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 今日は世田谷区長として15回目となる定例記者会見の日だった。昨日、区議会で平成24年度予算を可決・成立していただいたことや、小田急線上部(鉄道跡地)の再利用をめぐるシンポジウム(4月12日予定)や、世田谷美術館のリオープン、また自転車憲章の制定と講習終了時に配布する反射板付シールなどについても話したが、「東京電力の大口値上げ問題」についてメモをまとめていたので、このブログでさっそく紹介しておきたい。

 「東京電力の大口料金値上げ問題

 〔経過〕

3月12日の午後、世田谷区役所に東京電力が訪ねてきました。世田谷区ではすでに111カ所の施設で競争入札を実施して、PPSに切り換えることを決めていましたが、東京電力との契約を継続する100施設余りの電気料金の値上げについての話でした。

担当職員に対して、 「世田谷区は4月1日から値上げしますか」「あるいは契約日からの値上げを続行するかどうか」という問いかけが東電からありました。担当者はにわかに理解しがたかったようですが、説明を聞いて「4月1日ではなく、契約日からの値上げという選択肢がある」ことを理解しました。担当者は「契約日からを希望すると思うが、改めて回答したい」と答えています。

  私のところには、政策経営部長から報告があり、一連の経過を聞きました。その内容の中に、「東電としてはあくまでも4月1日の値上げ実施」「残余の契約期間が有効であるという考え方もあることから契約満了の日まで値上げを順延することも出来る」「この提案は『東電による値上げ交渉が難航している消費者に対して提示している案であり、原則は4月1日の値上げ実施だ』とあったことが目に止まったのです。

  今回の企業や自治体を対象とした値上げは17%と大幅であり、リーマンショクや東日本大震災と円高不況をくぐり抜けてきた企業にとっても甚大な打撃を与えます。「個別協議」という名のもとに、これだけ重要な告知事項が社会的に明らかにされていないのはフェアではないと感じました。

 そこで、16日に行なわれた特別区区長会で「東電値上げ反対」の意見書を討議する場があったことから、一連の経過を情報提供させていただき、終了後に東京電力を呼んで事情を聞くことにしました。

 〔問題点〕

 私はいくつか世田谷区役所で東京電力に対して、基本的なことを確認していきました。「これは、問答無用の一方的な値上げ通知ではないのか」との質問に対して、「そうではなく、あくまでも契約期間の途中だけれど新料金への御理解を頂きたいというお願いです。不承諾の場合はコールセンターに連絡を頂くことになっています」ということでした。

「当方は2月に届いた文書の意味内容をつかむことができず、一方的通告と取り違えていた。返事がない場合はどうするつもりでいたか」

「了承いただいたものと受け止めます」

「不親切ではないか」

「いろいろ行き届かない点もあり、全契約者に対して改めて連絡をして意志確認をするようにしています」

「月末まで間にあうのか」

「何とか努力します」

 「世田谷区としては4月1日からの一斉ではなく、あくまでも契約期間通りにやってほしい」と通告した後、2点を東京電力に対して申し入れました。

①    民間事業者を含めて徹底した情報提供をしてほしい。

②    今回の内容を整理してホームページに掲載してほしい。

 〔総括〕

 大きな問題点としては、大口契約は自由化市場と言いながら「地域独占」の習慣を濃厚に残している点にあると思います。申し込み書はあっても契約書も存在しません。世田谷区の場合も「4月1日からか、契約日からか」でざっと試算すると1500万円の差額が生じますが、その意志伝達も口頭です。

 今回、経済産業大臣の指導もあって16日に申し入れた内容は21日になってほぼ実現したことで、私が当初懸念した「知らずに値上げを了承した」と扱われて、4月1日以降に「値上げの構造」が明らかになって憤慨する企業が出てくるのではないかという懸念が解消されたことは良かったと感じています。

3月21日東京電力ホームページ

 今後は、電力市場の自由化を「自然エネルギーの導入・拡大」と「一般家庭への市場開放」をふたつの柱に要望を続けていきたいと考えています。

 世田谷区では500キロワットを超える高圧施設に総合運動場があります。ここは、契約更改日が3月5日でした。区では、他の「4月1日」をまたぐ施設同様に1年間は現行料金を適用されたい」と「4月1日から値上げした新料金」を主張する東電と交渉してきました。

 昨日になって東京電力のホームページが更新されました。

「ご契約期間が平成24年1月17日~3月30日に満了となるお客様」とあり、「1月17日の値上げ方針決定以後に更新を迎える施設なので、4月1日から新料金になる契約内容を承諾いただきたい」と「お願い文書」を送付していますが、「了承の確認がとれない場合は、当該契約は1年間延長され、期間満了間で現在の電気料金単価が適用となります」

 ということでした。私たち自身も含めて「地域独占」「他に選択肢はない」と思い込んできた錯誤があったことが、今回の事態を生んだと思っています。PPSが3%では「自由化市場」とは名ばかりとなります。本来の自由競争が生じた時には、後世に引き継がれるエピソードのひとつになるのかもしれません。

3月28日世田谷区長記者会見「動画配信」 



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