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連日、猛暑というより「熱波」と言った方がよいような異常高温が日本列島を襲っている。そして、日本のお盆を直撃した「世界同時株安」の株価下落は、その要員がアメリカの住宅ローン破綻懸念であるだけに、経済対策と言っても限りがある。このところ好調だった株式史上の影響で、われらが「年金資金」も記録的な含み益を出したと厚生労働省年金局は胸を張ってきたが、株式市場の動向いかんで巨額な損失を抱えることにもなりかねない。かつて株式市場が低迷して、巨額の「含み損」を出していた時期に、年金局の資金運用外資系の信託銀行や証券会社は、運用成績に関わらず、手数料をガッチリ取っていたことを問い質したことがあるが、「株式市場の下落」は「株をやっていないから関係ないよ」という話ではない。社会保険庁幹部が、厚生労働省の社会保障担当審議官だった時に、『月刊現代』でインタビューしたが、「年金資金の株式運用の意義は、なかなか株取引になじみのない国民に株式市場に参加してもらうという側面もある」と強調していたことを思い出す。すなわち、「株取引」をまったくしていない年金の掛け金を支払っている人々全体が、国家によって強制的に市場参加させられるわけだ。

世界同時株安と東京市場の激しい下落は、年金積立金を目減りさせ、毎年の保険料と支給額にさえ直接響いてくる。今年前半の「年金記録」の議論から、「年金積立金管理運用独立行政法人」のあり方をめぐる議論へと発展させていかなければならない。150兆円と言われている年金積立金を預かっているのはどこか? 社会保険庁でもなければ、厚生労働省でもない。責任者・経営陣は「理事長一人・理事一人」という「年金積立金管理運用独立行政法人」だ。こんな冗談みたいな話が成立しているのも、この国の病巣が深い証拠だ。この長ったらしい独立行政法人の正式名称をそらんじて言える国民、いや国会議員だって、そうたくさんはいない。新聞記者も厚生労働省担当の年金記者を除いて、ほとんどの人が名前すらあまり印象に残っていないこの独立行政法人こそ、グリーンピア・年金住宅融資などで年金資金を大きく減額させた年金福祉事業団→年金資金運用基金→年金積立金管理運用独立行政法人と看板のかけ替えを続けてきた年金食いつぶし集団の巣窟なのだ。

この巨額の年金資金の市場運用は、アメリカの強い要望だった。この独立行政法人は、日本の株式市場に投資しているだけではない。アメリカをはじめたとした外国株・外国債にも投資を続けている。「郵政民営化」の真実の狙いが、郵便貯金・簡易保険に集まっている日本人の資産を狙ったものであることは、すでに数多く指摘されているが、年金・郵貯資金をあわせて400兆円という途方もない国民の資産がいよいよ危なくなっている。

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