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 1月20日午前10時。衆議院第1議員会館第2会議室は、15名を超える与野党議員が集まり、チャイルドライン支援議員連盟の勉強会が始まった。馳浩幹事長の司会の下で、河村建夫会長が挨拶。そして、議連の事務局長だった小宮山洋子副大臣も抱負を述べた。厚生労働省雇用均等家庭局家庭福祉課長と総務課・虐待防止対策室長、そして現場から全国児童養護施設協議会土田秀行副会長がそれぞれ報告をした。

とくに「タイガーマスク現象」で世間的な関心を集めた「伊達直人名等」の匿名の寄付は、1月17日現在で1000件余りとなり、贈られたランドセルは750個、現金・金券は3200万円になっているとの報告があった。全国で575カ所30000人の子どもたちが寝起きしている児童養護施設の53・4%が被虐待児と高い割合を示していて、職員数もまだまだ足りない。厚労省としては、従来の大規模施設から里親や小規模施設・グループホームなどへの転換を促している。

 私が関心を持っていた18歳の子どもが「進学」「就職」などが決まって施設を出る時の「支度金」だが、改めてその低額ぶりに驚いた。「就職支度費」「大学進学等自立生活支援費」共に一生に一度の人生の船出に、国が支給する額は77,000円である。ここに、両親が死亡などしている特別基準(137,510円)という加算措置があるが、両親あるいはどちらかの親が生存していても子どもを支援しない場合が少なくないと思うのだが。  先日、東京の児童養護施設で聞いた「就職支度金」は19万円だったが、東京都独自の加算もあり、また民間基金からのサポートなども入る場合があって、地域差があるとも聞いた。私が7年前に栃木県の施設で聞いた「就職支度金」は、約10万円だった。いずれにしても、自分でアパートを借りて生活を始める資金には、ほど遠い。来年度から、「子ども手当」を子ども自身にプールすることが出来るようになったとも聞いたが、これもこの春に施設を出る子どもたちには届かない。

  現在、18歳の高校卒業時までとされている施設退所年齢も、特例で20歳まで延長出来ることになっているが、適用されることが少なく、約1割ほどしかいない。

  注目すべきは厚労省の動きだ。勉強会で配布された厚労省のプレスリリースは、「児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会の設置について」だ。設置の趣旨は、以下の通りだ。

 〔引用開始〕

 「社会的養護を必要とする子どもの数は増加しており、虐待など子どもの抱える背景は多様化・複雑化している。児童養護施設等の社会的養護の子どもたちが健やかに育ち,一般家庭の子どもと平等に社会のスタートラインに立つことが出来るよう、公的な責任として社会的養護を充実する必要がある。  社会的養護の現場においては、様々な困難の中で努力が行なわれおり、厚生労働省として、社会的養護の課題について、短期的に解決すべき課題や、中長期的に取り組む将来像を含め、集中して検討を行なうため、本検討委員会を設置する。

 ・主な検討事項

 1、施設の小規模化、施設機能の小規模分散化、里親推進等、家庭的養護の推進のための具体的方法について

 2、施設基準の見直しを含む社会的養護の質的向上の方策について

 3、社会的養護の児童の自立支援の推進方策について

 4、その他の社会的養護の将来像及び課題について

 〔引用終了〕

  1は従来からの政策をより推進する内容だが、2は職員配置、さらには児童の居室も含む施設設置基準の見直しも含むし、3は、18歳で施設を出る時、出た後の支援の充実も含まれる。検討委員会には、児童養護施設、乳児院、里親、自立援助ホーム、児童家庭支援センターなどの現場を持つ人々が中心となって議論を進めるという。ようやく、児童養護施設の改善に大きく政策実現する機会が近づいている。明日は、厚労省に行って更に詳しい話を聞く。



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