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鳩山法務大臣の「友達の友達はアルカイダ」発言の余波は、収拾に向うどころか迷走を極めている。11月2日、鳩山法相は町村官房長官宛てに事の顛末をまとめた「文書」を提出した。何度かその文書を読んでみたが、結論から言うと一国の法務大臣が海外メディアを前にした記者会見で語り、その後も物議を醸しだしていること自体が信じられない思いだ。顛末をまとめた文書は、11月6日の法務委員会理事会に提出されたが、ここに書かれた経過がすべてであるとしたら、この文書で言うA氏を「アルカイダ及びその周辺居住者」と断定する証拠にはならないと思う。この文書が語るB氏が身に覚えのない嫌疑をかけられた時には当然問題となるが、鳩山大臣が文書で指摘する通りの「極めて事実である確率が高い」場合には別の問題が発生する。いきなり法務大臣が重要事件の被疑者を記者会見で発表したらどうだろうか。捜査も、証拠も、公判もなく他ならぬ「テロリスト=アルカイダ」と発表して撤回しないどころか、内閣官房長官から求められた文書でさらに提出してしまった。

この文書の内容に問題があり、具体的個人を特定するような情報は伏せ字に加工して公開しようかとも思ったが、すでにA氏については、衆議院法務委員会の議事録(10月31日分)で鳩山大臣が詳細に語っているの答弁が公開されているので、原文のママとする。日本人B氏については具体的な職業名について原文は明かしているが、ここでは(省略)とした。

[以下、文書の引用開始]

「事実経過に関する説明」

 外国特派員クラブにおいて、「友人の友人はアルカイーダ」と発言した経緯等について、以下のとおりご報告いたします。

1 はじめに

 日本の法務大臣とアルカイーダが関係があるかのような誤解を与えたことに対しては、福田総理を始めとする皆さまに心からお詫び申し上げます。
 以下においてご説明するAからB氏への予告について、「私たち昆虫愛好家グループの一名ないし複数が知っていた」と言うべきところ、舌足らずで、私が爆破予告事件を事前に知っていたかのような印象を与えてしまった点に私の大きな誤りがあります。
 すぐに補足説明や訂正をいたしましたが、誤解を完全に解けなかった点もあるかと存じます。心よりお詫び申し上げます。

2 事実関係について

 「私の友人の友人がアルカイーダ」という発言の背景にある事実関係は、次のとおりです。

○インドネシア・アンボン島を中心に活躍している有名な昆虫標本商Aの存在は、私自身、雑誌等で知っており、アンボン島の内戦で、Aの仲間がキリスト教側に殺害されるなどして、Aがイスラム過激派へ傾斜していることも、昆虫雑誌を読み、知っていました。

○バリ島には、Bという、日本人(省略)が住んでおり、(省略)私もバリ島を訪れるたびにBに会い、友人関係にありました。

○ 2002年10月12日、バリ島クタ地区で連続爆弾テロが発生。その年の暮れ、私は家族や秘書とバリ島に行き、Bから話を聞きました。

 Bの話の内容は、

① Aとは連絡がとれなくなり、どこにいるかわからない。
② 8月ころ、Aから電話連絡があり、何か起きるのでクタ地区には近づかないよう注意された。
③ 半信半疑であったが、予告通り10月12日に爆弾テロが起きた。
④ Aはアルカイーダ系に走っているようだ。
⑤ Aとは共同出資した会社があるが、全く連絡がとれない状態が続いている。
というものでした。

○また、2004年2月初め、ある友人から、「Aが二度、三度と日本に来ており、自分の所にも会いに来た。」という話がありました。その友人とAも、かつて取引関係があったので、Aは、その友人を訪ねたのでしょう。

 以上の次第ですので、私は、Aと友人でもなければ、面識を有するものでもありません。

以上

[引用終わり]



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