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私は奇妙だと思う。少年法・修正案の裁決にはたったひとり反対したが、民主党はどうしちゃったのか。5月冒頭「ガソリン国会」だ「問責だ」とワイワイ騒いでいたのが、嘘のようだ。「公務員制度改革基本法」をはじめ、「少年法」「オウム被害者救済法」と自民・公明・民主の密室の協議で、次々と法案が成立していく。審議拒否どころか、審議加速役を率先して担っているのはなぜだろうか。私の経験から言うと、これだけ協力野党化するのは「話し合い解散」で裏で話がついている時だが、福田内閣で「解散・総選挙」という空気はない。まず、野党第一党の民主党に「解散・総選挙に追い込む」という気迫が蒸発し、ゆるい部分連立のパートナーのようなスタンスに液状化してきている。

後期高齢者医療制度廃止法を参議院で提出し、福田内閣・舛添厚生労働大臣の無責任ぶりを浮き彫りにして「問責決議案」につなげるという作戦も、まはや急速に色あせている。だって6月11日の党首討論を約束しちゃったんだぜ。この党首討論で国会の緊張が最高度に高まるなどいうことはありえない。だって、会期末まであと2日間しかないのですよ。「問責決議案」を出したとしても、政治的緊張を創り出すのは難しいのではないか。

何のために、与党にそんなに協力するのか。物分かりのよい野党を演じることで、「後期高齢者医療制度への怒り」を焦点化する機会を自ら手放して、福田内閣の延命を援助して、何かいいことあるのかなと不思議になる。もしかすると、巧妙に福田内閣を追いつめすぎずに、秋の自民党総裁選挙まで若干の浮力を与えることにして、自民党の力をそぐという作戦なのだろうか。

年金も、道路も、医療も、何ひとつ政官財の利権構造を明らかにし、政治にメスを入れなければならない歴史的必然性を国民の印象に刻むことは出来ていない。あと何日もない国会で、このへんで「仲良しクラブ」を解消し、福田政権を包囲する戦線を再構築しようよと呼びかけたい。だが、少数党の社民党だけの力ではどうにもならない。国会外の動きと連動して、世論のマグマを起こしていく以外にない。

こういう時に力を抜くと、今の野党も役割を果たさないと見放されて、わけありげな「新党ブーム」を人為的に仕掛けられて、保守勢力は延命をしていく可能性も大きくなっていく。野党共闘を組み直すつもりで、真剣な意見交換をしていきたいと考えている。

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