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 連日、伝えられているパリ郊外に始まった暴動は、ついにパリ市内に波及した。

 留学中の及川健二君に「パリは燃えているか」とメールを送ったら、「パリは燃えています」との返事がきた。北アフリカ出身の移民2世、3世のティーンエイジャーが不満を爆発させている。

 マスコミ報道から見えない事態の裏に何があるかは及川君からの追信を持つことにしたい。パリの街、早朝から掃除の仕事をしているのは移民労働者であり、その2世3世だ。「自由、博愛、平等」を掲げて市民革命を勝ち取ったパリの街で、経済的身分的に力の弱い移民労働者が社会の底辺を支えてきた。

 86年に初めてパリを訪れた時、すでに「移民排斥運動」が頭をもたげ、SOSという名の「移民排斥反対運動」も同時に多くの若者を集めていた。あれから、20年が経って、フランス社会に何が起きているのか。

 路上で火を噴いている車は、けっして富裕層の高級車ではない。フランス全土に拡大した暴動に対して、移民排斥の側が暴力で応酬するようになったら、事態はさらに深刻化する。

 イラク戦争に最後まで同意しなかったフランスが、国内から「リベラル」「寛容さ」を崩壊させてほしくない。フランス政府首脳も正念場だが、人権の国として混乱のルツボから再起してほしい。へ


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