総理への不支持率(拒否感)の高さだ。こんなに国民に嫌われては、「選挙の顔」どころか「不人気の顔」ではないか。

10人のうち6人が「麻生はダメだ」と見ているという数字は、生半可なものではない。延長した空洞国会の中で、与党の中にも困惑が拡がっている。ついこの間、大騒ぎをして「空回り総裁選」をやって圧倒的多数で選出した大将が不人気だからと言って、首をすげ替えるわけにもいかないし、このまま手をこまねいていても支持率はさらに下降していく。申し開きの出来ないような失言もまもなく飛び出すことだろう。ただ与党・自民党の救いは冒頭の日本経済新聞の調査でも、自民党の政党支持率は39%と堅調なところだ。となると、やはり「すげ替え」しかないと考える人たちも出てくるだろう。まして、年末は新進党解党などのように、政党助成金をめぐって合従連衡や新党などが話題になりやすい時期だ。ドタバタが始まるのは間違いないが、どれだけ大きな波になるかどうか。

小泉退陣後に、すでに3度の総裁選挙が行われた。安倍→福田→麻生と「首のすげ替え」が続いてきたのは誰もが知っていることだ。ここで、4回目の総裁選挙をやると言ったら、世論は総反発するのは間違いない。政党支持率も急落し、総選挙を前にして自民党は空中分解する可能性がある。とすると、麻生総理が「森総理の道」を参考にしながら、支持率がたとえどこまで落ちようとも淡々と政権運営をしていくということになるのかと言えば、これもまた難しい。民主党の小沢代表が、「超大連立」という観測気球をあげたと報道されている。

民主・小沢氏が“皮算用” 「超大連立」で選挙管理内閣

 民主党の小沢一郎代表が、来年1月召集の通常国会で麻生太郎首相が退陣した場合、自民、公明の与党から共産党まで参加した「超大連立」による選挙管理内閣が発足する可能性があるとの見方を示していたことが1日、分かった。

 混迷する麻生政権を揺さぶる狙いがあるとみられるが、党内には「捕らぬたぬきの皮算用だ」との冷めた見方もある。

 民主党幹部によると、11月28日、鳩山由紀夫幹事長とともに新党日本の田中康夫代表と会談した際、小沢氏は「麻生内閣では通常国会はもたない。首相は政権を投げ出すのではないか」との見解を示すと同時に「そうなると全党が入った内閣ができるかもしれない」との考えを示した。

 鳩山氏が「大連立か」とただすと、小沢氏は「違う。超大連立内閣だ。いろんなことを頭に入れないといけない」と答えたという。(47NEWS)

「大連立」と「超大連立」の違いは何と言えば、「自民・民主・公明」が大連立で「全政党参加」が「超大連立」だということになる。政権与党が土壇場まで追いつめられて政権運営に手詰まりになった時、野党に選挙管理内閣を委ねて下野するという話なら判るが、それがなぜ「全政党参加」なのか。奇妙な翼賛会にならないとも限らず、私たちも意図をはかりかねる。昨年11月の大連立騒動で、民意の審判をもって政権の枠組みを形成するという民主主義のルールが再確認されたと思っているだけに、気になる発言ではある。





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